サブキャラ禁止令


某ゲーセン店長から「もうサブキャラは取っちゃダメ」と。出入り禁止までは行かないが「誰かがキャラに文句を言ったらキャラを変えて遊んだりせず、そのまま帰ってやって欲しい」というのが主旨。向こうも商売なので上客のご不満は見逃すわけにもいかないわけだ。俺も客の1人ではあるけれど、以前ほどカネ払いが良いわけでもない。


ストリートファイターは人気のあった頃に「人生を変えた」とまで言う人が出るゲームだった。それはゲーム人気以外にも通信対戦と言う、1人で遊ぶのが当たり前だったゲームセンターに見ず知らずの人とも2人で遊べる台の登場で、家族や学校や職場では決して関わらない人間関係の形成が人生を変えるに至ったのであって、ひとりでストリートファイターをやりこんで人生が変わったわけでもなかろう。


俺の場合も近所に駄菓子屋も無く中学から私学なので小学校時代からの親友とかいないんだけど、ストリートファイターのあるゲーセンに近所の子供が寄ってきていて、俺が中学生くらいのこと小学校高学年から高校生くらいまでの幅の近所の友達が出来た。近所と言っても隣の校区から自転車で来る子もいてけっこう幅広い。その付き合いは今でも続いているものもある。


そういう付き合いは名前など知らなくてもキャラで「あの春麗の人だ」となるものだ。いくらやりこんで全部のキャラを使えても、小学生にも「あの春麗の人」になったほうが分かりやすいと言う見方もある。マジックギャザリングを始めた頃に「全米チャンピオンのマーク・ジャスティスって赤緑使いなの?」と相方O君に聞いて「そんな小学生みたいなこと言わないでよ。世界レベルは新しいカードが出るたび強い色に変えるのが当たり前やで」と言われたのを思い出す。俺だってそうだったじゃないか。負けたら文句のひとつも出たではないか。


俺は田舎で独りゲームをやり込みすぎて地元に対戦相手に敵うヤツがおらず、大阪や京都までゲームをするためだけに出かけていた時期があった。そのころ知り合った韓国チャンプとは話をしないで黙々と対戦するのが流儀で(そもそも言葉があんまり通じないので文句の言い合いになりようがない)だまってやりこむ癖がついた。


それが、その韓国チャンプが日本語を練習して最初に言ったことは「君も負けたら言い訳のひとつでもして下がったほうが良い。そうしないと日本人じゃなく見えてしまうよ」という筋の話であった。


俺はちょっと対戦格闘ゲームに何もかも賭けすぎていたのかもしれない。
(しかし写真はぜんまいざむらい


ちょっと追記。


サブキャラ禁止の話だった。そう、ブロッキングのロック・ロレントバイスで遊びたいなと思っていたんだけれど、それでレシオ1のバイスで3人抜きとかしてしまうと、相手に取りつく島も無い状況になるだろうと言う話。このへんは何度か議論されていて、鉄拳5の時も吉光みたいなギャグキャラなら誰も文句を言わないだろうと家で鉄拳王までやりこんでゲームセンターに行くと何と「ヨシミツ強すぎる」と言われて、鉄拳6では吉光の技がほとんど入れ替わった。「もう、そういうこと言われるの分かり切ってるからデビルジンでも取っておけばいいんですよ」という話もあった。


それから、ゲーセン店長の話を書いたら「どうせ俺のことだろう」と違う店長からメールをもらった。「バイスでも1人で1人用全部クリア出来るんだったらみんなメインキャラと認めてもいいよ」との話。つまり、みんなキャラに文句は言うものの、サブキャラ(=舐められてる)に負けるのはもっと辛いという話の筋なんだなと。


俺としては、誰に勝ったより、色々のキャラで遊んでゲームの全体像を知りたい。


関西でも特に大阪梅田モンテカルロというゲームセンターは家賃の高そうな大阪の繁華街の中で1回50円という設定もあって、店にくる人がとにかくみんな強い。腕前も使うキャラも勝ちにきている感じだ。東京も新宿モアという店が今もあるのか知らないけど、そんな感じらしい。そこだとカプコン VS SNK 2じゃみんなブランカサガットヤマザキあたりから2つ取ってから自分の色を出すのに1人だけ色気を出す感じだ。ZERO3ならほとんどオリコン豪鬼ばかり。


これが大阪日本橋アビオンだと東京で言う秋葉原セガのように変なキャラで強い人と買い物帰りのお釣りでジャラジャラやる人が多い感じだ。格闘ゲームでも女の子のキャラとか多い。それでも電気街に近いだけあってキャラが弱くても詳しい(ゲームの仕様とか)人が多くて、同じゲームでも色々のシーンが見れる感じ。大阪ではいちばん良く行く店だけど1回100円。


アビオンで対戦を連勝するのは以前はよくやったけど、要するにお金持ちの年長さんにお金を借りてゲームしてる感覚に近く(対戦は負けたほうが払うので)かといってモンテでバリバリやりたいかと言うとそれもキツく(ガイルを真剣に2時間もやると左肩がパンパンになって肘や奥歯まで痛くなる)アビオンで1人用でハイスコアでもやるのが気楽という感じ。


まあ、ゲーセン自体最近行くことも少ないのですが、ブロッキングのロック・バイス・ロレントは失礼の無いレベルまでやりこんでから持って行きます。ブロッキングの京・テリー・リョウは家対戦で奈良のマイナーとはいえ強いプレイヤーに勝っているので、何を目指すでも無く「やってみたかったことは全部やった」状態になって充分満足したんですよ。


さらに追記。


ここまでよく読んだな。まずはご苦労様です。「ブランカサガットといったリーチが長くて威力も体力もあるキャラとバイスのようにリーチも無くて威力の低いキャラで差があることくらいは、そんなに何年もやりこまなくても分かる」という反論なんですかね、これは。いただきました。


そして、制作元のカプコンの株を俺は買ったのですが(少額投資です)、ストリートファイターIIを作った西谷さんというプログラマーも絵を書いたAKIMAN先生も既にカプコンを退社し別会社でゲームを作っています。それでも、テトリスとかなんたらゲイナーよりはモンハンのほうが好みに近いのかなと。その意思を残りのスタッフが継いでやってるのは買ってみようと。


そして「知りたいわけではないが分からないのはリーチや威力に差があるのに勝てるのは何故か」という部分で、これはマニアックすぎて痛いのを承知で書くと足払い戦というストII理論と人間の反射神経の限界という胡散臭いスポーツニュースの話になります。


まず、反射神経の限界をテレビのドキュメンタリーをソースとして書くとオリンピックの100m走で合図から0.13秒以内にスタートするとフライング扱いになるというルールがあるそうです。その速さは見切り発車であり、合図を受けてからでは間に合わないと言う論理だそうです。その時間は一般サンプルで実験済みという話です。


次に、ストリートファイターをはじめテレビゲームはテレビの映像機器にコンピュータをつないで遊べるもので、テレビの映像はひとコマ1/60秒という信号切替で動いています。そのためゲームの絵が切り替わる最小単位も1/60秒で、これをフレームと呼びます。


ストリートファイターの技はボタンを押してから3フレームくらいで出るもの(しゃがみパンチなど)から遅いものでも15フレームくらいです。これを秒に直すと面倒なので反射神経のほうをフレームに換算すると8フレームくらいです。だから、9フレームで出る足払いを見てから3フレームのしゃがみパンチを当てるには差し引き6フレームの反射神経が必要で、これはオリンピックの選手でもフライングと見なされる、出来たとしても見切り発射と見なします。


これをもう一歩進めて、自分のほうがリーチが短くとも、相手のリーチギリギリ届かない所に立ってから、歩いて自分のリーチまで歩き、すぐにボタンを押した場合に、リーチの長いほうの相手が踏み込みを見切ってボタンを押せるかと言うと、大抵間に合わないものなのです。そのため、リーチの長いほうは踏み込まれないよう少しずつ引いて距離を保ちながら戦い、リーチの短いほうは自分の技が届くまで踏み込んで、下がれない画面端まで追い込もうとします。この距離の取り合いの精密さやタイミングを相手の呼吸に合わせることが足払い戦と呼ばれます。足払いを出し合うのでそう言いますが、極まってくると、どちらも技を出さず歩いての距離の取り合いだけになっていきます。


また、時々しか遊ばないのに毎日のようにやっているプロプレイヤに勝てるのは何故かというのも時々聞かれます。これは、プロレベルでも闇雲にやって勝負勘を磨いているだけで、理路整然と戦略を立てることができない人が多いと言わざるを得ません。プロが存在すると言っても元はたかだか100円のバクチですから、俺のように突き詰めようとするほうが変人なのでしょう。そして、俺も戦略は立てますが、それを実践でミス無くこなす練習が足りているかと問われると、甘い部分もあり、理論を実践出来ずに負けることもしばしばあります。


また、オリンピックの走り出しは合図に集中出来ますが、ストリートファイターはいくつか技があって、歩いてきて足払いに長い足払いを合わせる、波動拳を繰り出してきたらジャンプで飛び越す、ジャンプしてきたらタイガーアッパーカットを合わせる、という3つのことをミス無くこなそうとすると、意識が分散して上手く行かなくなることがあるものです。相手が出す技を見抜くだけでなく、返し技として何を集中して狙っているかを見抜くと「あっ」となって受けてしまう、ということがプロレベルでも起こります。しかし、目には見えないことだし、脳波でも計りながらやってみないと確証は持てませんが、ただのジャンケンのような駆け引きとは少し違います。


そこまで考えましたが、結果としては後出しの返し技で全て制御しようとしても見切り発射の運否天賦に負けることもあるので、勝負は時の運と言ったほうが正しいだろうという結論に至っています。はじめての人からプロプレイヤまでの差は大きいですが、練習方法と知識面で恵まれていれば1年も経たずに初心者からプロレベルになります。テニスのプロとアマの差を考えれば、ゲームの競技レベルは低いと言えるでしょう。将棋のプロよりは麻雀のような運が絡むゲームにプロがいて、プロがアマチュアに運で負けることもあると言う世界に近いと考えています。


運が絡むと言うのは1回の勝ち負けであって、何度もやるとプロのほうが勝率は良いでしょう。分の良い賭け方の知識と、実践でミスをしない精密さは1年で埋まらない部分もあるかもしれません。大会など1回勝負ですから、優勝者は毎回代わり、運否天賦だろうと言うのが結論です。


結論づけると、つまらないですね。最近1人用しかやらないのは勝負にあんまり夢を見ないからです。


長くなったついでに追記。


俺が格闘ゲームのゲーセン対戦や大会出場をキッパリやめると決めた経緯。


ヴァンパイアハンターと言う相当に入れ込んだゲームがあって、全国遠征などもしたことがあり、プロとして有名なウメハラ氏(当時中学2年生)と初めて対戦したものこのゲーム。


このゲームで岡山に遠征した時に知り合ったメンツが現在東京在住で新宿で凌ぎを削っていると聞き、大阪に遊びにくるから対戦しようと誘われ、1ヶ月のリハビリで迎撃態勢を整えて大阪吹田で対戦。ゲーセンのスペースを借り切ってフリープレイで丸二日ほど対戦した。


こちらは色々のゲームの経験をフィードバックして新しい作戦を考えて臨み、対する岡山勢のレベルは遠征した当時にいちばん強かった人と同じくらいのレベルに全員なっていたという感じ。それ以上の細かい話は省略。


丸二日過ぎてみて、みんなキャラが強いキャラに乗り換えているので、俺の最強キャラと言われるパイロンを少し披露しようと出してみた。同じパイロンに乗り換えたと言う人に俺が今考えている、つまり「ぼくがかんがえたさいきょうのパイロン」を見てもらった。嬉しそうだった。


それから、また懲りずに大勢で大阪に来たそうだが、練習もする気も起きず二度目は行かなかった。


またしばらくして、東京の大会のビデオ配信を家で見た。そうすると東京の顔も知らないパイロンが俺の「ぼくのかんがえたさいきょうのパイロン」と全く同じ動きで、大阪でのビデオ撮りを断ったことを考えると、それを見せたパイロンの人が大会までに同じことをして、それをそいつがパクったなと即時に分かった。そして軽蔑した。せめて、その披露した相手のパイロンの人に優勝くらいはして欲しかった。


これはいくら関わっても無駄だなと思って、ヴァンパイアハンターは勿論、ストリートファイターZERO3もストリートファイターIII3rdも全くやらなくなった。


以上が俺がゲーセン対戦をしなくなった経緯。しかし暇なのでカプコン VS SNK 2は最近出してきてPS2で遊んでいる。WiiドラクエXは片付けた(月額課金制だがほとんどやらないので)蛇足ですが、筆の乗ったついでに。