土地18.4615枚も試してみるか・・・

 お詫びをすると先の記事でカード15枚引いたら土地6でそこで山が1.8というのが気に食わない、2になるように山6枚が良いのではないか、というのがあって、近所のオモチャ屋のおばちゃんも「アンタ計算が合わん」とよく言う。それがムカつく。

 だが計算が合えば勝てるのか、合わないから勝てないのではないか、という観点に夏と、何の計算が合えば勝つのかというと山1.8枚と言っても実際には1枚か2枚か時に3枚、4枚、5枚引いてしまう事があり、白赤二色を基調とした他色で、先に平地を引きたく、それで平地及び白が出る土地が10枚あれば大丈夫な計算だが、それでも先に山を引いたら、それで白単色の方が良いかも、というような時がある。計算しても、デッキの山札を最初に繰るわけで、計算して繰るのを麻雀用語で積み込みと言い、リフルシャッフルや6枚カットに8枚カットなどMTGには「事故らない繰り方」も大事で、雑誌に紹介されている著名人が事故で負けることもあり、事故した時に宣言で手札を1枚減らして配りなおす「マリガン」を宣言して、繰り返すと「ダブルマリガン」で手札は二枚減る。そうしても良い初手にならず、それで負けたことをコラムの題にしているライターもいるくらいである。

 俺は計算を述べているので、読者としてはそれがキリの良い数字にならない事が気持ち悪い人がいることも理解できるし、それに俺も面倒だから端折っているが考えていることがある。

 まず、6マナのドラゴンを出せば必ず勝てるという所を出発点とするならば、計算しなおして土地は16枚ではなく18.4615枚にした方が6ターン目の13枚に土地6枚になる。しかし実際には18枚にするか19枚にしなくてはならない。

 反対に白ウィニーから出発する写真のデッキには緑のサイクリングランドと予言が入っており、サイクリングランドを回すか予言をドラゴンより先で土地が6枚までの時に引き当てたら、それで丁度山2枚になるのがひとつの辻褄ではあるが、だからとってそれがより良いのかというと、サイクリングランドや予言がデッキの底に埋まる確率も持ちロなるわけで、期待感が強く頼りにすると反対に上手く行かない時が出てくる。

 そんなわけでもっかい写真を出しておく。ミラージュテンペストの緑五色の頃から俺のデッキは強いけど良くわからん、と言われていた。「なんでなん?」と詰め寄る人もいた。藤田剛史や有田隆平だ。今にして思うと、反論を聞きたかったのだと思う。腑に落ちないので詰め寄って、聞いてやろうとしたのだろう。しかし口頭では彼らが混乱するばかりで、結局みんな言いがかった理論を正しいとして押し通して、負けた。

 結局、それから長い時間をかけて雑誌でひとつづつテクニックとして紹介されるうちに、MTG界隈の常識となったのがカードアドバンテージ(手札の枚数得)やマナカーブ(山札の土地と呪文の割合と配分)などが前提となって、ようやくそれにカード固有のルールを足して、特に先の記事は山1.8枚が引っかかったのは分かるが、マナカーブという確率論と積算の掛け合わせと、カード個々の強さを比較するコスト対効果、費用対効果、コスパ、お買い得度というところを掛け合わせたところに強いデッキの構築理論があることを上手く書けたと思っている。

 コスパの例を挙げると、1マナ1/1バンディングのベナリアの勇士と3マナ2/2のスケイズゾンビに1マナ2/1のサバンナライオンや1マナ2/2レジェンドの勇丸などを見比べてみたら分かると思う。勇丸は1マナにして3マナのスケイズゾンビと同じパワータフネスだし、同じ1マナ同士で見てもベナリアの勇士より強そうである。まあバンディング無いけどな。

 そしてカードアドバンにはネクラタルとエルフの射手と恐怖が例に出される。ネクラタルは黒の4マナでエルフの射手と恐怖を足したようなカードで、その分元々の緑のエルフの射手も黒の恐怖も2マナである。4マナで2マナのカード2枚分の働きをするのだ。これが4マナ2/1と割高感に見えるのに強い理由で、そして青の「予言」はカードを2枚引くが、1枚では引く以外に効果は無く、引いた2枚が40枚デッキ24枚呪文16枚土地ならスペル1.2枚という事になり、後続で呪文を唱えるマナもかかることを併せて考えると、純増2枚はネクラタルより弱いかもだ。ここ次の修正ポイントだ。ただ、スペル1.2枚でも3ターン目に予言して6ターン目以降にドラゴンでまくるケースなら、土地も引いて嬉しいこととなる。

 まあ、後は俺の悩みとしてゲーム中に「やりたいこと」を消化してゆくことだと思う。勝率とか以前にデュエル中に望んだシチュエーションが実際に戦場で展開できた時の喜びはひとしおで、望まぬ形で勝率の高いデッキを組んでゲームに勝ったとして、それが賞金大会の決勝であるならいざ知らず、普段は赤単で焼き切ったとして嬉しくもなんともないのである。もちろん実験初期には嬉しかったが、今更だ。

 さあ、夜はまだ長いし土地18枚も繰って試そうか。それならボガーダンの槌ふたたび採用というのもあり得るからな。そうなると白ウィニーのダブルマナシンボルが邪魔ものだろう。そう、土地16でマナ出る騎士とラノワールの幻想家で6マナ域までにマナの出るカード2枚を含めて土地とマナクリで合計18枚というのならやっていた。

 ただラノワールの幻想家が出る3マナ以前に2マナで突っ張るという経験がその勝利の方程式を崩してしまったのだ。その辺が本当に事故なのか、避けようとしたら配分で避けられる問題なのかというと、ダブルマリガンの例からMTGで事故は避けられないというのがまたほぼ事故らず事故った相手にもほぼ勝つ白ウィニー戦略の出発点だったりするのだ。

 この多くの入れ子の概念で堂々巡りとなりがちな関係を読み解き、そして整理して自分で腑に落ちるまで、まだもう少しかかると思う。山1.8枚みたいな気持ち悪さも何らか解消できるならそうしたい。


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