単語帳と行列

「物の考え方は数学以外に無い」あるいは「物の考え方は即ち数学である」という説がある。

考えるということはどういうことか、ということから出発して論理学に行き着き、論理回路の究極である近年のコンピュータで人のやりたいこと、見たい映像とか聴きたい音楽すべて満たされるので、電子辞書の時代には「これが頭に入ったら試験とか楽勝なのに」みたいなことを言う人がいたが、手のひらサイズのスマホの時代には「肌身離さず持っていたい」というのがわりと普遍的になった。「頭の中にスマホが入ったら」なんて人はいない。

何故なら、スマホは端末であり無線インターネットと通信することで利便性を提供している。スマホは頭の中に入るものではなく、外界と通信する装置なので電子辞書の時代にはワンチップにすべてが入るなら即ち頭にも入らないかと言う技術知識と推論から来る願望があったが、スマホの時代には「そりゃ人には無理」という諦念があるのだ。

だがどうだろう。確かに端末の機能それ自体は通信で賄われているが、通信内容自体はやはりデジタルの2進数に分解されるし、スマホの考え方だってCPU以外には使っていないのだから。

ではここで、人がしていることで直感的であり論理的でないと思われる「連想」についてもう一度数学で考えてみたい。連想は一見して論理ではないが、高級言語には「連想記憶」と翻訳されたMapクラスがある。ハッシュ法を使って単語ひとつふたつを鍵に膨大さに耐えうるデータ列から目的の先頭アドレスを取り出す。

それをつまり数学に置き直すと行列であり、やっていることは単語帳の丸暗記のようなものだ。単語帳では日本語と英単語を表裏に書いて、1対1で覚えていく。英単語から連想されるのが国語の単語なのである。その結果を集積したものが電子辞書だ。

ではスマホが便利なのはどういうことかと言うと、私見だが歌手の名前を検索すると流行歌が映像付きで流れて、大きなはずの地図が細分化されて近所だけ表示されて、アニメが見放題で、電卓にも使えて、飲食店の会計がツケのように便利で割引も受けられる。カメラにもなる。

行列であることには変わりないのだから、それを頭に入れる鍛え方として単語帳のような方法はないかと考えたんだけど、俺は自分の部屋の壁に長いことAKB48Perfumeのポスターを貼っていたが、大きめの日本地図と世界地図それに人体解剖図などを貼って暮らしている。

「物の考え方は数学以外にない」を「ありき」で考えるとそれはそれで進んで、そうでないケースを考えようとすると新しい考え方が身につくのかも知れない。たとえそれがひいては数学に落ち着こうがそうでなかろうが。

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