古都か田舎かイオンモール

 今までブログを書いてきて、文中に「田舎」という語を使ってくると、奈良は田舎ではなく古都だという反論をいただいた。俺の住む大和郡山市は人口約8万人の地方都市で隣の奈良市にはたくさんの観光名所がある。

 それで古都と田舎がどう違うのかという話で、都と田舎が違うのは分かるのだが古都と言っても昔に都があった場所つまり平城京は原っぱだし、古都らしい暮らしをしている京都のような町であるかというと、みな近代的な住宅に住んで車に乗ってイオンモールにバイキングなどをしに行くのである。東京近郊の田舎とどう違うのかと問いたい。

 そのズレが顕著に感じられたのは、大阪くらい奈良に近い場所でも大阪には関西の様々な地方から出稼ぎに来ている人がいて、そういう風に大阪まで出てきている人からしてみたら観光名所しか売りが無く温泉があるわけでも無く寺院や旧跡があっても近所の人は興味も無いしまして遠くのひとならもっと興味は無いし、産業が無くてお役所が苦肉の策で観光名所を盛り立てて客引きをしているわけで、田舎の事情と変わらない。

 それがどうしてそんなプライドを持っているかというと、旧朝廷からの関係で代々お金持ちの家が多いからなのだろう。荘園政治で地主が多く、家賃収入などで不労所得を得て働かないで大金持ちと言う所に農業や製造業のために他府県の金持ちが用地買収をしても結局は他府県から雇用して通勤させないとモノづくりが根付いていないのだ。

 それに対して、イオンモールは本当によく流行っている。実はイオンモールが出来る前は俺の家の近所にも五階建ての西友が出来て、よく流行っていた。今はそのうち3階だけを使ってスーパーと簡単なブティックは存続しているが、いくらお金持ちだからと言って地場産業が無く賃料だけで地主は儲かっても他府県からモノを買ってその利益を西友に取られ続けたら地域としてはお金が減っていくわけで疲弊する。

 それでほぼほぼゴーストタウンになってから、別の用地にイオンモールが建っているのだ。これは生駒市あたりが実質的に京都や大阪の近郊住宅街として街自体に生活機能が無く、ベッドタウンと揶揄されるように出稼ぎ労働者の寝床としてしか存続できなかったという問題があって、それを照らし合わせると人口減少傾向の大和郡山市もいつまでも古都のプライドだけでは持たないと俺は憂鬱に思う。


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