素粒子論をかじることにした

 2月から化学を復習、俺が高校の頃には教わらなかった有機化学も通読して、さてアボガドロ数と分子の質量の関係がモルを求めるのに質量を使い質量を求めるにはモルで割るしかない入れ子の関係になっていることを見抜いたところで、いよいよ分子論そのものが怪しいと思い始めたものの、ふと医薬品で使われる「ワセリン」を有機化学の本で引こうとすると「ワ」の索引がなく、この本は一旦本棚に仕舞うこととした。

 分子論が怪しいと思ってから大辞林量子論関係の単語を全て引いた。「量子」から始まっているものを順番に読んだだけだが、図書館まで行くのがかったるい中で部屋で量子論を学ぶのにはそれが手っ取り早い。しかし「波動関数上の分子軌道をπ電子が通る」というような節から、あくまで理論物理学であって観測的に証明されたものとは違うのだろうなと思った。

 その意味では量子論よりも素粒子論の方が素粒子に名前が付いていて存在証明がありそうなのだが、今日はとりあえずまた大辞林でひとつづつ名前をノートに書いて覚えるに止めた。

 大丈夫、化学を履修したけど分子も見たことないんだ。素粒子論もきっと素粒子を肉眼で見ることは出来ないながらも現在では無矛盾らしいから、座学で行ける。本当か?

 だいたい、専門学校を出て専門士の証書をもらっても学んだことを考えると冗談みたいだったと振り返るんだ。国家試験もそうだった。それで開発部とか研究所と言っても俺の仕事はプログラミングで、理化学実験みたいなものはどこでやっているんだろうと不思議になって転職して工場見学などもしたけど、それでも渡ってきた世の中ではソフトに詳しい方で、ハードウェアに行くか居室でおじゃるしか仕事がない。

 まあ、おじゃっている暇つぶしに美術の勉強をしようかと思ったが頼んだ本が届くのが3ヶ月後なのでそれまで他のことを勉強しようと思っただけの話。美術も理論物理学もどっちもなんか浮世離れした感じがするよな。そしてノートに使う0.7mmの水性ボールペンのインクが切れてこれが3本目。ダイソーで税込110円で4本入りだった。親父に1本あげたから最後だ。

 理論物理学と美術と文具屋。ダイソーや通販の文具が格安のこの世の中で親父の文具屋を継ぐのと理論物理学どっちが現実的なのかもはや分からない。あー、腹減ってきた。


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