開発中の将棋ベーシックに作者が詰まされた件

 タイトルの通り、将棋ベーシック改に作者の俺が先手で負けました。

 育てた甲斐がありました。作者冥利に尽きます。

 将棋ベーシックを「改」と題する前、一手読みの将棋ソフトを作って入門者向けのアプリとして販売しようとしていたんです。スライム級に弱く、それがかえって受けるんじゃないかと思っていたのですが、バンド仲間を探していた頃にヴァイオリニストの謎の女性に「アイツの将棋弱すぎる!飛車先の歩を突いていったら簡単に勝てる。アイツ絶対バカ」みたいに言われて、買い切り商品として名を伏せて商品として売りつけられたら商売としては勝ちだったかもだけど、ネットでダウンロードできるソフトとしてはタダで負けてはならないとその時に肝に銘じたのです。

 それから勝てる将棋を研究しだして、その後の事はログに残っている通り電竜戦1勝1分け17敗という戦績だったわけですが「男として女に負けるわけには」って意地はもともとあんまりないタイプだったのですが、美人バイオリニストに将棋をタダでダウンロードされて負けていちゃもんを付けられるというのは負けても良いと思っていても幾ら何でも負けすぎだろと思うので、ちょっと頑張ってみました。

 とりあえず安直に飛車先の歩を突くだけで負けるのはと思って将棋ベーシックでは2筋の変化ばかりして、DL将棋も指す3八金を指していたのですが、実は相掛かりの定跡を入れることで後手よしの変化があり、これで自分でも負けたわけで俺自身が強くないにしても、ゲームとして簡単に勝てて嬉しいばかりが面白さでもないよなと。

 まあ、件のバイオリニストとの関係は「他の女をさがす」で留保してあったわけですが、結婚できない男として、男としての魅力の基本は勝つことであって、俺の場合はソフト作者として自分の将棋に買って喜んでいたらダメなわけで。今までにも負けたことは何度もあるけど、今度は最初のテーマである「飛車先の歩を突くだけで勝てる」に対するアンサーを見出したということで、物語としてはバイオリニストとの再戦が無いと空振りなわけですが、俺の中ではひとつ進展したわけです。

 まあ、相掛かりとして2六歩に8四歩と突き返すのは得になる変化として数えて13手目以降なので、馬まで入れるともっと先になり、将棋って考えるのも大事だけど、先行研究を学んで反対に強い手を覚えてその通り指せば定跡から相手が外れたところで必ず勝ち筋が見つかるという簡単に強くなるという方法論もあるのかもですが、色々の定跡とその変化を暗記するというのは勉強と同じで好きでない人なら苦行にもなり得て、勝ったるわ!みたいに意気がる人にも言ったからにはやってやるという我慢の用意というか、意地の張り合いと知性の勝負というきわどいところで将棋は決するのかもです。


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