ギター弾き語り動画の人物が俺に見えない件

 何というか、俺は自撮りのギター弾き語り動画をニコニコ動画YouTubeにアップして、そしてニコニコ動画では初月34円、3ヶ月経ってみて123円の奨励金をいただいているプロのギタリストなわけですが、道端でコインケースを置いた流しのギターでもケースに500円玉か1000円札が投げ込まれたら金額的には秒で負けます。

 そういう金銭的な問題では無くて、俺のことを小中高くらいから知っている人に映っている人物が俺に見えないという問題。専門学校時代は金髪にしていたので、金髪が俺だと思っている人から黒い毛のオッサンが俺に見えないのはまあ仕方ないとして、そうです46歳にもなると無加工で子供時代の面影があるかというと既になく、まあ放っておいて新しい人生を歩めば良いとは思うのですが、まあ俺というと身長182cmにかまけてオシャレをそこまで意識して来なかったので、写真の自撮りだけが自画像となるネット世界でお見合い写真のようなカッコいい写真をどうにかアップロードしておかないとギターの自撮りが俺に見えないのはデスクに立てた三脚との位置関係で、上半身のアップ鹿映っていないため、武器になる長身が他の被写体から想像しにくく、文筆で182cmを強調して引きの絵が無いことから身長にコンプレックスのあるチビの妄想プロフィールではないかという疑いすらかけることが出来て、それは遺憾という事でセルフタイマーを使った引きの自撮りに挑戦してみたわけです。

 だけど、これでも子供みたいな部屋なのでカッコ良くは見えないよな・・・。

 何というか、影の薄さ。対人関係でキャラが立っていないどこにでも居そうな中年のオッサンなわけで、だからこそ居る意味がある。どこにでも居そうなオッサンがギターを構えて音が鳴っていると、弾いているように見える。そりゃカメラとマイクは別なので、一台のケータイで自撮りを回してケータイのカメラとマイクで撮った自撮りより、カメラもマイクも高級品で別撮りで画像くっきり音声キレイなのがもっと上位のプロだと思う。ただ、俺の演奏がどんくらい上手いかというと、別に機材をプロ仕様にするほどでも・・・。と思っているその妥協が甘くて、40代で仕事もバリバリでお金を掛けると良く出来ることを全財産で本気で自撮りに賭けている人にはそりゃ負けますよと。

 先祖代々が守ってきたミヤザワの姓に親父が付けてくれたキョウスケという名前。ひとから字面で立派だと思われる良い名前だけど、それに見合うだけの社会的地位やルックスや名誉は無いとは思うよな。日本の皇室由来の「宮」は日本国憲法の制定で象徴天皇にその名残を残すのみとなり、財産を奪われて没落貴族となりルンペンみたいになったオッサンに宮の苗字だけが残っている。結婚して子供を残さず死んだら代が絶える。

 もちろん、プログラマシステムエンジニア、いわゆる会社員として生きる道はあったかもしれない。しかし、それで得られる生涯収入は普通のサラリーマンの場合は一軒家を買うのが目一杯なわけで、祖父の代からの持ち家で慎ましく暮らせばこの映っている子供部屋でも小さな自由がある。そこでパソコンゲームを作ったり音楽に没頭したりも出来る。

 但し、テクノロジーの進化は個人の自由の範囲で楽しむ芸術の進化を加速させて、最高峰の芸術が光ファイバと無線に乗って世界を往来して、創作現場から自宅や外出中のスマートフォンまで瞬時にリスナに届く時代なのだ。

 だから俺の部屋にわざわざ客を招かない、招いても遊びに来てくれる人もいなくなり、だんだん自堕落になっているこの俺の部屋から俺の演奏を世界に発信して、それで大恥をかいたとして、恥をかいて失敗して成長するというのは子供には許されても、いい大人の歳である46歳でまだ大失敗をしているというのが厳しい現実ではある。

 その観点に立つと、音楽をする上でギターは重要な楽器で素晴らしいプレイヤーがいることは周知の事実だが、趣味で始めたオッサンを引き立てるのはせいぜいが写真に写るギターの躯体の良さというか分かりやすく行って見たくれがギターであることくらいで、このギターを奏でて鳴っている音をスマートフォンのマイクで録音して耳で聴いて惚れる人などいないのかもしれないなと思いなおしている。

 しかし、「俺なのか」「生演奏なのか」という論点に於いて、リスナが見ているのはMPEG4でありスマホの画面でありスマホのスピーカーかヘッドホンである、その音源と被写体はもちろん俺の自撮りと俺の演奏であることは微力ながら書き添えておく。

 評価が高い場合は俺がそこそこ上手いと慢心して喜ぶこともできるが、34円という現実的な価格、数カ月たっても123円という自由経済競争での価値から考えた場合、被写体としての俺と音源としての俺のギター、俺の歌がまだまだ低評価だと価格付けで分かる。1円にもならない人というのが本当にいるのかは知らないが、カラオケでお金を払って歌ったり、人の演奏をお金を払って聴きに行く人だってもちろんいる。

 そうすると、もう昔の友達に見てもらって俺と分かるかどうかより、俺の作り出す映像や音楽が売れるかどうかに焦点を変えてクリエイター活動に従事するのが建設的だ。

 そんな決意のもと、過去の1ページとなる今日の1枚の自撮りを巡る日記でした。


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