寂しい人生を振り返って、少し傷が癒えたことを実感した

 NHKあさイチで確かスケボーメダリストだったか堀米雄斗さんが出ている会にシンガーソングライターの姉ちゃんがギターを弾いて歌っていて、ああ見覚えある顔だ確か阿部真央だと思って実際そうで、幾つになったんだろうとネットで見ると34歳。

 そうそう、俺が20歳の頃を僭越ながらストIIターボと言う時代の流行の特殊な競技で堀米さんに例えさせてもらうと、あの頃に遊んでいた仲間に今の阿部真央さんよりもうちょっと年上かも知れないなというくらいの人相の姉ちゃんが絡んできて、自称カプコン社員でカネのない俺はゲーセンで遊んでその姉ちゃんに寿司とか焼肉をおごってもらった。他にも女性がいなかったわけではないが、男子校出身でテレビのアイドル以外の女性は見たことが無いというと別に街に婆さんはうろうろしているし電車でも乗れば乗り合わせの女性など幾らでもいるわけだが、拗ねている俺に構ってくれたのがその人だけだったという話だが、特に相々橋筋でマドラスというカレー屋に入って出て来て手を繋いで歩いた時には子供の頃に生まれてこなければよかったと親につぶやいて泣かれた俺が生きていて良かったと思った人生の数少ない印象的な良いシーンであった。

 しかしまあ、今にして思うと遊び友達に口裏を合わせてもらっているだけの遊女だったかもしれないなと思うのだが、音信を断って行方もくらまし、あの頃はその別れの辛さに気が狂いそうだった。実際、精神病を患って入院するのはその後なので、気は狂っているのだが、ダメージ的にその時に発症したわけではなく、その後も色々あって狂ったのだが、思い出して笑えるくらいには傷は癒えたのだと思う。

 考えると、専門卒の俺にしてみればカプコンというのは到底入れない大企業でそれでも俺の小遣いはカプコンのゲームに随分使っており、実際親のカネだったわけだが、自分で働いたことがあると言ってもその時は19のゲーセンバイトだけだから、ゲーセンに納入されるカプコンのゲーム基盤あってのゲーセンなわけで、雲の上だった。

 そしてバイトの小遣いで食うのは丼ものかラーメン、ハンバーガーくらいのもので、額にして500円から高くて980円。焼肉というと3000円はかかるものという相場で、そこで寿司や焼肉をおごってもらえるのは会社の営業でゲームを買うお客さんへの還元なのだろうか、くらいに思っていた。

 あー、ステージ慣れている阿部真央さんに堀米雄斗さん申し訳なさそうにしているなと思うと、それを見て自分の若い頃の騙されっぷりを見ているようで懐かしくなった。

 まあ後は遊び仲間から何人かカプコンに入社する人が出て、俺は30代でいちどカプコンの株を買うわけだが、カプコンの上層部は大資本家が株を買うのには丁重でもバイト上がりの俺がカネを貯めて株を買ったと知ると笑って「下げたろか」と仕事をサボり、そして俺が現金の資金繰りがしんどくなってカプコンの株を手放してそれから倍以上に上がったのを逃した魚は大きいという風に悔いたのだが、数百名勤める大企業と何億という資本金にひとりのゲーマーの人生は笑われるように小石のように転がった。

 もう、あの会社に憧れとか恨みとか、変な感情を持つのは辞めようと思っているのだが、こうして書いているブログのいちばんの人気コンテンツは今もカプコン社のストIIターボの話だし、俺の交友関係の20代までのいちばん幅の広いところではある。

 俺のさびしさは俺が狭い趣味にこだわって、そこで話の合う人にしか自分の世界は理解されないと他をはねつけて世界を狭くして人の多いなかで自分で殻を作って寂しくなっている自分に「おかわいそうに」をしてあげることで精神バランスを取っているからだろう。けど、例えば趣味を増やして交友関係を広げようとマンガをちょっと読んでコミケとかのオタク界隈に関わろうとすると、その世界はいまネオジャポニズムと広いように宣伝されているが、今の俺よりもっと狭い世界で仲間と繋がる事での精神的開放をしている人々と、とても心が通う見込みが無いように思ってしまう。

 けどまあ、何も関係がないよりは、いちど会話を試みて上手く行かなかったくらいの話。俺にもストII以外にもファミコンやオールドアーケードで話の合う界隈はあるのだが、それがかなりの深狭(ふかせま)でマンガも多分マンガだったらなんでもOKみたいな感じではなく特定の世界がありつつもオタク会で友好関係を築くためにオタ活として頑張って他のマンガも勉強した人からしてみると「ちょっとマンガを読んで」くらいで入ってこられてたまるかというような世界かもなぁ。俺の見識が偏ってんのか。

 まあかくいう俺も80年代後半から90年代前半の少年ジャンプとかの分野はあるのだが、古いよな。後からなんか偉いことになったぞと今の少年誌とか読むともう入って行けない世界。そりゃプレステで楽しく遊んでいた人が後からストIIの世界に入ろうとすると、それもそれでなかなかに難解で辛いんちゃうのかなと。

 そうその意味で自称カプコン姉ちゃんはゲームの話が分かる人だった。そんだけ。

 まあゲームマンガ以外にもロスジェネとかでもつながるし、広く音楽とかギターとかでも趣味仲間は出来る。カラオケとかだと年代や音楽趣味が違っても同じ部屋でメシ食いながら何か飲みながら人の歌を聴いて仲良い感じにはなる。

 けど最近、そういう「仲良くなる」前の段階で強い警戒心を抱く。確かに一緒に遊ぶのは楽しいが、それらは全て消費で、一体何の仕事でカネを稼いでて何を狙って付き合うのか。楽しいからそんなん考えてないという人とたくさんつながって、自分の将来にどう影響するか、ちょっと考えたらそんなのバタフライ効果で誰にも何にも分からないのだから、短期的に「今楽しい」を選んでいるだけだろうが、それが出来ない。

 けどまあ、何故かこのブログは毎日書いている。自分を晒すことにはそこまでリスクは感じていない。そりゃ危ない目に遭ったことはあるが、それを過ぎてそのくらいの危ない目、例えば誰かが自分になりすまして悪事を働くとか、商機を横取りされるとか、そういう事も全部ヘッチャラになってブログを続けているので、反対にカラオケで仲良くなるとか言うのが不用心過ぎで、歌うだけで980円取られるのが短期リスクだ。

 まあそうするとマンガはどうなんだろうな。テレビアニメなら電気代だけで見られるから時々見るし、1年くらいヤンジャンを取ってそれからモーニングになったが、それで家に古雑誌がたまって捨てるのが惜しくて積んだまま定期購読を辞めた。場所的に。

 そして俺の年が46歳なので、10代20代からの付き合いでという所に割り込める人はもう出来ないとどこかで思っている。そこにファミコンやゲーセンのゲームが同年代を共に生きた証のように感じているところがあるのだろう。少年ジャンプもそうだ。

 そうすると、人が仲良くなるきっかけを同時代のマンガ雑誌の連載やその頃発売されているゲームとして商品研究して自分より若い人に取り入ったりしたら、それもうすごく狡猾なターゲティングでの若者のコミュニティへの侵略みたいな話だよな。

 それはやろうと思えばできると思うのは人を侮っているし、当然当事者が警戒するのもそうだろう。だから世代が違うはずのゲームの話をする若オタに反対に警戒心を抱いたりしてしまったりもするのだ。単純に仲良くなりたいと思ってすることでも、その若オタに同世代チャンネルが無くてこっちに来るのは何故だろうとか思ってしまう。

 そここそ、素直に「なんで俺にそんなに近づいて来るの?」と聞き返せば済む話。

 理由なくゲームやマンガを同年代チャンネルとしていたのが問題で、それで友達が出来るとして、そのひとりひとりをドラクエの旅仲間みたいに無条件に魔王倒すまで一緒にいるとか思わないで、社会を生きるひとりの人であると接して行けば今後も大丈夫。

 まあ、こういうことで自分なりに整理を付けておくことで落ち着きを取り戻すのだ。


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