最近打ち込めるものがない。
子供の頃からファミコンが好きでゲームプログラマーに憧れたけど、当時ゲームは「してはいけないもの」だったから小学校の自由研究でゼルダの伝説の地図を作ると書き直しをさせられた。卒業文集でも「ゲームプログラマーになりたい」はもちろん没だった。
そんなに成りたかったゲームプログラマーでもハードウェアの進化とともに今まさに作られんとしているものと子供の頃に作りたかったものは随分違うので合わない。
そんなことを悶々と考えながら、ふとあることを思い出した。
マジック・ザ・ギャザリングの大会で奈良のベンテンドウというおもちゃ屋に行った時に確か780円だった記憶があるけど、ウルトラマンのキングジョーやエレキングのソフビがゴミのように陳列されていた。それをほじくりだして「こんなんあるんやな!」思って喜ぶと店のおばちゃんが「ちょっと!そんなもんに値打ちあるの?やめてよ!」と言ってあたふたしだした。
ワケがわからない人に説明すると、恐らくだけどおばちゃんはネットオークションか何かでキングジョーにプレミア価格がついていて俺が転売ヤーかなにかだと想像して、取られる前に自分たちのものにしたいと売るのを躊躇ったんだと思う。
そして怒った俺は「俺が欲しいモノ見てるだけなんやけどな!値打ちがあるって780円の値打ちがあると思ってるから780円って札つけて並べてるのちゃうんか!」と怒鳴った。そうすると「ヒイィィィー」とおばちゃんはすくんだが、店のお兄ちゃんは冷静で「ミヤザワ君、そんなん好きなん?カタログあるで?」言って、カタログを見せてもらい「ドラクエのゴーレムが欲しい!」というと「ジョーシン行ってきいや。いっぱいあるで」言うので、そこでキングジョーのことはすっかり忘れていた。
ゲームプログラマーの仕事は一旦置いておいて「仕事は人生の一部。趣味を持つことで仕事に張り合いが出来る」というようなどこにでもある言葉を思い出して、アマゾンでウルトラマンの怪獣を探したら300円位でいっぱい並んでいた。
そう、部屋に怪獣いっぱい買って並べてみようかな。そうしたら子供の頃にゼルダが好きなの思い出して、ゲームプログラマーとかじゃなくて家でファミコン遊んでたの受験の時に親に取り上げられてから職業はゲームプログラマーしか無いって思い込んだだけで、まあ今持ってるパソコンでゼルダ的なゲームを作ってもいいし、ゲームボーイアドバンスのファミコンミニで大人になってからまたゼルダをクリアした時に心の何かがほぐれたのも思い出したよ。
これしかない!って打ち込むものがなくたって、子供の頃から時を忘れて夢中になっていたものなんていっぱいあって、それらは大人になるとやがて冷める部分もあるけど、やっぱ怪獣見るとワクワクするし、そういうワクワクから今度の人生を見つめ直すのも悪くないかなって。
円谷英二に憧れるのもいいじゃない。エヴァの庵野さんも確か特撮出身で俺は初号機のフィギュアも持ってるんだぜ?
キングジョー、ぽちくりしたいけどサイズの確認が取れないし、どっかおもちゃ屋探して実物見て選んで買おうかな。ウルトラマンの怪獣ぐらいなら全種類まとめ買いしてもお釣りが来るほど俺は持ってるんだぜ?