思い返すと中学数学の岡田先生とのやりとりは謎だった

数学というと高校の基礎解析で苦しんだ記憶がいちばん印象深い。

しかし、よくよく思い返すと中学で2次方程式因数分解をして解く時に数学の先生が問題集の解答を取り上げたものを生徒に配って予習させて解答するという授業だった。

数学の岡田先生は解答を配ると生徒が解答を丸写しで予習や宿題を済ませてしまうから考えさせるために解答を取り上げているという。

同時に岡田先生は将棋部の顧問だった。長考する俺に同級生の吉川は「将棋の序盤は定跡やろ、覚えたほうが良いわ」と言った。ボロ負けした俺に廊下で岡田先生とふたりきりになって「覚え(なさい)」と言われて衝撃だった。丸覚えがダメだから数学の解答を取り上げているのではないかと思った。

岡田先生は続けた。「囲碁の強い生徒がいて中学のときは注目株やった。けど、その世界でやろうと思ったら中学でもう弟子入りせなあかん。高校行ってもうたらもうだめやな」と言っていた。俺の進学をどうしろという話ではなかったが、岡田先生は遠い目でそれ以上何も語らなかったし、俺も何も聞けなかった。

俺は勘が悪いのか今から考え直しても岡田先生がなんのためにあの話をしたか分からない。ちょっとした会話にしてはふたりきりだし声の調子で違ったようにも思える。

中学の部活選びくらいまで遡って考えないと自分が心からやりたい打ち込めることが見つからない。コンピュータ将棋を作っていたときはどんなのが出来るか楽しみだった。