ITバブルってもう弾けたんだってね

欅坂46の「語るなら未来を」歌詞中に「アスファルトの上広がったただの黒いシミ」というフレーズがあって、まあ歌詞の解釈なんてものは人それぞれだと前置きして。

音で聞いた時には「ただの黒い石に」と聞こえたんですが、まあ何の暗喩かというと「コンピュータ業界ってどうしてそんなに景気が良いの?」という漠然とした問にソフトウェア系の技術者として色々の答えを自分なりに考えていたんです。「プログラマーって言うけど、パソコンでプログラムなんて組むのただちゃうんか?なんで儲かんねん?」「儲かってるんじゃなくて会社員だから給料が支払われているだけで、お客さんが会社のものを買ってくれているからですよ」「んー、なんかハッキリせんなあ」という感じのやり取りを色々の人と何度もしました。「たとえばゲームソフトってファミコンだと100万本売れるじゃないですか」「1本5000円で100万本売れたら50億円ですよね」「だからプログラマーのもらってる給料ってそれを考えたら微小で安いもんだと思うんです」「せやけどお前らの給料はワシらと比べてずっと高いんちゃうんけ?」「それ相応の仕事をしてるんですよ」「座ってパソコンに打ち込んどるだけで?」「打ち込む内容に価値が認められているんですよ」とかね。

しかし、ソフトウェア工学と経済学だけで解決しなかったこの問題に俺はある日ひとつの糸口を見つけたんですよ。半導体とかシリコンバレーって言葉はコンピュータに関心があったら誰でも聞いたことあると思うんですよね。んで何となく高いから貴重なもののイメージが当時はあったんですよ。貴金属的な。だけど、水兵リーベボクの船なーに間があるシップのシ!シップのシがシリコンすなわちケイ素なんですよ。

つまり、半導体の正体は希少元素でなく周期表の上の方にあるケイ素で加工したものがメチャメチャ高く売れていて、まあ隠語で「石」とかいう人もいるんですけど、身近なもので言うと道路のアスファルトに敷かれている石ころと同じような元素なんですよ。

んでその石自体に価値があるわけでなく、刻み込まれたソフトの値段が石の価値を押し上げていて、それがつまりソフトウェア技術者のお給料であったりハードウェアの原価だったりするわけなんですけど、ハードウェアの原価は工場の内部利益で見るともっともっと安く出来るものなんですよね。だからハードを安く作ってソフトウェアを薄利多売の形で同じものをコピーで普及させるとコンピュータってめっちゃ安くなる。

これ、ある日に勉強しててはっと気付いて、あっという間にという体感なんですけど時間にすると5年くらいで忙しさが解消されてノートパソコンが安くなったんですよね。プレステはまだちょっと考えるくらい高く感じますけど。

もう失った過去なんて語るな。ほんの一部でしか無いんだ。

今だから言えることは語るな。墓の中まで持っていけ。

色々と欅坂の歌を聴いていると脅されているような感覚になるんですけど、語るなら未来を。語るなら予言を。今後はコンピュータの利用はOSと汎用ソフトだけで済ませる人が例えば大学ノートを買って文字だけ書く人のためのノートのような価値になって、それ以外の利用法として芸術的な利用法として無地のキャンバスとしての半導体の市販価格は下がっても、完成品の版数が減ると薄利多売だった値段が煮詰まりまくって、誰も買えない高いものとしてのコンピュータシステムと凄まじい格差を生む気がします。

アイフォン、スマートフォンタブレットの登場でパソコン自体が全時代的と言うか一部の人しか使わないものになりましたが、それでも価格の下落が続いているのは一定量生産されて売れているから、そこの値段はボトルネックにはなっていない事に安心しています。ソフトをどこに発注すれば良いかとか、もっというと何をどういう風に使うものなのかという想像力の範囲から人を選ぶものになっていくのか、それともそれら全てをアップルやグーグルがキャッチして一般化させてしまうか。

売るか隠すかの勝負が続いていくこと自体は変わらないのかなと思います。