今日のSFCストIIターボ(ベガと春麗でクリア)

 下馬評通りに最強のリュウで勝てるのは当然の感はあるかと思うが、リュウストIIではザンギエフと最下位を競うほどのキャラだったので、ストII時代の研究がターボで花開いた感じ。

 そしてストIIダッシュで最強だったベガのダブルニープレスハメがメチャメチャ気持ちよくて、ハメ倒してベガでダッシュを勝ち倒していた俺はダブルニーハメの出来なくなったターボベガでどう攻めればいいかわからず、ストIIXくらいで大阪のゲーセンRino(リノ)に集うやり込み集団と関わるまで、ほぼほぼ国技館'93から知識が変わっていなかった。

 今でこそコンボ重視のプレイにやや批判的になり、大局観とかゲーム理論とか言っているが、ストIIの初期のやり込みはコンボ以外に何も論理的に説明できず、ほぼほぼカジノ理論モンテカルロ法と同じでデタラメに打ち、勝った手を覚える。それでもモンテカルロ法と名付けられている通り、ゲーム理論としてはデタラメに打って勝った手を覚えるというのは基本的な研究方法ではあるのだが、勝っている側がわざと下手に打って「取らせている」ポイントを学習してしまって、相手の注文通りに操られるということも起こりうる。

 リュウ・ガイル・ダルシム等はターボでもかなり遊んだが、ベガや春麗は弱くなって勝てなくなったまま、またストIIXでベガの「めくり四段」や春麗の「歩き千裂脚」などの強い技を家でももっとやりたいやりたいとストIIXの完全移植を待ち望んだ。

 だが、俺がストIIの頃にしていたことは十分にクリアできる上で余裕を持った遊びの面白さで、ターボなんかはそのストIIで付いた癖を変わってしまったプログラムにからかわれているようなものであった。例えばパチスロ屋で特定の演出が出て大勝ちの味を覚え、台が入れ替わったのに続編にどんどん偽の演出でメダルを飲まれるようなものである。

 ターボのベガはターボのベガ。ダッシュのベガでもXのベガでもない。思うに、新しいゲームに強い奴は柔らかいのだ。似ているというか、絵や挙動がほぼほぼ同じなのに騙されて得失点差をちゃんと考え直せていない元の形通りの操作をしているからダメだったと分析する。

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 ベガはブランカに1度負けワンコんてぃにゅーでクリア。サイコハメもダブルニーハメも無くなったが、待っている相手をダブルニープレス先端で削り、中足払いにつなぐ。相手が押してきたら、画面の反対側に行けるような隙間で大サイコクラッシューで3段削る。飛び道具は垂直ジャンプで避けるか、ヘッドプレスで返す。それらはストIIダッシュでもダブルニーハメを昇竜拳で返せるリュウケン等には考えられた技だったが、返しが博打昇竜でもハメ2回で4回削るので、力技で勝てたので、思考停止していた部分は否定できない。

 ダブルニー先端では1回しか削れないが、それを警戒すると相手も迂闊には進めないので、睨み合いの展開となる。ストIIXのベガの上手い人でもめくり4段などは華やかだが、それだけ真似したいと思っても、そもそもどうやってめくりを狙うダウンを取っているかと考えると、基本の試合運びが実は細かいやり込みの応酬で、なかなかダメージを食らわないから強い。

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 そして春麗ブランカサガットに1回ずつ負けて2コンティニューでクリア。スピードキャラとして存在した春麗は飛び込みと歩き投げに速い足技が武器であったが、ターボでは威力がメチャクチャ小さくなった。

 良くなった点は、飛び道具「気功拳」が付いて、この飛び道具は飛び込みコンボには組み込めないが、キャンセルなどで打つのではなく、相手が待つと踏んだらおもむろに打って削ったり追いかけて攻めることができる。相手の弾を相殺も出来るので、波動昇竜の昇竜こそ無いものの、弾を起点に考え直すことで、また別のゲームとしてひとり用から遊んでいる。

 負けたブランカは弾を飛ばれて、通常技対空できない、たまにジャンプ大パンチから歩いて噛みつきの投げハメに来るなど、ゲーセン対戦でなくても擬似的に対戦を楽しむ意味で充分な相手だと言えそうだ。

 サガットは大タイガーアッパーカットで体力を3割以上持って行く。弾で戦う以上は弾の速いサガットとマトモに打ち合いすると負けるわけだが、そこはコンピュータも少し弱点を持って作られているので、五分に近い勝負となった。

 今日の発見は小気功拳をバイソンが飛び越した時に大キックの回し蹴りで対空すると、返して相手が着地する前に気功拳の弾速が遅く相手の後ろに無意味に残って次が打てないのだが、大キックの後に歩いて下がると弾が消えて、消える瞬間に次の小気功拳を放つと、ちょうどそれをバイソンが飛び越しても大キックが間に合うというもの。

 ターボ春麗でそういう細かいやり込みをしたら、またゲームの見え方も変わるかもだが、巷のダイヤグラムで最下位近くに春麗とベガがいることにもある程度合意できた。ただ、俺はストIIXでは自分より上手と思う相手にはダルシムを出し、互角に思う相手にはガイルを出し、勝っていると思ったらケンを出すという風に、キャラ差とハンデを分かった上で、相手とちょうど楽しめるように遊んでいた。そしてシラけてやめたタイミングのひとつに、上手と思っていた相手に強キャラで来られた時で、そこは自分もダルシムでガチ応戦でしょ!とはならずに、目指していたものをひとつ失った感じがしたから。あとケンで勝てた相手に自分からガイルを出した時に、後進に追い抜かれた感じがして「引退」みたいなカッコつけを言い出した。

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 コンティニュースコアはスコアではないというのはゲーセン雑誌ゲーメストのルールであったが、世の中の99%の人は多分コンティニュースコアでもスコア。ストIIターボ70万点とボウリング100点くらいで似たり寄ったりではないだろうか。100万点超えとかになってくると、ボウリング300点みたいなパーフェクトゲームだが、まあ得点形式がちょっと違うので101万を目指して何か技はないかと掘り下げるような遊び方をする人もいる。

 まあ、対戦に明け暮れたこともあるが、そうなる以前に家でセガサターンで毎日遊んだり、誰もいないゲーセンでひとりで延々遊ぶことも多かった。家庭や学校の事情をもっと早く解決出来ていれば、家でスーファミでやっても同じことだったかもだが、当時は出来ない事情はあって、もつれやこじれが無関係の「仕事」にのめり込む動機で、その仕事での給料の使い道がまたゲーセンゲームであった。このエンジン。やる気という燃料の無駄というかエントロピィ増大だったと思う。

 膨れたところで、中で漕いでいた俺が廃人になっていたのだ。時を戻してスーファミで家で遊んでいても同じことだったかもなと暮らしていると、少しずつ疲労が取れてエネルギーが貯まってくる。


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