派遣社員としての顧客は官公庁以外にもあった話

 国家試験に通っていて公務員と言っても、情報処理技術者の大半は派遣社員でした。昔に出来た法律のせいで、人手不足を転勤で埋め合わせるような制度設計なのです。

 もちろん、最近は国も情報系に予算を割いており、情シスなどで会社に椅子があるIT系というか会社のIT部門に入れる技術者もいるとは思いますが。俺は氷河期で。

 そんな中で例えば官公庁もしくは官公庁が発注するシステムの受注者であるソフトハウスに勤めていたはじめの三年は良かったのですが、システムから「設備費」として計上されるパソコン。パソコン買ってソフト組んでシステムだって売りつけて導入するのではなく、パソコンそれ自体にもOSというソフトは載っています。富士通だったらマイクロソフトが載ってる。ソフト会社の偉いさんに可愛がられて「獅子の子は谷に落として育てる」という風に、どんどん辛い場所に派遣や出向をさせられる時期がありました。

 ただまあ、ゼネコン傘下では国からカネが出て割り振られたお金がお給料なわけですが、その仕組みが分からない人から見たときに「30万円の派遣社員を会社に呼んでプログラムってのをさせたらソフトってのが出来て100万円儲かる」みたいな粗利を読む中小企業の経営者のオッサンとかがいたわけです。

 しかし、世は商売。そこで予算の仕組みなどを丁寧に説明して分かってもらうのではなく、有限会社フリーライフも利益を追求する企業なわけです。「月30万払ったらコイツ来て働く言うんか?呼べ」「ミヤザワ君、行って見て」と言われてそこで多くの他の従業員は甘えん坊で「遠い所はいやです」とか「そういうの出来ません」とか言って辞めてしまう、人によっては首切りの口実みたいなワケわからない派遣がありました。

 そうして、どこぞの会社にパソコンと事務机に椅子を用意してもらい、ポンと配属されて、見ず知らずの人ばっかりの会社で「ハケン」と呼ばれてひとりパソコン作業です。お給料は約束通りもらえるのえすが、なかなかにキツイ。

 その頃に受けたパワハラの数々は今も心の中に残っていて、その内のひとつに「この子二級や!二級でそんな給料もらおうってんか!一級はおらんのか?」「二種というのは仕事の役割の区分の違いで、実務は二種で一種は管理職です」「屁理屈こねんな!おまえまだ二級やねん!」それで一種はソフトウェア開発技術者とか応用情報技術者に、二種は基本情報技術者に名称が変わったわけですが、資格持ってないオッサンでもカネ持ってたら人をカネで呼びつけて暴言を浴びせてひどいなぁと思いながらも、俺も欲しいのはお金であって、そうしてもらうしかなく、またそこで舐めた辛酸は夜の町でヘルスの姉ちゃんにしゃぶしゃぶして晴らしていたりするので、視点をヘルスの姉ちゃんにすると「札束ぶんばら撒いて毎日しゃぶしゃぶする兄ちゃんがいてー」という負の連鎖が起こっていたわけです。この頃はダイヤルQ2やテレクラという怪しい風俗に変わって、ネットでホームページで女の子の写真を見て店に行ったら本当にナニできる闇のウェブサイトが所謂ダークウェブではなくHTTPとかで大々的に宣伝されていました。

 まあ、果たしてそれに対して応用情報に合格すれば見返せるのか、というとチョット努力のベクトルの向きが間違っているように冷静になれるんですよね、最近は。

 まあ試験は試験だから本読んで勉強はするわけですが、つまるところ官公庁の管轄から漏れるようなことが無ければもう悲惨な目には遭わない、と捉えるか、本当言うとゲーム業界に行きたくてその見込みが薄いと天秤にかけて学生時代に資格の勉強をしたのであって、ここまで軌道が変わるともはやしたい仕事ではなくお金のための仕事か、それを続ける間に出来た新しい自分のスキルセットを何かに昇華させたいという事での応用受験でもあるわけですが。

 オッサンに土下座されるとか、お金をいっぱい持つってのが現実になって、可愛い姉ちゃんにしゃぶしゃぶしてもらっても、なんかこうコンピュータで世の中代わって反対に取り残されたの自分の方じゃね?みたいな感覚もまとわりついて来て。

 写真は2万5千円ですが、まあやろうと思えばもっと見せ金はあるけど、それは自分で経営するために貯金した運転資金であるわけで、官公庁以外に民間企業で月給15万円とかの従業員をひとり取るだけでも自分の事業じゃ「むりぽ」だなぁと切に。

 「呼べ!」とか言って30万円払えるオッサンは一体何をしてそんなに儲けたのだろうか、そこの裏には若い頃の苦労か何かがあるのだろうか、そうしてもカネのためなら土下座もするってか、土下座はだいたい誰でも出来て、俺が怒られて反骨精神を燃やして勉強したことも、結局は玉突き上に俺がカネもらって働く発想しか無かったからではないかと思うと、いま応用の勉強をしているのも官公庁からカネをもらう身分社会の中での出世を見込んだことであって、復職ではなく経営に本当に役立つのかというと、今持っている参考書でも「これだけじゃぁ分からないよ」という不満感が出始めて。

 けどまあ、参考書を買った時には「こんな分厚いの全部やらなきゃならんのか」と思ったもので、それくらいは流石にひとしきり終わったわけです。

 今日の朝飯はあんパンと牛乳で締めて200円。そのくらいの暮らしなら、自由なわけですが、ときどき昔を思い出して「あの金はどっからどう回っているんだ?」とまことに不可思議な気分になるのです。公務員試験からは公金の勘定しか分からないのか、それでも何も分からないよりは勉強していると、ぼーっと考えるよりはマシになります。


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