青本推奨

 ふとバーチャ4についてもう一度考え直してみようと机の本棚から音楽関係の本を1冊書庫に仕舞ってバーチャ4の青本を出してきた。

 青本には写真付きの攻略も載っているが、巻末にフレーム表がある。

 しかしまあ、フレーム表は技名と数値のみのページなので、コマンド表と技の写真が付いた本の方がはじめはやさしく、ここまで来ると最終章という位置づけである。

 それで現役稼働の頃に最高「三段」でPS2の家バーチャでジャッキーが「皇帝」ネット対戦も出来るXBOX360のVF5で「天帝」まで段位を上げた。

 それで充分だと思っていて、その頃には攻略法からではなく体で覚えたフレームやPPPの発生が速いことに着目した独自の攻略法になっていたが、いま青本を読むとフレーム表があって論理性があると誰しもとは言わずとも自明のことが上位プレイヤーに隠されて、ライターはそれには負けるがモノを書く役という位置づけて「勝てない攻略」を書いていたというのが正しい理解なように思える。フレーム表それ自体が正しい。

 それで俺は勝ちあがって、格闘ゲームのコミュを抜けた。ゲーセンでの負け組に属しながら毎日100円玉(多くは50円玉だったが)をジャラジャラと入れて対戦経験を積み店が閉まったら自販機の缶コーヒーを片手にとかファミレスに団体で入ってゲームの事を駄弁る。懐かしく面白かった良い記憶でもあるが、方法論としてはお金の使い方なり攻略のアプローチとして、今はもっと良い方法を取れていると思う。

 毎日ゲームで対戦するより、ちょっと攻略本の巻末を見てフレームから期待値を計算する。それでふらっとゲーセンに行って今もゲーセンでたまっている人という誰ともないのは少し無礼かもだが、標本調査のようにゲーセンの有段者をちょこっと見つけて乱入して「十分勝てる」と思ってそれで辞めておいている。勝ち方はほんの少し見せてしまったが隠せるだろうと踏んでいた。

 しかし家でゲームをしてネットをしているそのネットのSNSにもう用事の無いだろうと思っていた古い仲間がいて、多くは「懐かしいね」で済む話なのだが、どうにも俺の得た「勝ち方」の理屈が知りたいとしつこい筋からの話もある。

 そこは実はバーチャではなくカプコン2Dなのだが、ヒントのためにバーチャファイター2のゲーメストの「キャサ夫」のカゲ攻略を思い出すと、有利フレームに肘と投げの二択である。まあ雑誌なのでそこまで紙面は無いし、読んでわかるように書かないといけなかった、そしてキャサ夫しは100人組み手で90勝以上しているわけだが、俺らの絡んでいた廃ゲーマーにはその10人以下のほうに属するものも混ざっていたわけで。

 細かい話かもだが、しゃがみパンチでヒット確認をして肘と投げの二択に行くそのしゃがみパンチがカウンターヒットなら立ちPが繋がるわけでコンボを入れた方が良いし、しゃがみパンチがノーマルヒットの時に肘行くならノーマルヒット後の立ちPがガードになるはずで(相手立つわけだからね)立ちPガードからでも有利肘には行ける。

 これがバーチャ4のラウが俺のメインだったけど、しゃがみパンチの硬化差がガード、ヒット、カウンターであって、有利の度合いに合わせてもし投げと二択で裏を取るなら、相手がしゃがみパンチで応戦するなら投げはしゃがみパンチに負けて肘はしゃがみパンチには勝つが、投げと肘の二択で行くと決め込んでいると、投げダメージより威力の高い膝ガイーンからの浮かせコンボなどでいわゆる「逆二択」を掛けられると、それに勝つ肘のダメージが小さいので、反対に有利フレームから威力差で期待値負けする。

 だから、有利フレームでカウンターを見越して斜上掌を打てばしゃがみパンチには投げも斜上も負けるわけだが、カウンター逆二択狙いには大ダメージを取れて期待値勝てる。だって負けても食らうのしゃがみパンチだからね。

 そうして相手の狙いがしゃがみパンチ一択になるなら、肘よりもしゃがみパンチのヒットからの有利フレームで相手のしゃがみパンチに合わせて最大ダメージを取れる技を打つのもバクチではあるが、合理性はある。そこでリスクヘッジをまだかけるのが肘で元々の論理にもある意味での正しさはあるのではあるが。

 このへん餓狼でダックで勝ってダック有利だと言われるとキムで勝って「やっぱりキムの方が有利だと思ってる」という論理を俺が取っているが、不利キャラでも勝っている以上は「勝った、だから有利である」という論理が成り立たず、統計学の根拠から揺らぎ、それでも統計を取るなら勝率を試合数を重ねて数で測ることになるのだが、それでは「本気で腕の同じ相手がやっている」というちょっと素人では難しい前提が必要になり、それよりは統計ではなく確率から「技ごとに期待値を求めて有利をはかる」というアプローチの方が俺にとっては確度が高くなる。自分でいちばん信じるのが自分ならだ。

 もちろん、最初にも書いたが現役の段位が「三段」だったので、その時は謙虚に負けを認めて強いものに学ぶべきだと思ったが、そこは道場ではなく賭場なので、ばくち打ちにばくちの打ち方でひねったイタズラをされて騙された経験もあるわけだ。

 ただまあ、カプコン系で商売をしているのも参加者を募って参加料を取ってフリープレイという形式で負けようのない親を取れるだけのコミュが形成されており、連勝していた俺にとっては勝っても参加料がいる大会は高く、そこで負けても良い対戦に勝って勝ち方をビデオに撮られたのはもうどんな角度から見ても損だと悔いている。

 二度と行くかと思ったものだが、一度行くだけでもその時の最高のプレイを盗まれてしまったのだ。もう信用は出来ない。俺は勝ったわけだが、それによって負け組のコミュには居づらくなり、反対にあの手この手で騙してこようとする悪党とカネモのボンちゃんというゲーセンに通う前の構図に戻ったのだと思う。

 ただまあ「虎穴に入らずんば虎子を得ず」とはよく言ったもので、ボンちゃん同士で会話をするとゲーム雑誌中心で構成されたボキャによる会話から、こと格闘ゲームにおいてはリードできているなと思う部分はあるけど、昔にゲーセンに来ていた「良く分からないけど強い人」も恐らくただのばくち打ちではなく研究体制の整った何らかのカネモなんだろうなと振り返るのである。


🄫1999-2025 id:karmen