先日注文して受け取っていたポケモンカードvスタートデッキを開封。
ピカチュウの雷デッキにはMTGのパワーナイン絶版何十万もするカードのアンシェストラルリコールやタイムツイスターと同等の効果があるパートナーカードが同梱されている!
550円税込みは正直安いと思って注文した。初期出荷には通販で定価以上のものが見受けられたけど、再販で値段が落ち着いてきたようだ。うかうかしているとまた高額の転売が行われ転売ヤーの仕入れと間違われるところである。価格高騰を防ぐための再販は正解だと思う。転売ヤーは涙目かもだが。
それでもゲーマーの友達には「いやいくら強いカードの再販でもカードで500円はボッタやろ!?」と言われる。トランプだったら100均で2組100円とかだからナー。それでも利益あるわけやし、ポケモンカードはゲーム機のポケモンの宣伝効果もあるわけやからな。
まあでも、釣られて買ったものの相手はいないのでひとり眺めて遊ぶのです。42歳のオッサンがカードショップに行って子供捕まえて「ポケモンカードしよ」とか誘うと露骨に不審者やからな。ほんというとデュエルとかトレードとかトレカライフを満喫してみたいんだけど。
開封して気付いたのだが「博士の研究」などの強力サポートカードが2枚とか3枚入っていて、1枚だと高価に思えるものでの2枚3枚あるのを見ると無価値に見えてくる。不思議なものだ。恐らくだがMTGの高価なカードも何枚もあると無価値に見えるのだろうな。滅多にお目にかかれないから何となく価値を信じてしまうもんであるが、出版社もそれには気付いていて日本にMTGが持ち込まれて「テクニカルガイド」や「ディープマジック」などの活字本は格安で手に入ったが、カードの原版が載っているような画集が一部だけに流通して、市販されず、あの頃にはその本が欲しかったのを思い出す。その本も重版になって何冊もあると1冊1000円とかに下がるのだろうが、初版しか流通していないので多分3万出しても譲ってはもらえない。ポケモンカードも持ってみると欲しがって買ったのが不思議になるくらいの代物なので、恐らくMTGの貴重なカードや初版本も手にすると大したものではないのだろうが。
そういう意味では原画がいくらあっても買えないような絵の上手い人の絵でもブルーレイのアニメ背景とかになって、それと気付かず多くの人が既に見ているというようなこともあり、デジタルによる複製は価値感覚の麻痺を生んでいる。絶世の美女でもテレビに映ったら誰でもタダで好きなだけ見ることが出来るわけだしな。絵画でもそうだ。というか、既に現金自体が生活必需品の購入に最低必要な額は確保が必要だけど、可処分所得なんてものは人の趣味に使われるもので、うかうかして何の価値もないものにお金を捨てているような人もいる。
余っていると何に使うか悩むお金であるが、無い人が手にするにはそれ相応に価値を創出しなくてはならない。使うのはあっという間だが、無いところから現金と等価交換できるものを生み出すというのは本当に難しく、ポケモンカードも500円でも持ってみるとボッタだな。
そういう人間が過去には1枚の版画を78万円で買おうとしていて、今も写真を眺めて現物に憧れることはあるのだが、居酒屋で茄子の漬物380円で3本頼むと1000円超えるのを完全に騙されていると思えるようにはなった。グルメ本を読んで大阪のカレー店を食い歩きしたことなども思い出す。先にスーパーに行ってレトルトカレーの食べ比べをして飽きてからグルメに手を出したほうが賢いと思う。飽食の時代。お金は肉を買うのに使うべきだと思う。そして充分な量の肉を買うのにそこまで大金は必要ないし、それで食事は充分に満足できるはずなんだ。
しかし気になったのは「そこまで言って委員会」で山口真由女史が「車の部品は3万点」というパネルを出していて、俺が絵画を高値で買ったことを悔い「絵には心の価値があると言っても絵の具とキャンバスだけなので材料費などを考えると丸儲けのはず、クルマを買うほうがどちらかと言うと本当に価値が分かる人間ではないか」というとトレカショップのオッサンが「いやクルマも鉄の塊で30万円くらいちゃうか」と言われその時に「まあ確かに中古車なら30万円であるけど」と返してしまったことを思い出し少し悔いた。部品点数3万点なら30万円なら部品単価10円に見積もってしまっている。確かにダイソーに並ぶ商品の多くは仕入れで言うと10円くらいものも多いのだろうが、情報処理技術者として下請工場から上がってくる部品に10円しか価値を付けてやれないとなったら自分自身の存在価値をとても下げていると思う。
最近、宇宙開発に興味があるがスペースシャトルは人類が作ったものの中で最も複雑で部品点数は300万点にものぼるという記事も読んだ。中古車30万円で新車300万円という差には営業利益以上に新品部品が摩擦損壊していないなどの高付加価値があり、反対に外国高級車はブランド付加価値が乗っているのでフォルクスワーゲンのティークロス見積もり300万円というのは外国車ブランドが本格的に日本市場に価格競争を仕掛けてきているというサインであり、クルマの値付けも油断がならない仕事だなと近頃では思っている。