青眼の白龍もいいけど絵を上手く描けるようになりたい

 イラストレータとしての初仕事は見積書も納品書もなしで勉強のつもりでさせてもらったのだが、店主から「少ないけど、お礼」と封筒を渡してもらった。

 その額はお坊さんへのお布施とか若手の仕事のない俳優をちょっと自作映画で起用したいと思った時の謝礼とだいたい同じ金額だ。

 自分の趣味で絵を描くと凝っていくらでも直してしまうけど、デジタルでそれはさらに際限が無くなり、昨今では自動生成に負けてしまうという事案もある。

 けど、結果の絵が欲しいわけではなく紙にペンでサラサラと絵を描けるような人に俺はなりたいのだと思う。その成長発達過程とか技術習得過程は美大で絵の描き方をならうとか以前から、落書きとかちょっとしたお絵描きが習慣になっているはずだと踏んだ。

 だから、44歳の今からでもこのブログを習慣化したように、ギターの弾き語りを習慣化したように、下手でも恥ずかしがらずに何枚も絵を描くことにした。サラッと。

 

 太字のサインペンと8色のカラー水性ペン縛りでこの1週間ほど絵日記をつけている。いつまで続くだろうか。

 その昔に1ページ丸1日使って色鉛筆で描いたノートを持って街にスケッチに出たら「上手いですね」となって「何か描いてください」と言われ、河原に座って1時間ほど黙々と書いていたら「あー、これ僕でしょ」とぼんやり描きかけの状態に飽きて見せてくださいと頼んだ人がみんなササッと帰ってしまった。

 また、谷六で勤めていたころ、会社に訪問者が来て課長が「君久しぶりやね、昔うちではたらいとったやろ」「イラストレータになったんです」「なんか持ってんの」

 見せたファイルには綺麗な絵が5点ほど入っていた。「ほわー君からこれが生み出されるのか」「パソコンで描いてんの?」などとやり取りしていた。

 しかし、その後に別の事情で岡山のお寺で修業をしたときに他の人が「イラストの専門学校に行っているんです」と見せたファイルにあの谷六の時と同じ絵が1枚混ざっていて「あれ?」となった。

 そういうことは方々である。ネットで拾ったか何かの絵をプリンタで出してファイルに入れて絵描きですと言って見せびらかすというイタズラかも知れないなと思う。

 そのために、描いて見せてという人もいるのだろうが、サラッと描けないと見ている人も嫌になるだろう。

 まだまだこれからだと思う。


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