「投げハメ」はどうしていけないのか

 俺のストII関連の攻略法というかゲーム要素の持論としては弾ジャンケンと足払い戦のマトリックス解析があるわけですが、もうひとつ投げハメも重要なファクターです。

 特に初代ストIIにおける投げハメはキャラ相性によって、技をガードして固まって小技等で相手フレーム有利から、ガードが解けて投げ可能になるフレームを狙って投げ操作されると、ジャンプできない、投げ返しは間合い外(キャラによって投げ可能距離いわゆる投げ間合いが違うため)ということになり、その投げが決まったダウンの起き上がりに技を重ねてまた投げハメというのを4回繰り返されておしまい。

 そのため、対空技を早めに出して相手が高いジャンプ攻撃で飛び込むその飛び込みをわざと喰らって着地を投げる「くらい投げ」もそのくらい投げの起き上がりに投げハメすると、飛び込んで打点が高かっただけで負けになり、反対にガイルダルシムは飛び道具を出して対空くらい投げから投げハメという肉を切らせて骨を断つような戦略もあり、必然的に高い打点で対空はつぶせないから打点を下げると落とされる「詰み」に近いダイヤグラムもあったりするのです。

 それも飛び道具にドンピシャリと読んで飛び込むとまだ駆け引きになり得るので、弾ジャンケンのほうが浅くて上位の駆け引きになるわけですが、もつれるゲーム展開は投げハメだけでも終わりますので、弾ジャンケンの弾は削りで4ドットくらい1点としても対空は投げハメ込みで満点、飛び込みもコンボピヨりで満点。相手がガイルならソニックブームのスキが短くガードできるから飛び込み満点とはならないとしても、もし飛び込めたら投げハメで満点になるケースもあるわけです。

 それでも何故やるストリートファイターII?そりゃ勝てたから楽しかったんです。最初はね。けど新しいゲームが出てそれぞれ攻略法が違って、だんだんついていけなくなって、ゲームが変わらずキャラが増えたストリートファイターシリーズだけは同じ要領で勝てるので続けて、しまいに仕事がゲーセンバイトになって、特に大阪の方ではバイト上がりに常連客とゲームするわけですが、そこでのさじ加減として、勝つために投げハメをすると客が怒ったりシラケたりしてお金が入らないので投げハメなしがハウスルールになっていくわけです。

 それは自分の周りだけではなく、よそに行っても地方ごとのアリ/ナシはあれ、東京なんかは地方の人から見たらひどいくらいに「何でもアリ」に見えました。人口が多く競争心を持った人も多く、負けて怒ったりシラケたりしても東京にはゲーセン以外の行き場も何もかも場所代がかかって、そして経済的にも台に入れる小銭は皆持っている。

 そんでも、ストZERO3になると投げ自体が5フレーム空振りモーションありになって、投げハメを小パンチ連打で割り込めるようになったりのマイナチェンジがなされています。だけど、関西ではその弱くなった投げハメすら「無し」の空気もあったし、やって許されるのはリアルケンカの強い人とウメヌキだけみたいな感じでした。

 ウメハラとオオヌキの勝負は将棋の名人のように何をやっても外野が咎めることのない神聖な勝負だったわけです。二人は本気でゲームやってんだから素人がどうこういうものではないという感じ。

 まあでも実際小パンチ連打で投げハメが返るのが分かっている人は小技で割り込むわけですが、そうすると遅らせ打撃の潰しがあって、それを警戒すると投げハメチャンスはまたやって来るものの、空気が「無し」なので間の伸びた勝負になりがちでした。

 「いけない」と明らかに言う人がいないから、じゃあやっても良いのかとなると、やっても良いけどお客さんがいなくなっても知らないよともう本当に今更でゲーセンの閉店が相次ぐニュースが流れてきた今だから、そういえばナシでやってたよねと言える。

 怒る人がいるからやらないってのはあっても、怒ったらお金を入れるって人もいて、そこは人の性格見て、ケンカにならないようにするのかケンカして決着するまで対戦は終わらないのか、正直言って当時の常連客やゲーム友達以外の全員までは分かりません。ああ、まだやっている人もいるし、店は閉まるんやなと。

 俺は本気でやって負けたら怒って連コインするタイプだったのかも知れませんが、大体いつもは手加減しててたまにこの人どうだろうとやってみて手応えアリだった時に一期一会で強い人とは滅多に出来ないんだからと台にお金入れてましたが、それは傍目に見て誰より強くて誰より弱いというような俺の中の序列は他人には見えなくて「お金いっぱい入れるのが勿体ない人」と女から軽蔑のような話をされて、別に彼女ってか付き合ってる人とかではないけど、特にゲーセンに飽きて飲み歩きとかするようになって、人目にどう映るかとかお金を小銭でも大事にするような感性になってゲーセン辞めました。

 まあ、後から考えるとゲーセンの台が二台つながっていて人と人で対戦しているというのも飲み屋の人は分からなくてコンピュータにムキになっている下手な人ってレッテルを貼られているのは分かるんですが、それからお金をジャラジャラ入れて強い相手に入るのではなく誰かとかコンピュータに勝っている「いいところ」を見せてゲームより素人の客に興味が行くようになって、それから俺の商売としては損が減ってその分だけ店がどこかから割を食った、その財源現象のひとりの財源ではあったのだと思います。

 振り返ると、ストIIの時点では俺は中学で誰からも「投げハメなし」は言われなかったけど、皆が辞めたってのが態度として正直だと思います。勝っていると思っていたから自覚がなかった。けど、店するようになって、勝ち負けからいちどお金になった。それが就職でゲーセンをはした金と舐めてチリも積もればで大損をしていたわけです。

 ブログに大会の戦績などプロフィールに貼り付けていますが、どんなものだろうとは思うことがあって、ゲーセンで張り合うのは熱かったけど、今は小銭も大事。

 もし自分が対戦相手が台に入れたお金をもらえるなら、勝ちでも負けでも幾らでもやってやるとは思っているのですが、働いて稼いで幾らでも入れてやろうとは思いません。誰が店で誰が客で誰がサクラか、少なくとも自分に直接利のない店には行かないし、大阪まで出ると雑然としてて誰がどの店から幾らもらっているかとかサッパリ分からないので、分からないところにケンカ売って100円損しているだけでしたって話だったとは思います。その意味では奈良のセガ(もう閉店したけど)やCUEには来てもらったら奈良の利益はひいては自分の利益と思ってやっていたこともありますが、それはただの思い込みで自分は100円の得にもならないってか、UFOキャッチャーでリラックマの大きなぬいぐるみと初音ミクのフィギュアを出してもらって、それ以上はその時は欲しいものが無く辞めました。会社からもゲーセン通いを止められたのもあります。お金を見せたり、社外の人と不要に接触することが危険だと思われたのです。

 実際、それがゲーセンではなくSNSでも業界用語を使うと、言葉を真似て会話にからもうとする正体不明の人がわらわらと湧いてきます。あの頃に言われた「危ない」とはこういう事だったのだなと今更に分かります。

 ゲーセンに通うことで風評被害を受けたとも言えますが、広く半導体業界と取るとゲーセンはゲーム基盤のお客さんではあるので、若い時の方が広域的に仕事をしているつもりでしたが、幾らコンピュータ業界とか半導体と言っても自分の会社とゲーム会社の部品の仕入れ先には直接的な関係はなく、そこらへんをないまぜにしてコンピュータが広まってゆくことの利益は上手くは説明できなかったけど、何かの役には立っているんじゃないかとも思いますよね。

 投げハメからは脱線しましたが、今日の話はおしまい。読んでくれてありがとう!


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