誰が作ったんだろうね

 ピアノで「宇宙戦艦ヤマト」の歌を弾くのは俺の夢のひとつだったが、フルコーラスとは行かずともちょっと音感だけで弾こうとして見たら弾けるわけで。

 それで、それでは残らないので初音ミクで楽譜にしてみようとした。

 ここまで5分くらいなのだが、この打ち込み作業がどんどん高効率になると仕事になる気もするし、実は低効率のほうが時間給のアルバイトのような仕事としてはおいしく、作れば作っただけ売れるような仕事なら高効率の方が良いが、音楽の仕事の金銭感覚というのは実はまだつかめていないが、古いゲーマーつながりが

「お前にその才能があるならそれだけで食える」

「いやそれは業界のこと知らなさすぎでしょ」

「ゲームで遊んでるだけの俺でもこの歳まで飯食えてんやぞ」

「それはお前が恵まれてるだけで」

「お前もおんなじくらい以上に恵まれてるって」

という話。

 けどなあ、ヤマトの歌を打ち直したところで誰もそれが俺の仕事だなんて認識しないだろうというのが素直なところで、ミュージシャンでもバンドのギターを知っていたら良いほうで曲名とバンド名どっちがどっちか分からないとか、そもそも知らないとか、知っても歌手までが普通で、それはゲームでもゲーム知ってりゃ良いほうなわけで。

 俺もゲーム業界で働いたことあるけど、下請け労働で原作者はファミコンの頃に顔写真載ってた社長さんだけ知ってて、現場にはもういなくて、現場の若い子は

「今度のビデオ会議で北瀬さん来ますよ」

「北瀬さんって誰?」

「ミヤザワさんってどうして今のお仕事をされているんですか?」

「じゃあ反対に聞くけど坂口博信って知ってる?」

「いえ、知りません」

みたいな状態に音楽でもなってゆくかもしれんなと思った。

 まあ「音楽で食ってゆく」のは今も昔も難しいのだが、今は「食っていけて音楽をする」なら出来るのだろうな。俺、何で辞めちゃったんだろう前の会社。あのままでも意地張って椅子取り続けてカネ貯めてりゃ今ではもっと持っているかもしれんが。

 有り金よりも価値のあるものを芸術に見出したように思っていたのは幻想で、会社勤めというのに飽きたように、美術にも飽きたし音楽だけはまだ飽きてないって話かも。

 これが不思議とこのブログってやつも飽きずに続けられているのよね。そういう風にプログラミングとお絵描きと音楽の中でも演奏ではなく打ち込みをコツコツやっていけば、また世に出せる「作品」ってやつが増えて行って道が開けて来るのかもね。


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