俺が酒飲んだらするような話のほうがブログより分かりやすいらしく

俺が子供の頃って、親父を含む周りの大人に「世の中には紛い物がいっぱい売られていて本物を知って手に入れなければならない」という消費者側の「どれが当たりか」というアプローチと発明品の特許や本やレコードの著作権のような権益の獲得を巡る「どっちが先か」というアプローチがないまぜになって、子供まで「どっちが本物か、どっちが先か」で喧嘩した。

これは会社からすると、特許や著作権は尊重されて儲かる仕組みと成ればよいのだけど、それよりも特許を回避してギリギリセーフを狙う類似品というのが量産され、俺はそれでも消費者が満足したならそれで良いと思うのだが、それは特許や著作権を持っているものからは望ましくなく、広告戦略ではなく批評の形でギリギリの紛い物を叩く言説が流布され、大人がそれを読み、子供たちは持ち物が本物かどうかの論争の前線に立たされた。

まあ歴史のように書いてしまったが、自己の体験に基づくもので実際的なエビデンスとして当時の出版物が手元にないのが残念ではあるが、まあ俺としては世の中と言っても俺の関わる世界だけだが、ケンカはなくなり良くなったと思っている。

この話を酒に酔っ払ってした時に隣りに座っていた女が泣き出してリラックマのハンカチを出しながら「わたしな、小さい頃キキララ好きやってん。ほんでな、おばあちゃんに街のサンリオショップまで連れて行ってもらってこれ欲しいって言ったのに、おばあちゃんがアンタ好きなのキテーさんやろ、な、キテーさんやろって言って私泣きそうになりながらウンって言って結局キティさん買ってもらってん」と話したなぁと思い出した。

それで他の人からは「お前、酒飲むと冷静で賢くなるよな」と言われて「いや俺も昔は酒飲むとブチ切れて暴れたりしたんだけど、営業の人間から何度も酔い潰されてそれでも開発部の秘密は守らねばならないと思っているうちに本音と建前とウソとホントの境界線がバラすまいとするほど自分でも制御出来なくなったんだ」「怖っ!」

まあ、開発部は秘密保持にそこまでど真剣にならなくても機構そのものが常人に理解不可能になるほど精細複雑化すれば酒の席ではそれを口からどれだけ出そうが秘密が漏れるなんてことは有り得ないのだろうけど、当時は何か魔法の呪文を唱えたら金が入ってくる成句のようなものがあるのだとしか想像できない人間にかなり絡まれたんですよね。


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