電気の無駄遣い

 部屋のストーブの灯油が切れたとき、秋に新調したエアコンを暖房で付けてみたが全く効かなかった。よく電気エアコンは灯油に比べ電気代が割高などというが、冬の寒さをどうにかする熱量がそもそも無いのだろう、壊れると勿体ないと思って止めて灯油を入れた。ただ、まあもっぱら夏の暑さ対策に来年以降のために付けたが、春と秋の季節の変わり目にちょっと肌寒いとき上着を羽織ったり何に利する感覚で「ちょい暖房」としてはイケてる。

 そしてもうひとつ、ガラクタ置き場にあった親父がゴルフでもらってきたか何かの7インチモニタと白黒カメラのセットを部屋の本棚にセットした。

 使い道がなかったが、親父が店に設置して、目と鼻の先でお客さんを監視して放っておいて遊ぶ、泥棒などしてくれたら捕まえに行くという親父の警察趣味の一環だったが、そんな事案はいちどもなく、次第に飽きてガラクタと化していた。

 その電波が2階の書斎というか俺の部屋パソコン部屋でもあり寝室でもあるのだがそこまで届き、店番を頼まれてもしていて誰も来ないで暇で居間でDSの遊戯王をしたり親父のパソコンにこのブログの環境を引っ越して暇をつぶそうと試みたが、暇が勝った。

 しかし、暇なので引きこもっている2階の書斎で店が監視できるなら、まあ店を開けて部屋にいるのは親父としては反対のようだが、親父も店を開けて放っておくことはあるし、居間なら音ですぐ分かるので、2階で監視して人に気づいたら降りられるというのは便利かなと思った。

 付けてみて、監視するには目が疲れるし店番同様暇なので、すぐに辞めたのだが、俺の暇に気づき親父が店を開けて金魚の世話などしていると人が映り、使用感としては実用性というより

「人が映ると面白い!」

であった。

 世の監視カメラ、警備員でも内勤のほとんどの人の感覚はそうである気がした。

 親父は「店を開けてくれ」と言ったわけではないがしばらく勝手に手伝っていて、そして飽きてやめると親父の方ももう店を開けずに居間で帳簿などの仕事をしていたのだが、俺が2階でモニタを付けていると店を開けてうちらで帳簿して、降りて店番でも手伝うかとすると店を閉めてクルマで出て行った。

 まあ、そのくらいでも親父が元気なうちは回るのだろう。楽観視だ。俺の趣味のパソコンとてテレビゲーム好きから高じたものであり、人の役に立てようと画策したこともあったが、総じてほとんどは電気の無駄のようにも思える。

 ただ、俺の仕事に価値が認めてもらえるなら、モニタとカメラの電気代だけで店番が回るなら、パソコンで副業を企てるよりは前に向いているのかもしれない。ネット店舗と実店舗とブログの広告とプログラミングの副業みたいに暇なく回ればどうかな。


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