「何のために生きているのだろう」ふとつぶやいた

 庭で青い空に浮かぶ白い月を眺めていた。

 月はとても速く動いているようだが、よく見ると動いているのは雲だった。

 雲が動いているとするとお月様は動いていないのか。

 否。月もものすごい速さで地球を回っているはずだし、1日で地球を1周するなら眺めている間も動きが見えるのかもしれない。目の錯覚のようで、すごく早く動いているようにも見えるし、しかし立っている場所から見える屋根の瓦と比べたら全く動いていないかのようである。

 タバコを吸って、外で子供がはしゃぎまわっている笑い声を聞く。

 「何のために生きているのだろう」

 ふとつぶやいた。

 生きようと思って生きているわけでもないように思える。昨晩は遅くまでゲームをして遊んでいて、その寝つきが遅い分だけ今日は寝坊して、結局よく眠れたのだ。

 おやつに桜餅を3つ食った。腹も満たされている。

 生きようと思って食うわけではない。腹が減ったから食うのだし、旨いから食う。

 ただ、ふと死んでしまいたくなる時はあるのだ。この最近は寝る前いつもそんな気分だった。だが、死んだと思って寝てみようとすると、また朝になって起きる頃には忘れている。

 その分、寝る前までゲームに夢中になれた昨晩は良かった。だがそれにも飽きが来る。春が来たのに飽きが来たとは季節外れな感じではあるが、気温で言うと同じくらいだろう。

 何かのために生きているわけでも恐らくないのだろう。生きていて、いつかは死ぬ。だが今は死から遠く離れた安住を得ていて、生きようと頑張らなくても生かされている。

 何のために生きているのだろう。それは寝る前に死を選べなかったことを後になって夕方くらいになって悔いているのだろうか。今日も夜は来るだろう。また、死んだと思って眠ればよい。

 何のために生きているのだろう。どこからかそんな問いかけが来て胸を離れない。


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