久しぶりに市役所に行ってきました

 「ネットに個人情報を晒すべきではない」というのはネット普及期1995年ごろのネットの常識のひとつでした。それに対して俺は最初はある程度守っていたのですが、オフ会などから段々とハンドルネームと実名を知っている人が増えてゲーム大会などで色々な人と付き合いました。

 そしてふとある時、あんな常識は全部嘘で、大学教授や政治家は自分の名前を有名にして活動しているし、芸能人などはプロフィール写真をネットに出しているではないか、俺もそうすれば有名人になるのではないか、騙されないで実名公表しようと。

 その結果、俺の住所周辺にコンビニ飯のゴミとかが撒かれ、街を歩くと服も髪型も似せたようなって俺の服も元々はユニクロ等の量販店で買っていたので、真似ようとすれば簡単に同じようなデザインのものが見つかるわけで、友達同士とか知り合い同士で発生する「かぶりはNG」みたいな事が働かない不特定多数の中で「俺と被った人」が大量に俺の生活範囲に現れだしたのです。

 奇妙な体験でした。俺はそれで例えば長渕剛という歌手のライブコンサートには長渕剛になり切ったファンの人がタオルを振っているように、俺が俺と認識されないまま俺を俺と認識する装備品などが流行っているのだなぁ、と思っていました。

 しかし、その流れからやがて生活が脅かされ始めて保険証を紛失して、俺が俺である証拠まで段々と侵食され、もしかしたら俺が俺のふりをした誰かと入れ替わっても誰も気づかない、今はまだ家族がいますが、親父が先にいったら、親族等も疎遠になり、孤独死はあるかもなと思ったけど、俺の個人情報をそっくりのっとった他人に入れ替わられて、それでサルのように暮らすしかなくなる未来への不安がよぎり始めました。

 しかし先日にはその悩みを警察に電話で相談して、お役所と病院と警察の協力で、今日お役所で保険証の再発行をして、また俺が自撮りをアップしたニコニコ動画もダウン中で、YouTubeなどは不特定多数が見られないように設定を変えました。

 大学教授でも政治家でも芸能人でも無い人が、個人情報をネットに上げて有名になろうとするとどんなことが起こるか、ことの顛末は不思議な事というよりヤクザの威しだったのかもしれないなとふと思うのです。

 まあ、俺の夢のひとつはゲームクリエイターとして有名になってファミ通に顔写真付きで乗ることでした。でもああいうのグラサンとかかけて出る人も多いよね。

 まあ、ひとしきりの手続きを終えてちょっとは気持ちが落ち着いて暮らせています。おやつにバナナを食ってクーラーの効いたところでホットコーヒーを飲みました。

 やはり有名になりたいとか思うのは、そうなったら人間関係が自分有利になると考えていたからで、もしかするとどこかの界隈では有名でも、身内も友達も無い不安な生活になるなら、もう有名は良いやって、どこか諦めたんです。俺は友達を全部切ってAKBになった高橋みなみちゃんの勇気には敵わなかったわけです。

 平凡な幸福というのも、悪いものではないなぁとあらためて思います。

 まあでも、SNSとかで個人情報割れてないかと思う人でも、ハンドルネームというかアカウント名とか訳の分からない人もいて、たぶん東京在住も多いのかなと。

 反対にド田舎で周りがだだっ広くておうちで長渕剛してる人とかもいるよね。気のせいというと俺の気のせいかもしれんけど、ネットに個人情報を晒した結果のレポートでした。

 


🄫1999-2023 id:karmen