ルールの条文があるとルールと思ってしまう

マジック・ザ・ギャザリングのルールって、結構に不思議なものなんですよね。

基本ルールはデッキ(山札)を自分で揃えて持ってくること、クリーチャ(騎士や怪物などの生物)の戦闘と最初20点で始まるライフ(生命点)が0になったら負けなどの小冊子数ページのシンプルなルールがあるんです。

それに加えてカードひとつひとつにテキスト(文章)が添えられていて、基本ルールをある程度は踏襲しながらもカードに基本ルールを超えること(例えば「ゲームに勝つ」)などがあると、それが基本ルールより強くて「ゲームに勝つ」というカードを手順通りに出すと勝ちなんです。まあ、それは極論でゲームに勝つカードは出すための手続きであるマナ・コストなどがゲーム中に現実的に発生しないくらい高いとか、そういうことはあるんですけど、基本ルールを超えるルールが書かれたカード同士が相乗効果を産んで勝ってしまう「コンボ」があるのと同様に、ルール同士が矛盾する場合もあるんですね。そのため、小冊子の基本ルールとカードの効果以外にルールの裁定をするジャッジの資格があって、公式大会ではそれに従うんです。

これを当初はすんなりと受け入れて、俺は地元のカードショップと京都や大阪の大会を往来して大会通りのルールを地元である奈良県大和郡山市に持ち込もうとしたんです。しかし英語も習っていない小学生の間で流行りだして、彼らは勝手にルールを作って友達同士で遊ぶし、おもちゃ屋に集まったお兄様方には19歳やそこらの俺の言うことが公式大会のルールを踏襲しているとかネットでも条文が読めるとか、そんなでなく「むかつく」と一蹴されたんです。

しかし時は流れて20年(今の日付からすると3年前くらいかな)40歳近いオッサンが奈良市のカードショップで子供相手にカードゲームで遊んでいて、賞品をかっさらって店から出てパチンコ打ったりキャバクラで酒のんだりしてる。

これは俺がシステムエンジニアの仕事で稼いだお金からゲーム代を出して景品は景品でもらって1500円相当で、パチンコ代やキャバクラ代はゲームをして出したお金以上に小遣いが余っているからそうして遊んだのですが、同じ狭い街の中なので、子供からだまし取ったカネでパチンコやキャバクラに行くアテモン屋の怪しい兄ちゃんだと思われてしまいました。

つまりカードゲームのプロが儲かってそのカネをバラ撒いて遊んでいるように見て取った人がいるということです。

しかし現実には先に書いたようにゲーム大会で出る商品は1500円相当に対して参加費は3000円するんですよね。これは丸々大会運営者の懐に入っているんです。

そしていつからか俺はゲームのルールの勉強をしなくなり、カードセットを新版に買い換えず、ひとりで数学的なゲーム研究のみを趣味として、キャバクラは行かなくなり、パチンコと言うか厳密にはパチスロですが、それも徐々に減らしました。悪い噂は消えたのですが、ブログに「プロポイントがプロと呼べる境界線を割った」という記述をしたことが何となくだけど取り沙汰されているのかなと10年前の記事が注目記事になったことを分析しています。

まあ、正確に言うと俺が持っているのはDCIポイントとプレインズウォーカーポイントで、プロポイントがプロポイントという名前で呼ばれていた時にはプロポイントは持っていなかったのですが、勝つと増えて負けると減るDCIポイントは黒字だったのですが、それが赤字化してから生涯増え続けるだけのプレインズウォーカーポイントに制度が変わってプロポイントは別になったんです。

ただ、今になってあらためて考えると、ゲームのルールはDCIの公式大会に出るなら競技として守らねばならないということは譲れても、大和郡山市ではじめそうであったように子供の遊びや大人の趣味に厳密な競技マジックのルールを持ち込むことに違和感を感じる部分もあって、そしてそれは国内での六法のような法的拘束力を持つ実定法ではなく、ましてや自然にそうなるという摂理の自然法でもなく、ただただ理不尽なルールなんですよね。

だから、そのルールを参加者に飲ましてプロポイントの加点制度を不透明にした状態でプロプレイヤを広告塔に参加費を取って景品を出すだけで主催者が儲かるというのはカードゲームの複雑なルールを考えるのに頭を使っている人は盲信しているけど、日本国の刑法や民法に抵触する詐取行為ではないのかなとも近頃は考え始めています。

まあ、辞めたので今から掘り返して自発的に提訴しようというようなものではないですが、彼奴等が捕まってニュースになったらウォッチャーとしては納得感が高いかなと。現場からは以上です。


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