コントロール色の強いクリーチャービートになった

 「デッキを組む」というほど如何わしい行為はない。MTGを始めたもののうち、まず手に入れたものをありったけ入れてみてデュエルの中で学ぶものと、読書やネットで満足するものとに分かれる。

 ありったけ入れてデュエルしたもののうち、あきらめるものとカードを買い足すものに分かれるが、読書やネットから気に入ったものを含むように当たるまでパックを買うものもいる。しかし往々にして、当たるまで買って「組まれた」デッキの原型である優勝デッキはありったけからデュエルとトレードを経て何らかの事情でその状態に遷移して、そこが丁度カバレージの対象となる大会であったに過ぎない。

 だから、俺のデッキがなぜ今こういう事情になっているから俺が買って当てたもののなかでそうなったというだけで、誰かが別のところで買って集めたら、もっと違うものに行きつくものだと思う。

 特に"Hammer ob Boghardan"とか「朽ちゆくヒル」「精神の制御」「願いのジン」をデッキに取り入れられるようになった経緯には、今年に追加で買った基本セットの6パックに白黒と赤青のデュアルランドが含まれて可能なマナバランスが変化したのも大きい。それを忘れていると「長年続けて上手くなった」とか思ってしまいがちだが、実は良いカードが当たったというだけなのだ。

 カードの何割かは、役に立ちそうだと思って持っていても、手持ちの他のカードと組み合わさってデッキの形にならないで宝の持ち腐れになりがちだ。だが、それがこれだけ一堂に会してデッキとして他の人と遊べるかもしれない形になったのは満足だ。

 デッキの原型としてはトーナメントに参加し、そこで対戦して得た反省なども生かされてはいるが、環境も変わったしそもそもDCI無くなったし、店に持って行っても「この人こんな古いカードいっぱい入ったの持ってきて何したいんだろう」と思われるかもしれない。

 雑誌ゲーメストの編集長石井ぜんじさんが「読むだけで楽しめる本を作りたかった」と後日談として語られていて、本で楽しむ人間は恐らくホビージャパンや「ぎゃざ」誌で十分楽しんでおり、もっと読みたいと思ったら単行本も読む。

 先月からAtCoderという競プロに出て3回目で7000人以上参加のドベ層から2問解いて5000位までひと月で上がった。ツイッターで上位1割ほどがコミュの主体になっているようだが、フォロワーが多いとなると、それが競プロあこがれ組で、それがホビージャパン誌5万部でプロツアー予選が1000人参加、そこで辞退の繰り上げとはいえベスト8にいちどは入ったので、狭い趣味だから勝てたとかカネでカード買って差が付いたみたいに言われても、競プロで上位100位くらいの人に「パソコン買う金があったから競プロ出来るんだ」と言っても恐らくそんなことは無意味なわけで。

 まあ、誇るほどでも無いかもだが、ある程度は自信もって良い分野だと思ってる。

 ただし、競技順位で上位1%から10%とかいう話をしているけど、商業誌に見開きのページを持っている職業ライターとなったらもっと狭い可能性もあるよな。そこに対して「攻略通りにゲームしても勝てない」という批判や「本人にゲームで勝った」みたいなマウントは恐らく意味をなさない。あんたそれ買って読んだでしょって話だ。


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