目覚めると令和三年

どうやら眠っている間に年を越したようである。

ここは新年の挨拶をするべきかと思ったのだが、去る令和二年最大のイベントであるバンドユニット「YOASOBI」の第71回紅白歌合戦での放送を見逃してしまったようだ。

そう、テレビというのは流れていくものなので、何かにつけ時々は見逃すものなのだが、昨晩は風呂から上がってからスーパー松源で親父が買ってきてくれた寿司の盛り合わせとイカフライと鉄火巻などを寒いのをこらえながら缶ビールでいただき、親父が飲み足りないようでクリスマスのワインの残り物を6Pチーズの新作カマンベールをつまみにコップ2杯ほど飲んだ。

そう、カマンベールである。子供の頃には食卓には時々珍しいものが並んだ。母親が出店で珍しいものを見つけたら買ってくるのだが、どれも高価で少ない割高商品だったろう。おれは痩せていたのでそれは母親の料理に栄養がないからで、珍味ではなくありふれた鶏肉や豚肉などの割安なタンパク質で食事を作ってくれたらもうちょっと壮健に育ったのではないかとある時は恨んだものだが、筋肉は運動をしないと食事だけではつかないものだと学び、そうして適度な運動をした上で腸内細菌や内臓などがごはんの炭水化物からでもアミノ酸やタンパク質を生み出す生化学反応をする体質みたいなものがあると、ご飯だけでも筋肉はつくのかも知れないと近頃では思っている。そのためにはヨーグルトやチーズなどは腸内環境を変えるのに適しているのだが、それが自分に合ったものかなど、分かったのは最近のことなので、あの頃に分かっていれば今が変わったというのは時間軸をどこかで無視した錯覚なのである。俺はカマンベールよりはヤクルトのほうが乳製品として自分に合っているのだろうな。だが、子供の頃には親が子供向きに良かれと思って買ってきてくれたヤクルトとドラえもんスモークチーズなどで丸々と太り、幼いので食べ足りないと感じたら冷蔵庫から勝手に出して全部食べてしまって、母親は怒るでなく困った顔をして食べ物を隠すようになった。

中高の頃は痩せていた。だがまあ、今は痩せているとか太っているで言うとやや太っているが、とりわけお腹のぽっこり感が体系における最大の悩みかもしれない。それで何だっけか、カマンベールだ。子供の頃に食卓に並んだカマンベールは白カビに包まれて「この外側のカビも一緒に食べるとおいしいのよ」と言われ口にしたが、あとで腹を壊した。

なんでカマンベールの話になったかは読み返すのが面倒なのでYOASOBIの話をしたい。テレビっ子的にはNiziUのオーディションからデビューまではスッキリとかHuluで配信されて番組として人気があったが、そういう素人オーディション的な昭和のアイドルメイキングを懐かしむドキュメンタリーはテレビ史的に珍しいものではない。だがそれがパソコンオタクのひとりの男のもとにネットでやり取りした素人の女の子が本当にミュージシャンになるまで一部始終をリアルタイムでしかもスピード感を持って一緒にやってきたという感覚になったのは令和二年のYOASOBIのヒットになる。

ただ、その活躍を耳にした周囲の方が俺の親父に「息子さん、いまYOASOBIしてはるんやろ」と言うと「夜遊びだと?うちの息子がそんなことしとるか?」となってしまうのはバンド名のYOASOBIを発音すると「よあそび」でしかなく「よあそびしている」だと発音者はYOASOBIというバンドユニットの何らかの仕事をしているという意味で発音するのだが、聴き手がそのYOASOBIというバンドを知らず自分の頭の中にある単語から解釈すると「夜遊び」という既知の単語から何か悪いことをして噂されているという風に受け取ってしまう。

だが、俺は黙っていたのだ。いつか親父がそれをテレビか何かで見たらその噂が感動に変わると思ったから。

しかし、昨晩は親父と一緒にテレビを見ていたが、酒と薬が回って寝てしまった。だから親父の表情も見ることは出来なかった。まあ、そんなまでもなく最近親父は涙もろくテレビを見ながら昔のことを思い出してはしょっちゅう泣いている。それも悲しい感じではなく、今までのうちの家族としてのおかしさは親父は全部他の家族に責任転嫁していたが、親父の性格が変わってきたことで、気付いたんだなと思うのだ。優しい良い爺さんである。

そんな親父には俺が子供の頃には仕事でものすごい分量の年賀状が届いていた。だが、最近は親戚と仕事関係十数枚ほどである。それで良いと思うし、俺宛の年賀状も出した分の返事が半分ほど帰っては来るが、去年は出さなかったから今年は無しかも知れないな。

まあ、年のはじめから長文ですが、もしかしたらコミュニケーションに必要なのは「言葉を尽くす」ことで、言葉を尽くすというと慣用的に色々頑張って言う意味に転じているけど、尽くす訳だから出し切って無くなるという意味で、言葉が尽きてなくなって黙った後にこそ真の関係性の改善があるのかもしれない。

そんなこんなで、本年もよろしくおねがいします。

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