「金を払え」と言われる以上は自己責任ではない

 長いこと苦しんできた。格闘ゲームを続けながら、名が売れないのは何故なのか。過去には旅費を出して、北米の大会で優勝したが賞金として広報されていた額をもらえずに、通訳が負けてしまって帰りがけにはその通訳にまで旅費の積み増しをせびられそうになったので断って帰国した。自分で英語を話してファイトマネーを交渉しないといけないのかもだが、勝ったらもらえると思っていたものが決勝では相手を立てて負けるべきだったと通訳から言われた。

 しかしそんな事情は観客は分からないから興行は成り立っているわけで、応援してくれる人は期待をかけて「もっと練習を頑張れ」みたいに応援してくれて、身の回りの世話も手伝ってくれる。そこを説得するわけではなく、甘えてゲームの練習をしてだらしない生活だ。俺も応援者をどこか騙しているといえばそういう話になるかもしれない。

 だが、応援と称していても「ゲーセンに来て欲しい」というのはプレイヤを騙して対局料を払うわけでもなく参加費を徴収したがっている。ストIII3rdの和歌山大会では優勝賞品がネオジオポケットで現物の相場で考えたら黒字に見えるが不良在庫処分である。他にもストIII3rdで天満あたりの商店街の大会でもゲーム基板X-MEN VS ストリートファイターをもらったのでまあ黒字。だが交通費や諸経費で古くなったゲーム機が景品で貰えるくらいで基本的に赤字。

 さらに言うとストリートファイターIVやVは面白いと思えなかったという贅沢な理由で参戦しなかった。そんな俺にプレッシャーの精神的な重圧をかけてくる向きもあって、有名にならないのは俺の努力に問題がある、俺の責任だとしながら、もっとカネを払ってゲームの対戦や新作の宣伝になることをしろ、そうしたらプレイヤとしての宣伝くらいはしてやるから、と言われると、カネを渋る俺の責任であるかのようだが「有名にしてやる」と業界側が主導権を持っているから「実力で勝ってやりたい」という反骨精神とか反体制という俺の元々のレジスタンスが効いてやる気が出るのであって、何もかもお買い上げの売名行為となると、その財源はどうなのかというとゲーム業界以外からお金を稼いで来てねというしんどい話になるし、親のすねかじりとかで解決すると「ゲーム強いって言っても金持ちのボン」という悪評を同時に背負うことになる。

 そこまで分かったら、整理すると自己責任の範疇で出来ることを怠っているとも言えるのは分かる。まるで矛盾だが、ゲームの決着が対戦型であって本人の努力や意向だけではなく相手側の意志との掛け合わせであるし、また戦場であるゲーム機とその中のプログラムのルールやハンデもゲーム会社が握っているわけだから、アンフェアなものだろう。以前は良く買った。

 ウクライナ問題がどれくらい長引くかというと、結局は力による外交がダメと言いながら、それに対抗する手段として結局は応戦しているから衝突になっているのに、その抵抗力は力ではなく人の輪であるかのように報道するNATO側をマスコミが応援してみせるから。

 まあ、そう言うとカネを払わない奴には冠は取らせまいと応戦してくれるから俺もゲーム研究という仕事が出来るのであって、相手をしてもらえないよりは戦場があるだけ戦士としての仕事に困ることはなく、広い目で見ると無問題ではあるよな。


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