スーパーで買い物するのスコア稼ぎみたいで楽しい

 ゲームの話から入るとハドソン社のファミコンソフト「スターソルジャー」の点数稼ぎでは高橋名人の秒間16連射が当時有名で、十字キーとショットボタン(ABボタン)のうち、ショットボタンを連射することくらいしかシューティングゲームは言葉にされていなかった。

 実際には、葉がひらひら舞うように降りてくる敵を左右の切り替えしポイントで左右が減速して縦移動になるところを狙って打つところから、2発で倒せる敵が1発受けると画面後方に逃げるので、画面下部まで引き付けて2連射で倒すとか、そもそもステージの長さは一定だけど、敵は画面中に同種が全滅すると次の種が出てくるので出現地点を覚えこんで画面に出るところをどんどん潰せば早回しで1ステージ中に多くの敵を倒せるなど、スコアを稼ぐことに関して多くのテクニックがあった。

 だが、俺の小学校の頃の理解は出てきた敵を目で追って狙って撃ってラザロと言う人面型の敵を合体前に倒すとか、目玉の敵を左右同時に斜めショットで倒すとかすると8万点ボーナスが入るので、それを取り逃さないようにして後は運という感じだった。正直下手だったが、それは全国レベルで参加者の下の方という感じで、そもそも同級生レベルで同じゲームを遊んでいる子の中ではそれでも点の高いほうだった。

 スコア業界でしつこく続けていると、色々なゲームで全国1位が見えてきて、同じゲームで同じスコアまで行くようになる。しかし、長期間の耐久になるものや密度が高く腕の出やすいものでは敵わないものも多い。1時間くらい遊べるアーケードゲームをワンコインで負けないように最後まで遊んでそれを繰り返すとマイナなゲームで店舗1位から全国1位を狙えるようになる。今ではネットがあるので、もっと上とのゲーム時間の差などが顕著に分かり、全国1位が同点で壁でもその壁を色々のゲームで並べているゲーマーがいて、マイナなゲームを遊び続けている間に他のゲームで稼いだ点とどんどん点差が開いてゆく。それでもグループではXBOXゲーマースコア1万点レベルの人がそんな感じで、1ゲーム400点位取れればまあゲーマーで、俺はそのレベルで数本やりこんでひとつのゲームのファンよりやや高い700点くらいという位置づけ。

 スコアが競ってくると差の出るポイントが明確化してきて、最初の方はプレイ中の運やムラに思えた500点とか100点の敵をどれだけ漏らさず取れるかという勝負になり、1ステージ1分ほど見るだけでも明確にスコアの高いプレイとは差別化される。

 そう思ってスーパーに昼飯を買いに行くと、今日は「ほっけの開き」が198円で売られており、いくら会社からボーナスが出るとかでないとかラザロを狙うようなことをしていても、居酒屋さんでコレを980円で食っていたら負けるだろうと思ってカゴに投入した。

 今日の買い物はニンニクの味噌漬けと玉ねぎの天ぷらとシャケ弁ふたつとほっけの開きと菓子パン5種で1715円。パンは朝食3日分以上あって、天ぷらとニンニクは分けて食うので今日食うのはシャケ弁とほっけだけ。

 魚というのが俺の中で新戦力で、子供の頃は小学校で習ったように主食はコメでおかずはご飯の進む塩辛いもの砂糖醤油の甘辛いものという理解だった。大人になってから中学校の復讐をしてタンパク質を重視して、コメよりもおかずに納豆とか卵とか、安くてタンパク質が取れる食品を選ぶようになる。ここで「おいしい」は置き忘れる。

 ふいに東京までMTGの遠征に行ったとき向こうで宿を貸してくれた年の近いカズネちゃん(おかま)が岩手の出身らしく冷凍庫に魚の切り身を入れていて、そのままラップして電子レンジで4分くらいチンして骨を箸でよけながらしょうゆをぶっかけてご飯のおかずにしていたのを思い出した。

 そう、たんぱくというと肉と卵と納豆などをイメージしてきたけど、魚をどう食らうかって問題で切り身で買ってラップしてチンするのは安くて楽そうで美味しいかもなと思った。肉系の揚げ物のおかずばかりでは胸が悪くなるが、魚ならたくさん食える。

 そういうわけで、今日はほっけの開き(調理済み)をチンしてシャケ弁と一緒に食った。親父にも「食うか?」と聞くと「ワシはいらん」と言ったものの、俺が食うのを物欲しそうに見ていた。


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