桜を見に行った

 家から徒歩の圏内に桜のきれいな場所があるので散歩してきた。

 美しい桜は良いのだが、人込みは苦手だ。俺は国公立志望だったが大学受験に失敗して、滑り止め無しから2年のバイトは浪人のつもりはなくそのままのつもりでいたが、親のすすめもあって2年のバイトの貯金を2年無勉強でも通った専門学校で使い切った。

 専門学校の入学試験は国公立受験を目指していた俺からすると2年ブランクがあっても恐ろしく簡単に思えて、それから普通に勉強して国家試験に通った。試験会場は秋季だったので、先生から春季に通ったら会場が大学で桜なのにと言われ謎だった。

 そののち30代で上位試験を目指したのは会社でのいじめを苦にネタにされない上位試験を取ってやるという意地だけで3ヶ月ほど勉強して試験にのぞみ、会場は大学で桜が咲いていた。春季を選んだ。だが、結果は不合格だった。

 中学でも桜は咲いていたような気がするが、受かったら楽園だと思っていた学園の名前に騙された地獄のような勉強の日々だった。

 そうすると、俺は国公立に落ちて専門学校に進んだが、その中間偏差値に位置する私大に通ったとして、桜並木の屋台の人込みで病気の発作が出そうになるほど喧騒がわずらわしく、どのみちダメだったのかもなと思うと少し気分が変わった。

 専門学校でも周りとそこまで上手くやれたわけではない。コンピュータの実機があって、ひとりプログラムやらモデリングに没頭して、学校の近隣の人からは成績不振で居残りを食らっていると噂されていたと後から知るのだが、たったひとり仲間がいた。違うクラスで名前も知らないが、背中を向け合ってパソコンへの打ち込みをしていた。

 桜が何なんだという投げやりな気持ちは今年は無かった。まあ素直にキレイだなと思う。だがそれに群がる人込みは包丁があったら刺して回りたいと思うほど憎らしい。

 いや、作文中に夕食が来てビールを1本飲んだから書いてはいけない本音が出たかもしれない。

 桜を見て、家に帰ったら物置の本を整理して自作ゲームに音楽を付けようとこれも打ち込み作業をしていた。聞いた音楽をそのまま打ち込むるのを絶対音感と言うらしいが、それは残念ながら無いようでミストーンが必ず出る。しかし、俺のゲームで原作がありあまりの酷似に盗作ではないかと批判されたものがあるが、俺はゲームたる物は名作が1本あれば後はそれのコピーで良く100万本タイトルが名作だと考える人間なので、酷似ではなく新規性も無くどこか似つかわしい佳作を作るいわゆる「クリエイター」には近年は尊敬の念ではなく懐疑心を向けている。

 何故なら、ミストーンのまま打ち込むと、原本とはどこか違う「それっぽいもの」が出来てしまうからだ。これでゲームプログラムと違って音楽面では完全盗作を疑われない「それっぽいもの」が出来るなと思うが、それはミスコピーであり、職人というのはまず同じものが作れてそして上回ったところに極意があるわけで、へたっぴをオリジナリティという言葉で誤魔化したようなものは、売価が安いならシェアがあるのも理解できるがデジタル作品でコピーが出来るのに贋作というのはミスコピーでしかない。

 それで夕食は豆腐ハンバーグにフライドポテトとポテトサラダとアジフライに筑前煮だったので、いつもの仕出しより原価が安そうではあるが、それはいつもの値段で商売的にしんどいと言わずに気を利かせてくれたのだと解釈した。

 旨いものを満腹食うと一人前食わせてもらっているのだとやる気が出る。相反するようだが、腹八分目というかハングリー精神の方が仕事ははかどることもある。先日から筋トレやストレッチに木刀を野球のバットスイングのように素振りしたり、自分なりのカリキュラムを作って食事も減らし減量を試みて体が軽くなったのだが、今日は昼食にシャケ弁を食って物足りずみたらし団子とチップスターを食った。台無しである。

 だが、腹が減っては戦は出来ぬで何か食わないと餓死する。先日から人の考えを変えるのは勉強などもそうだが、生物的には代謝が起こって学習効果が出るのだ。減量して部屋の本棚を組み替えてこの部屋でこの勉強を続ければ将来どうなれるという計画を立てて本を選んで出しやすい場所に置き換えたりして、それで今日は作曲をした。

 だがそのもっと未来も今は考えている。独りでは到底出来っこないと言われたゲーム開発を自宅で過去にして、ダウンロード販売していて、その売り上げは不振である。ただ、売れ線が2週間程止まってその間に全く売れていなかった過去作が少し出た。作り手として誰かに掘り下げられたのだろうかと解釈した。

 それで、こういうものでも見てくれる人がいるならと、昔に諦めたことの続きに取り組んでいるのだ。

 ブログもやめちまおうかと三日ほど休んだが、新年度だ。まあ、紛らわしいことに欧米でのエイプリルフールの習慣が日本にも来て今日は嘘を言う日でもあるらしいが、包丁で刺すだけウソとしてもらって、あとはわりかし真面目な話だ。


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