「美術の物語」という本を近所の書店に注文した

 先日テレビに原田マハと名乗るおばちゃんが出ていて本を紹介していた。俺も美術に興味を持ったこともあったな、と思っていつしか忘れたその趣味のためにダヴィンチコード津軽、美術の物語という紹介された本をメモしていた。しかしあのおばちゃんは自著である「楽園のカンヴァス」という本を売りたいのだろうな、若いうちは自分の写真を載っけたグラビアの出来損ないみたいな本で間接的に女を売れば食えたのかもだけど、年食って金のないおっさんがやばいように女性も美貌が武器で無くなってからどう生きるかとか考えると、先生仕事の老人の真似事が出来るように中年から準備するというのは正しく思えた。

 そして今日テレビで再放送があった。再放送後にメモした本の価格を見ると「美術の物語」だけ倍くらいついている。これちょっと欲しかったよな、と思ってとりあえず「楽園のカンヴァス」をネットで立ち読みした。

 著者のプロフィールと同じく美術館の学芸員が出てきて、絵画の好きな後輩ちゃんがやってきてのちに「大好きな絵が毎日見られると思ったら1週間で飽きた」という節が出てくる。物語はその後も続き、おそらくその美術館で事件が起きるのだが、正直学芸員に飽きて美術史を勉強し直したのに絵画の仕事ではなく絵を買い付けて活字を売っているということ。

 ものすごく手前味噌に自分つまり俺の仕事と比べると「大好きなストリートファイターIIをゲーセンで100円出さずにスーファミでずっと遊べると思ったのに1週間で飽きた」から物語を始めてゲーセンで殺人事件を起こしたりしたら、もしかしたら本がちょっと売れてゲーセン客も観光がてらに100円くらいは入れてくれるのかもしれんが、本質的にゲームクリエイターが「ゲームに飽きた」を商売に文筆業を始めたらそれは裏切りだよなと思った。

 そうすると「美術の物語」についても考え始める。若い頃には金持ちって何からどうすれば成れるか分からないもので、イメージとしてお金持ちの家って絵が飾ってあるよなと考え、給料からは無理のある版画を買った。しかし数枚で資金繰りに無理が出て、30代には同じお金で株を買っておけばと思って株を始め、今40代で不動産投資も考えているが、とりあえず利回り以前に元本をということで貯金が趣味になっている。

 ケチくさい金勘定をするようになって、昔に思い描いた金持ちではないけど、幸いにして自宅の書斎というかパソコン部屋というか寝室もそこなんだけど、そこで椅子でくるくる回っってネットをしてテレビも見てたまにゲームをして本もいつでも読める。そうなると本を読む時間はすごく減ったんだけど、40インチのテレビのある生活で机にはMacBookProがあって「じゃあ絵画ってテレビとかパソコンの画像と比べて何だろう」となった時に、美術史を学んで1枚ずつをじっくり味わうという時間の過ごし方に贅沢があるかもしれないと思ったのよ。

 画集なら、幾つか持っているし、今は見ないけど、そういやおばあちゃんもガラス戸の付いた大きな本棚があって、エッセイとか手紙の書き方とか老年期に向けての本と後は日本の美術全書みたいな写真集が揃っていて、自称美大出身の泥棒みたいなゲーム仲間が家に遊びに来て、欲しがって、結婚したから遊びに来てきてくれと彼の嫁さんの車で県下の駅まで迎えに来てもらって着いたらウチの婆さんと同じような本棚をどこかから仕入れ、日本の美術の写真集が揃っていて、現物こそ取らないもののこいつらってこういう仕事するんやなと思った。

 そう思った俺がテレビで見た原田マハの本を1冊欲しくなってしまったのだ。人間貴賎はあったとしても根っこのところで似た者同士なのだろうなと思う。俺もMr.Children桜井和寿と自分が変わらないように同じになってしまいたいと思ったこともあるし、作家になった原田マハが本を売るのにテレビに出演するのも、本なんか買うより本人が出ちまってそっくりになれば満足するファンがたくさんいるからなのだろう。

 それでネットでは売り切れの本も紀伊国屋で注文すれば買えそうだったが、近所の書店にそこで調べたISBNを言えば買えるかなと電話すると「重版がかかっています」との事で、つまり転売ヤーにすると古本で高く買わなくてもまた印刷されて安くなりますよ的な意味もあるのだが、欲しいので注文して新品で買うことにして、折り返しの電話で7月まで待たされることとなった。1回目の放送で買っていたら良かったかなと思うものの、テレビで見て欲しくなるものなどそう簡単に買うものでもないというか、様子を見て古本価格も上がって「良いものなのだろうな」と思って後から注文する今の買い方は商売や株式投資を始めてから身につけた感覚だ。

 本の到着を待つ間に部屋を大型本1冊分片付けなきゃならん。そう思って本棚を見ると、衝動買いしたものの大して役に立っていない本もあるのだが、それを改めて読み込むというのも書斎に入る醍醐味ではある。そして本を何冊も比較して自分なりに価値を判断した上で新しい本を注文したのだから、今度は失敗しないだろうとも思っている。


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