文筆がライフワークの10年間

 石の上にも3年という言葉があるが、10年やって駄目なことは諦める手も考える。子供の頃に読んだズッコケ3人組の作者様が「ヒバクシャ」ということをテレビで知った。まあ、被曝は悪いことではなく災難だったと思うけど、そこまで生活に支障がなくても被曝認定されると国から保険金が出るので、保険金で生計を立てながら子供に小説を書いて読ませて小遣いを稼ぎ、作家としての夢を持たせる。そういうことが丸々ひっくるめて良し悪しの判断を付けることは難しいが、トリックではあるよなと思った。

 俺も20代はプログラマシステムエンジニアとして働いたが、30代は病気で親に養ってもらいながら派遣プログラマでお小遣いを稼いだり借金を返したりしていた。そして貯金が出来て休んでいるところに、社労士さんの勧めで障害年金をもらうことを決めた。二度の裁判で、俺は国から労災を認められ、厚生年金をもらえるようになった。額は言えないが、会社勤めの6分の1ほどの額だ。これではとても食っていけないと思ったものの、親の老齢年金もあるし、店もあるし、仕事も貯金が減ったらしようと思っている間に40代も半ば、ブログを書いてアフィ収入を楽しみに、ギター弾いてテレビ見て、PS2やDSで遊んでとにかく街ブラでお金使うようなことをしないで過ごせば、年金生活でも貯金が増えていくやりくり。

 建前としてブロガー、ギタリスト、投資家などとしているが、もちろんプログラマでもあるけどそれは実務からは退いて趣味として続けていて、年金をもらうことは最初は親の教えである「働かざるもの食うべからず」で罪悪感があったが、3年も経ってみると会社の経営者に首を切られないように肩身の狭い思いをするでなく、何を敵に回しても国が食わせてくれるみたいな無敵感が備わって、ああ、これが皆が社会保障のついた公務員とか正社員になりたがる本当の旨味なのかもなと思った。

 俺も病気が本当に辛い時期を過ぎ、お薬や休職でかなりマシになっているけれど、お医者さんからは車の運転はやめておいたほうがいい、フルタイムの仕事の復帰は無理があると思うと守ってもらえる。病気になる前はしんどくて心療内科にかかっても「どこも悪くないです」と突っぱねられたものだけど、残業120時間くらいしていた。ただ、IT産業という言葉もなかったし、プログラマというのが何とも得体の知れない職業で、それなのにまあまあ高給取りなのが使いぶりから嫉妬を買い、頑張ってる割に肩身の狭いという社会との摩擦もストレスだった。恐らくだけど、厚生年金はよく働いたプログラマへの実質的な恩赦なのだ。富士通システムエンジニアが何百人とリストラというニュースが流れたこともあるが、もしかしたら退職金とか何かのカラクリで、それ相応の保障が与えられているのかもなと想像する。

 その中で、このブログってやつも仕事をせずに暮らしている申し訳なさから、広告業としての小遣い稼ぎを言い訳に、何か手慰みとして「しなければならない」というところで暇人の間に義務感が広まっている感じすらあるんだけど、俺から言わせると10万円そこそこのノートパソコンで暇人がパチパチとタイプした文字よりも数千万から1億くらいの制作費をかけているテレビのドラマとかが見られないで通り過ぎる、毎週出るマンガ週刊誌が読まれないで回収になる。そっちの方が戦犯の度合いが高いようにも勘定できる。

 今年の初め頃までは読売日テレだったけど、秋以降はずっとNHKを見ていました。受信と発信のI/Oバランスで、パソコンのキーボードを使っている分だけ、テレビやラジオに投書で寄せられる意見よりも視聴者としての発言がブログからダイレクトにテレビ局や広告主に届くので、もうすっかり王様気分で番組を楽しませてもらいました。

 その中で、過去の功績に恩赦があったとして、それを認めない現役のプロレタリア労働者の間で、俺が実質的にブルジョワジーと化して見え、革命するべき対象と捉えられる危険性は無視できないし、その傍らでゲーム強いとかギター弾けるにパソコン強いというのが金持ちイコール受け手ではなく「いいぞもっとやれ」という側に立ってくれる応援者もちらほら。

 まだまだ、自分の身の回りではなく波及効果を考えても分からないことだらけで、摂取する情報源のさじ加減ひとつで自分の思想にもグラグラ揺れる不安定な要素はあり、NHKに押されて右傾化が進む中で無自覚に轢き殺してしまっている人に佐野史郎さんから警告を鳴らされたり。元々が相当に左寄りで文句垂れで、そのくせ仕事やゲームに打ち込んで成果出して戦績上げて、結果「この子こんなに強いんやったらいっそ右に付いたら楽勝ちゃうの」と某局から担がれて、それから読売になってNHKになったという。

 しかし自分が引っ張ってきた感のある左の人々を勝てば官軍で寝返って切るのも如何なものか。三国志呂布なのか俺はと思ったところで、呂布なんて知らんよね。そうよね。戦国武将に例える方がまだまともよね、というところで戦国も終わって渋沢栄一の大河が落ち着いたところで来年から何しよっか。働いている人みんなの仕事がちょっとはラクになる仕事。

 そう考えたら活字なんてシゴいて読ませるでなく「テレビ見ろ」「マンガ読め」は正義。


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