「これぞマジック」デッキは軽いのか重いのか

 MTGをプレイしてデッキいじりをしていると感覚で「軽い」とか「重い」という判断をする。土地カードの並びに対して手札が突っ張ったり、反対にマナコストの小さなカードを全部使ってしまって、手札が無くなり息切れ状態になることもある。

 この「軽い」「重い」に対して「ちょうどいい」を求めるのがマナカーブである。土地が何枚含まれていると、何ターン目に手札が何枚かって難しく計算せずとも初手は7枚で4ターン目には10枚と足し算で求まる。そこに40枚デッキなら1枚当たり40分の1なので、4ターン目に土地が4枚欲しければ10分の4が土地となるのが最適なので40分の16枚の土地を入れることになる。そこに1マナから出発して4マナまでのカードが連続して出るように計算するのだ。ここまでは割と常識的ではある。

 その常識を踏襲しても事故はある。だから事故を防ぐため単色で軽くするのがひとつのトーナメントの攻略法ではあるが、単色は貧乏で金持ちはデュアルランドを使う。これも常識的だが、そんなカネねえよというほうが一般的ではある。俺のデッキは土地16枚中12枚がデュアルランドである。そう、実は地味に集めてモッティなのだ。

 そして、カードの中には1枚でマナコスト分の働きをする以上に、追加効果のあるものが各種エキスパンションにてんこ盛りで毎回そのギミックを楽しむように出来ている。基本ルール、マナカーブに合わせて新しいギミックをどれだけ使いこなせるか。

 まあ、流行ると当然真似も出て来て、情報交換やネットやスパイ活動を通して、上位陣がだいたい同じようなデッキに大別されるどれかのタイプというのは今までそうなのだが、俺は変わったタイプであった事もあったし、強い理論に迎合して情報収集して同じタイプに集まったこともあった。負けて「あのタイプを考えたのは俺なのに」と負け惜しみを言うよりは、かっぱらっても勝った方の勝ちという闘争に加わったこともある。

 しかし、1000人大会のベスト8、32人トーナメントで2位、8人トーナメントは優勝からドベまで経験があり、届かない「あと一歩」を悔い続けたこともあった。

 プロツアーの賞金を目当てにしていたり、名誉が欲しかったりだが、ふと何故にそれをMTGで目指したかというと楽しかった延長で、既に楽しく無くなっていたりもした。

 そこで「何が楽しかったのか」をあらためて思い出し、楽しい範疇でプレイして中堅どころでも良いじゃないと思うと、新しいの買わなきゃ付いていけないとか、古いの使えないルールがウザいとかの愚痴をこぼさず、今までの持ち物と楽しかったゲームの再現と、あと自分の課題であるゲーム理論研究が合致して楽しくなって来た。

 始めた頃は大分騙されたが、このゲームには確実に「強いカード」と「弱いカード」がある。軽いカードが強いと思いがちだったが、ブログでたびたび登場するヨシイ君はMTGをしないのだが、俺のことを人を騙しているという。理由を聞くと「大きいカードの方が強いだろ!」と強弁する。それに「費用対効果ってもんがあるだろ?」というと「費用って何?金は関係ないだろ!」「いやカードを唱えるのに必要な土地の枚数を示すマナコストってのが右上にあってそれが軽い方が強いんやが」「大きいカードのほうが強いやろ?」「まあ、出ればね」「ほらやっぱり」と何と単純かと思ったが、出れば大きいカードのほうが強いのは確かに正論ではある。

 マナカーブ以前にカードを使いきったら勝てるというのには稲妻3点ライフ20点から出発して、7枚使えば勝ちでそれに土地が増えたら火の玉があるので直接火力中心のデッキが強いという前提がある。しかし、歴代の赤優勝の後には弱体化があって、そしてまたいつの間にか復権する。セットの火力がどれくらい強いかは話題になるが、もうそのイタチごっこからは抜けることとした。焼き合いのポーカーがしたいのではなく、クリーチャーを出して戦闘したり、同じ手札でも対抗呪文を握った読み合いが楽しかったからだ。

 それで、大きい方が強い、マナは軽い方が出やすいとして再び戦闘のマナカーブを考えると、直接火力と違ってクリーチャーは相手により大きいのを出されたらアタック力もブロック力も弱いので、相手よりひと回り大きなマナカーブを作れば強いという式が成り立つ。あんまり重いと速攻に負けてしまうケースもあるが、3マナ4マナのお手頃な強いカードというのはドラフトでも大人気になる。

 そこからさらに1マナで出て強くなるレベルアップ、出てきた時に追加効果のあるクリーチャー、戦場に出してタップ能力のあるカードなどを費用ではなく効果の方で選んでゆくと、案の定デッキがどんどん重くなってゆくのだが、そこに緑のマナカーブであるマナの出るクリーチャーも少し入れて、重いところをカバーしてみた。

 それももちろん常識の範疇ではあるが、マナカーブに費用対効果を1枚ずつ吟味して、どんどん得だと思うものに入れ替えてゆくプロセスを辿り、デッキはみるみる強くなった。一度は愚直に「大きい方が強い」というのを飲んでみて、それからひと回りずつ軽くする感じだ。そこにはリミテッドの並べ合いの基本である「並べ合いには飛行クリーチャーが勝つ」というワンポイントを加味して、5マナは願いのジン6マナは炎破のドラゴンとした。

 今日の結果はスペル24土地16(内Ⅰマナ3枚、2マナ7枚、3マナ7枚、4マナ3枚、5マナ1枚、6マナ2枚、X火力1枚(内マナクリーチャー2枚、引き増し5枚ハンマー含む)となった。

 これでプレイすると、順繰りにマナ通りクリーチャーが順番に出て、それでいて手札も効果で補充され、ちょうど良い使い切りのペースでプレイしても手札は余るくらいの強さになった。やはり、弱いカードのデッキ相手にはサイズで勝ち、引き増しでも勝つ。

 まあ、そうすると「ちょっとのお金でも始められるMTG」みたいなのは欺瞞で、金持ちゲームではあると思う。ただ、その「ちょっとのお金」の額面は賞金トーナメント参加を企てなければ、ゲーム機ほどは行かない。負けても楽しめるなら、おもちゃの中では高価な部類に入ってしまうかもだが、楽しめるのだ。

 追わずに待つとこれだけのコレクションが手中に収まったのだと満足げに眺める。


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