今日のカプエス2(負けるという帰り道、2コンティニュークリア)

 カプエス2の今のチームはAサガット山崎ベガだ。

 「サガットは強いのか」という命題を考えたときに強いキャラとは何であるかという問題を同時に考えなければならない。ストIIリュウブランカを考えると、おもむろに波動拳を打って飛んだ相手を昇竜拳で落とすという戦術でリュウはコンピュータのブランカを封殺できる。まずこの取り組みはリュウが有利であるとされた。

 しかし、研究が進むとブランカは簡単に飛ばずに、波動拳を打たれたら垂直ジャンプで避けて、歩いてにじり寄る。そして近い距離で波動拳を見切って前に飛べるとジャンプ強パンチから立ち中パンチしゃがみ強キックの三段コンボで気絶に追い込みもういちどコンボ。これで波動昇龍が無意味化してブランカ有利となる。

 さらに踏み込むと、リュウは踏み込んで大足払いをガードさせてキャンセル波動拳を打つと、跳び越す前に大足払いのガードで固まる時間があるので、確実に昇竜拳が間に合う。近距離での大足払い波動拳と離れた距離での波動拳、それを跳び越したら大足払いでリュウブランカにまた勝ち始める。このあたりで、それ以上研究が進む前にストリートファイターII'(ストIIダッシュ)が発売されて巷のゲーセン台は全て入れ替わった。

 ダッシュ、ターボではリュウがさらに強くなったが、ゲームスピードの高速化で精密にコマンドを入れるのは難しくなった。ゆっくりだと論理の勝負に思えるほど精密に操作されたものが反射神経や操作の習熟度でも差が付くようになり、好みが分かれた。

 その状態で、現状どちら有利というのを数値化して、キャラ毎に升掛けして強キャラを決めようというのが対戦ダイヤグラムというゲーメスト誌の試みであった。

 では48キャラもいるカプエス2で何故サガットが強キャラと言われているか。それは稼働当初から公式全国大会まで、上手い人から下手な人までサガットが勝ちまくったからである。

 前転と空中ガードをはじめ、各種グルーブの混ざったカプエス2の初期対戦はまるでコンピュータゲーム理論モンテカルロ法のように、出鱈目に色々やって勝った手を残すという手法で持って、各人が公式全国に出るキャラを決めようとしていた。

 そこで、リーチが長くスピードもあり威力の高い立ち強パンチを振り回すサガットがどこでも何のグルーヴでも勝ち残って強いとされて採用されたのだ。

 各キャラをくまなく研究して、対戦の有利不利を計り、その分析を総合してダイヤグラムにするというのは確立されたゲーメスト式の研究法であったが、それが敵わない多キャラグルーヴ制のカプエス2においてモンテカルロで勝ったということは別のアプローチではあるが、正解なのである。

 ダイヤグラムと、モンテカルロ法という別アプローチで強キャラが決まった以上、サガットをどう使うかというと、キャラ対策や論理的な研究ではなく、出鱈目にリーチの長くて強い技を振り回し、相手のむらっけを咎めるということから始めなくてはならない。いわゆる現役と呼ばれるトッププロにはチームにサガットを入れない人も出てきたことから、キャラ立てのために敢えてそうするのか、サガットよりも勝ち目のある戦略が見つかったのかはネットで動画感染するだけでは分からないところがある。

 だから、サガット側として、見よう見まねで動画と同じことをする良型模倣は対戦相手も同じように動いてくれないと意味をなさないので、確定コンボであるオリコンの手順以外の立ち回り研究には使いにくい。

 そこで、立ち回りを考え直す時、来た道を戻るように、相手が下手で隙があることに甘えるように攻めるように、大攻撃を振り回すことから考え直すことにした。

 そう考えると山崎の研究もまだ全然進んでおらず、大将にオリコンのベガが待っている、あとはモンテカルロの強キャラというところが現在地点であり、長年やってる割にまだ論理的な研究としてはまとめると初歩的だなと思う。

 対抗馬として考えられるのは、オリコンの減るさくら、庵、豪鬼あたりと他グルーブの勝ちキャラ。オリコンの対抗馬ならグルーブが合うのでスカウトも考えられるが、他グルーブならチームごと組み直しになる。サガットをテーマにしているが、いまAになっているのは公式全国のあとの有志全国はみなAベガを入れたチームが優勝してきたからだ。つまり公式全国以前は俺は先に勝ってリードを守る逃げ馬状態だったが、ブランクもあったし、研究において追い馬状態になってAベガを始めたのであった。

 まあ、A強者の多くは「そこまでやらんでもベガで勝てるし」みたいに思っていて、遊びの趣味キャラが先鋒になって普通の人相手に大活躍というのがたまたま勝ち動画として広まっているだけなのかもしれないが。

 以前はゲーセンに通ってやっていたので交流があって情報交換が盛んだったが、交換はもとから等価以下で民度が下がるとガセネタを検証する手間まで増える。それでもそういう人でも人格で、人を相手に優り勝ったと思うことがゲームの動機や旨味であったことを振り返ると、ただ論理性とか研究とか言ってフレーム本を読みながら家で研究するって既に意固地の変人趣味だとは思うが、それがますます負けられなくなる悪循環。

 ふと、今くらいでも良いし、何か建設的に進めることばかりではなく戻るとまでは言わないものの振り返ることの方が得るものあるかなと思って今日の記事をまとめました。


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