硬度ってどうやって測るのか

 SI単位でモノを考えようとした時に、身近な指標である「固さ」に対する単位が無いことに気づく。ダイヤモンドを10として10段階の「硬度」というのはあるが、木槌と鉄板のどちらが固いかというと、薄い鉄板なら木槌でもくしゃくしゃに曲げることができる。

 人は固さをどう感じるかというと、手で触って押して凹まないかとか、つまんで手応えがどのくらいかということで、鉄や銅くらいの固さがあれば、手や骨より固いので、それ以上は固いもの同士をぶつけて測るしか無さそうである。

 だが、固いはずの鉄板が薄ければ先に書いたように木槌でも曲がる。数字でモノを考える時に鉄板をどう数字にするか、それとも木槌の方を数字にする方が早いか。木槌なら重さと圧力になり、それに対して鉄板にどの程度の厚みがあれば負けないか、という風に持っていくだろう。

 そう考えると、普段の考え事などほとんどが気の迷いで、何も科学的な実験はしていないのだろうな。昨日は光について照度の単位ルクスについて調べて考えていた。カメラの露光がデジタルカメラになって、露光計にレンズを付ければ屈折で面積あたりの露光であるルクスが求まるのかもしれないなぁ、てかスマホのアプリに「ルクス計」なるものがあるけど、非公式の広告系アプリだからダウンロードはしなかった。カメラのアプリで露光が数字で出ないのは人がルクスの数字ではなく写真しか使わないからだろう。

 硬度も鉄くらいの硬さのものをぶっ壊すとなると戦争くらいしか使い道はなく、あとは解体くらいか。まあ仕事で耐震設計の現場に3年くらいいたが、プログラマ専属で計算部が何をしているのかというとコンクリートと木材と鉄筋の固さから耐震強度を恐らく求めているのだろう。その数字、どのくらい本当かとなるとかなり大仕掛けに揺らす装置を作って実験しないといけないわけで、そうでない高層ビルの施工などは計算で安全性を求めて実際に地震が来る前に数学的な証明を立てて審査を通すのが本来の仕事であったろう。

 俺はそこを3年で辞めてしまったが、当時40代の課長さんがほぼひとりで計算部を担っていた。そりゃまあ、振り返って考えると要職な訳だ。俺もどういう巡り合わせかその後輩というか部下に選ばれたのは主任の人選な訳だが、ゲームを作りたいと言ってプログラミング技術に特化する道を選んで辞めてしまった。

 それが今44歳でゲームにも飽きてくると、耐震とは言わずとも強度って何か考える仕事の方が奥深くてやりがいがあるかもしれないと浮気な気持ちを持つ。もちろん、ゲームがつまらない訳ではなく「面白い」が何か研究している諸先輩方の尽力によって、ゲームで遊ぶことへの面白さを体験できているわけだから、この仕事もそれはそれで投げ出してはいけない気もする。


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