まあ生成系AIの出だしは「AIが人間の仕事を奪う」とだいぶ恐怖をあおるような宣伝が為されていましたが、だんだん社会に馴染んできたと思います。
実際、Grokの導入で将棋ソフトの開発に関して大分仕事を肩代わりしてもらえました。もともと、趣味開発でしたので仕事はラクになる方が良いです。
ただ、現場では工数が減ることは減俸というか、工期が短くなり単価が下がることを意味します。もともとソフトの工数というのは「こうしてこうしてこうやって」と手順を守って組むものではなく、競プロを見れば分かるように出来る人は出来て出来ない人は出来ない、そういう仕事なのです。どうやったら出来るようになるのか分かるなら、専門学校の先生になって指導してあげてください。優秀な先生の指導の下でも落第は出ます。
それで、元々コンピュータで仕事をするという事はオートメーションを目指すわけですが、ソフトの仕事の現場というのはオートメーションで回る仕事の管理職なわけです。オートなのに管理がいるのというと、メンテナンスは必要だと思うのですが、社会の仕組みの都合で会社には管理部門があるのです。AIが来るまでもなく仕事が無い。
ただ、仕事が無いと存在が危ぶまれるので、開発と称して新しいソフトを設計して、そしてそこに新しい身がなくとも、仕様書を書いてそれを組むには工数というのがかかって、納期が何年ですから費用がいくらかかりますと対外的に説明して、そして日本の世の中は年俸制、月給制、時給制が基本ですから、工期が長いと多く給料をもらえる。
んでITの現場というと、長机に椅子があってノーパソ置いててコーヒーとタバコで時間をつぶして工期を伸ばして粘っているというのが基本形です。まあ、本当にそうして考える時間を増やすことで新しいソフトのアイデアが出ることもあろうかとは思いますが、生成系AIが出て来てみると、今までどれほど非効率だったのだと。
そして撮影禁止の現場に入ったことを拙い絵で頑張ってマンガにしようとしたのがノート写真の下の現場、複写機の評価です。ソフトというとパソコンの中で完結するわけではなく外部に何らかの働きかけをして初めて役に立つわけですが、そのひとつがプリンター。んで、今に始まったことでは無いですが、昔のパソコンって専門家しか使えなかったけど、マックが出て誰でも使えるようになって、問題はその模造品である富士通とマイクロソフトウインドウズです。
これには不良個所がメチャクチャいっぱいあるままで市場に出て、家電各社がクレーム受けに終始大変だったらしいです。俺が入った頃はもう落ち着いていたのですが、今でもその名残で不良検品とか電話応対のスタッフをすぐに切れなくて、所狭しと複写機が置かれた中でひとり1台検品するというどうしようもない部署があるのです。
俺はもう、ソフトハウスのコーヒータバコでゆっくりできる仕事しか出来なくなっており、評価業務はしんどかったです。ソフトの現場ではバグを見つけるのにコードを読んだりデバッグログを出力して実験できるのですが、評価というとそういう機器無しにお客さんが使うのと同じマシンを使って、実際に使っておかしなところが見つかるまであの手この手でいじくり回す、そういう仕事です。
ああ、これこそ現場で俺が今までいたところは現場ではなく管理職のような立場だったのかもなと思いましたよね。人間、多くを知り過ぎないで自分の持ち場こそ一番大事だと思ってそれぞれの仕事をしているというのが上手く回るのかも知れません。