鉄拳5ウルトラハード鉄拳王への道(そもそも鉄拳王って偉いの?)

 

俺はかつては格闘ゲームをゲーセンで遊ぶ人だったのですが、近頃はプレステです。

国民投票やアンケートによる調査でなく今まで会って話したことのある人の意見から、特にゲームをしない人や女性の意見として「コンピュータに勝てれば充分強いのではないか」という話が良く上がるのでコンピュータと戦うように変わったんですね。

コンピュータの最高難度ウルトラハードの鉄拳王に既に直接対決では何度も勝っているのですが、鉄拳王に何度もコンティニューして1回だけ勝ったのと自分が鉄拳王に昇段するのは格が違う。鉄拳王の称号はどうしてそれがそんなに偉いのか、それを説明したいと思います。

まずストリートファイターIIの時代からバーチャファイター3までの時代は最後に勝ったほうが勝ちで、そのためにはお金を多く持っている方が強いというのが普通でした。

これはゲームセンターのストIIがコンピュータと遊ぶ1人用のゲームであると同時に、通信対戦と言って1人用で遊んでいる人とケーブルで繋がっている台で誰かがゲームを始めると先から遊んでいる人のゲームを中断して割って入って人対人の「乱入対戦」が可能で、対戦で勝ったほうが引き続きコンピュータと戦い、負けた方はゲームオーバーになるのですが、100円玉をもう1枚入れてコンティニューすると再び同じ人と対戦できる。これに勝ち続けることを連勝と呼び、コンピュータのキャラを何キャラも倒すのとは明確に区別していたんですね。

また、俺の持論である「ストII波動拳、ジャンプ、待って昇竜のジャンケンである」という話が出るまでは「まずは下がってソニックブーム、飛び越されたら中足払い、中足払いの後はガイルが一旦黙ってリュウが踏み込み大足払いから波動拳」という風に将棋のような手番制のゲームであるか如くに攻略されていました。そのため、何回負けようが最後に勝ったほうが論理的に正しいという価値観がありました。

これを破ったのがバーチャファイター4の勝率と段位のシステムです。

最後に勝ったのは誰であるかというゲーセンでの価値観はバーチャファイター4のカードシステムに記録される明確な指標である勝ち負けの数と段位システムで改められました。少なくともバーチャ4に参加する人の間では、最後に誰が勝ったかでなく統計的に何勝何敗であるかと、明らかな格上格下のやり合いでなく力量が近いはずである同段者の間で5回分勝ち越した者が上の段位になるという厳しいルールを皆が飲んだのです。

このルールになってから、カードを指して「負けてくれる人」というのは居なくなりゲーセンのインカムは一気に冷え込みました。家庭用が出たせいもありますが、ゲームを自分が何回遊んでいくら使っていくら勝っていくら負けているか、これを明確にゲーム台に表示されて我慢できない人がひとりずつ辞めていったのです。

だから少なくともバーチャファイター4の覇王は負けて辞めた人勝って残った人と負けても負けを認めながら残った人、それらの総意の中で同段戦を最後まで勝った人なのです。

ところで俺はストリートファイターIII3rdストライクの日米戦日本代表ですが、これはただ旅費があったから、というのも当時のプロプレイヤーは大会に勝っても旅費と賞金を合算すると赤字の状態で飛行機に乗って大会荒らしをする人の事だったのです。だからこれも賞金稼ぎなどとは違って、ゲーセンでバーチャ4を続ける人と同じく、物好きの集団で参加者が見守る中でトーナメントを勝ち上がり続けた人なのです。

もちろん、格闘ゲームはギャンブル性のあるゲームで勝率の高いものが勝ちであるというのでなく古くからの格闘ゲームのファンには格闘ゲームは将棋のようなもので最後の試合に勝ったものの手が論理的に1歩上回っているという価値観もあるでしょう。

これを持って、格闘ゲームのチャンピオンになったことがあるというと賞金首のように捕まえられて、何度も挑んで負かしてやろうという人に当たって疲れることもあるんです。困ったものです。

そこで、バーチャ4及び鉄拳5のルールに従うなら、勝ち負けの連戦を加味して勝った方に即座に段位が委譲されるわけでなく、トータルで5回勝ち越したほうが高い段位に昇段するということになるんですよね。最後に勝って論理的に1歩上回ったというなら、その手があと4回通じるか。それを飲んだことのない人に勝ちを譲るわけにはいかないのです。

鉄拳王に勝てば即座に鉄拳王の称号が手に入るわけでなく、色々なレベルの相手に級位から段位に称号まで同段戦を勝ち越し続けて初めて得られる称号が鉄拳王なのです。

 


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