アクションパズル・コンプレックスの解消

 朝からインベーダーもどきVBゲームに手を加えた。描画から音周りに自機の移動や敵周りを作って放置していたが「ゲームとして何か面白くない」と思っていた。

 それは俺が歳をとる間に昔のゲームが新しいゲームと比較的に古びてつまらなく感じているとか、飽きているからだろうと思っていたが、オリジナルのタイトーのインベーダーにも多くの亜種があり、それらをSNSで見せてもらっている間にインベーダーには特有の面白さがあることが分かった。

 隊列を撃つだけのゲームだが、前に迫り出してくる宇宙人にプレッシャーを感じることが的当てや弾避けにスリルを増していて、ここらへんの敵ロジックは簡単なようで自分で作ると10分程度頭を悩まし、結局30行ほどプログラムが増えたところでテストプレイをすると格段に面白かった。

 ここらへんは中学の同級生Y君が小学校卒業までにファミコンソロモンの鍵を解いたと自慢していて、ウチは親父の仕事でファミコンを店で売っていたのだが、ソロモンの鍵は遊んでいる途中で「お客さんが欲しいって言ってるから」と取り上げられたもののひとつだった。「どうせあんまり遊んでないでしょ」というのだ。

 Y君のお父さんはウチの親父のお客さんだったので、多分それは運命なんだと思う。俺は小学校の低学年でゼビウスにハマりグラディウスを買ってもらい、自分の好きなゲームはシューティングという自我を持って高学年は中学受験で塾だった。

 その間にもファミコンで遊んでいたY君が高学年でソロモンの鍵を解けるようになったのは好みや得意分野の違いから今なら納得だが、シューティングやアクションという運動系ではなくパズル系のソロモンの鍵バベルの塔を解ける方が中学以降ではステータスだと思っていた。まあ俺はストIIにハマっていたが、負い目や引け目はあった。

 他には卒業後に電話で話しているとき「ウチ親がアホやから」と切り出したことがあって遺伝やら何やらの話になってY君は「俺は脳に遺伝ってあると思うな。ウチ親が賢かったから」という。自営業の三代目とお役所勤めの公務員の子供対決である。ちなみに俺は公務員と呼ばれることは珍しいが情報処理技術者でY君は薬剤師になった。

 それがインベーダーのアルゴリズムをより深く理解できた時に親まで引き合いに出した「頭の良さ」みたいなコンプレックスはふっと軽くなり、今もういちどソロモンの鍵をと思ったのだ。何とそのソロモンの鍵のカセットは高校卒業の時にY君からサインペンで名前を書いたまま俺に再び渡されて今は俺の家にある。

 あとはファミコンをつないで、と思ったがふと思い出して物置をガサゴソすると

 あった!いつ買ったのかも覚えていないゲームボーイ版のソロモンズ倶楽部!

 ちゃんと電源入れたら動いたよ。

 ファミコン版とは仕様がちょっと違うけど、レベルを適当に選んで難しいほうに進んでもすいすい解ける。まあ、全面解いてやろうとすると難問も控えているかもだが。

 俺とY君は男同士で学校も男子校だったから競争心で勝った負けたを気にしたが、俺はどうやら女性に何かで負けることがへっちゃらな振りをして、実はそれが姉や母に押し込まれた自我の牢獄のようなもので、女に知恵で勝つところまで行かないと結婚して尻に敷かれるというか親からの相続や自分で働いて貯めた金を分捕られるんじゃないかみたいな恐怖感もあったのだが、最近は母や姉と距離を置いて畏れも無くなってきた。

 突然登場人物を増やすと話から気が逸れるかもだが、俺は自分より学歴が上の女性とクイズマジックアカデミーで勝負になり、俺はDS版を買ったのだが相手は「それをされると私の負けで良いわよ」と言ってきた。「他の面白いの何か教えて」とシムシティとかどう?と安易に言ってしまったが、本当にゲームを知らないというのはゼビウスグラディウスドラクエも何にもしないからクイズゲームくらいしかルールが分からなかったからそれで対決しただけで、それでシムシティはハマるのか疑問だったけど、政治家を目指していることは知っていたから良いと思ったんだよな。

 結局出会った頃は高学歴だけどもてないさんで何故か俺とクイズしてたけど、俺の見る限り他のモテる女性は本屋で小説とか買うんじゃなくてファッション誌とか買って頑張ってるみたいですよという話をして、どんどん美人でオシャレに化けて行って結局その人は妊娠して連絡も取らなくなったけど、そこは同じくらい高学歴の人を射止めたのか俺より悪い男とひっついたのか、想像の余地を残したままのお別れとなった。

 実はQMAシムシティもまだ未開封新品で記念に部屋に置いてある。その話はそこまでで置いておいて、Y君は格闘ゲームストIIより龍虎の拳2と豪血寺一族が好きだったよなと時々思い出すのである。しかし人の趣味まで手を伸ばして独占欲を満たすのもどうかなとは思う。

 ミスチルTomorrow never knowsでは「無邪気に人を裏切れるほど何もかもを欲しがっていた」と歌うが、名もなき詩では「知らぬ間に築いてた自分らしさの檻の中でもがいてんなら誰だってそう僕だってそうなんだ」と歌う。

 一緒に年を重ねてきたものに包まれて暮らす平凡な幸せは今でも自分にあると思う。

 まあ、35歳定年説のささやかれるIT業界で45歳になっちゃって若い人(20代)優秀過ぎて嫌になるとか思うこともあるけど、反対に自分は18歳でいちど落第しているわけで後輩君がその学年でトップクラスのエリートだとすると人の年の功なんてのは知れていて、勉強に打ち込んだ量がゆるゆるとでも続けた俺でもギリギリ戦力にはなっていて、若くして功を成している人がそれ相応の努力をしていて、努力というのは俺の解釈では相応に時間割を多くすることで遊びの我慢もしていて、それが高給取りで35歳まで働くと相応にカネが貯まってそれからそのカネを武器にしたいことをするのであって高給が目当てのIT業界選択とゲームとか好きでIT業界に騙されてんのではやっぱり色々と違うのかなと思って、まあソロモンの鍵とか知らなくても生きて行けるとは思うけど、クイズの一問に昇華されると「案外知らなかったでしょ」って感じ。


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