パリ五輪の最中にPS2で鉄拳5をしていた

 いやー、SNSでだいぶ怒られた、と言っても優しい方ばかりで前々から思っていたけど言わなかったことを話に出してもらって俺が鈍感だったなと思う案件が。

 妙に明るい話に変わっていたので何かあったのかというとどなたかは分からないがお葬式があったらしく。そういう時に内々で広がる話はあるよなと思いながらも俺は法事も祝い事も誰からも呼ばれない人なので、まあ呼ばれなくてもアンテナ立てていく人にならないと呼ばれるのを待っていたら誰からも誘われないものかもですが。

 それを考える前に、五輪で盛り上がっているテレビをPS2にして鉄拳5を遊んでいました。俺は鉄拳を123T4とほぼやらずに来ていたのでファンの会話には付いていけなかったのですが、鉄拳5になってようやく買って、読み込み中のスターブレードやムービーなどのオマケ要素がやたら充実で、買い物としては悪くないと思ったのですが、買った当時にはそれよかゲーセンでの対戦が面白くなく、ゲーム本編をもっと面白くしてほしいなって感じで不機嫌ではありました。

 知ったことか、という話ですね。俺の感想など。鉄拳4も永久コンボなどあり対戦バランスに難があったようですが、ゲーセンで対戦で遊ぶという事を主眼にしなければステージの背景も音楽もボコり合いのゲーム性もオマケ要素も、なにひとつ問題のないゲームに後から思えてきたんです。絵が見えるようになったんですよね。目で。

 俺は盲目というわけではないけど、ゲームをしている時にちょっと「遠く」を見る感じでピントを合わさずに画面を見て、画面いっぱいの弾幕を見て避けるような特殊な目の使い方をしていて、格闘ゲームをする時にも自キャラと敵キャラの距離とか、画面に出ない「判定」がキャラグラのどの辺りに付いているかとか、ヒットやガード後のフレームがどのくらいかとか、そんな見方もしていて、それでいて長く遊んだものは音楽体験として残っているのですが、絵をもっとちゃんと見ると、全然違う感想になるのです。

 五輪もスポーツのテクニックとか勝敗ではなく、選手の顔はもちろん、観客席のひとりひとりの顔とか仕草がテレビが大きくなって良く見えて、そしてどの競技でどの国が勝つとか、順位表と国旗しか見ていなかったわけですよ。見ていても、見えていない。

 それでPS2の鉄拳5にしても、アニメ絵のカプコンSNKからポリゴンのバーチャ鉄拳を面白がるようになったのが遅く、それでバーチャ4で慣れて勝率や段位を意識し始めたから、そういうのが無い鉄拳TAGが流行っているの知っていても入れず、鉄拳4も乗らず、鉄拳5で後ノリに鉄拳にも段位が付いて参加したので、もうそこしか見ていないだろうという感じでしたね。

 だからアーケードモードと対戦とプラクティスが主眼で、オマケも楽しんだけど、ストーリーモードとかやってみると映像表現として本編よりずっと豊かで、ああこういうサービスのファンも多いんだろうなぁって、ファミコンからPCエンジンメガドラスーファミまでロードが嫌いで挿してすぐ出来るカートリッジ式が好きだったけど、CDROM2とかメガCDとかプレステとかで、カートリッジ式の1M~32Mくらいからいきなり640Mになった業界ではとかくファンサービスとしてメディアに何を詰めれば売れるかというと専らアニメと音楽という事になっていて、そこで「ゲーム性」とか言うやつが意味不明だったのも納得です。

 けどメディアの分類としてはゲームだろと、あらためてしつこく考えてみるのです。

 鉄拳にストIIのような波動拳を付けたらどうなるかって、甚八に弾があるの今日まで知らずに生きてきた俺ですので、関わったことのない何処かの開発現場で、様々な試みがなされて売れると踏み切った上澄みで遊んで語っているので、まあアイデアも平凡なんだと思います。商戦にしても、お金のある強い会社の目線で売り上げを出して勝つことは恐らく公正競争の立場からやっかみを入れられることを恐れなければ、強いと思う平凡なアイデアで勝てるわけです。もちろん、いつでも勝てる優位性を獲得するまでの激しい競争を考えると、あの頃には分からなかったけど、勝ち上がったところで売れ線を狙うとなると当然「他をつぶす」という現実が待っているので、そりゃ当然マイノリティのファンは怒ったり不安になったり、それでいてマジョリティであることに平然としていたり、そういう層にいじめられないように趣味を隠して混ざっている人もいることを考えると、あまりに怖いケンカを展開することになるのだろうなと。

 鉄拳5のスタッフロール、バーチャ4の何倍あるのかなとぼんやり見ました。

 ゲームは最早プログラムでも無ければメディアミックスでもなくシステムとデータストレージになっていて、おすそ分けに出すような少量のデータに課金するという形式が今の主流だと思うんですが、そうでもしないとPS2のこの鉄拳5がゲーセンで流行らなかったことを考えると、ゲーセンでコイン入れてもらう、台置いてもらうという旧来モデルでの集金は既にパッケージを売るモデルの広告でしかなく、鉄拳も7までアケ版出て8からネット対戦のみって、5で発売日付近に買って29キャラ中何キャラ遊びこんだかといいうと、作り手も遊び手も鉄拳というシステムの一部にしかアクセスせずに、それでいて充分コンタクトを取れて界隈が出来ていて、そしてそういう目で見たら、格闘ゲームの対戦バランスとか言ってる俺でもブライアンとデビルジンで充分機嫌よく遊んでいて、それがホントに強キャラなのか誰も検証もしないという。

 遠巻きに変な人いるなぁ、と思って見てもらえればよく、SNSで絡まれても俺にしてみりゃやりづらいだけな界隈との接触があったのですが、まあ鉄拳でもしてれば説明するよりまだ俺の趣味が分かるだろうかって、そう以前はもっと狭くて鉄拳でも趣味じゃないって言ってたんですけど、その部分の小さな歩み寄りが誰かに伝われば。


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