スケジュール帳に「休み」を三日連続で記帳した

 まあテレビくらいは見ているわけだが、これといって特に何もせず「ぼーっと」する日が三日ほど続いた。お医者さんからのおすすめは睡眠と運動なわけだが、鬱にはぼーっとするのも良いらしい。

 だいぶ正気が戻ってきたと思う。俺はボンちゃんなわけだが、20代で独り暮らしを始めて家賃に食費に光熱費にと急にお金が「なくてはならないもの」になって、ほとんどしたこともない家事をどうにかこなしながら仕事としては忙しい目のシステムエンジニアになった。

 んで25歳でキヤノンの子会社で泡を吹いて倒れて救急搬送され、それからマンションで寝ていて、貯金が底をついて家賃滞納で両親別居で父方に付いたわけだが、このころの「暮らすにはカネがいる」という思想の元で生きていて、人付き合いも金銭的利害、お医者さんにかかるのも治療費、メシは外食とか買い食いなので、とにかくお金がちゃんとあるというのだけが生活の光で、銀行預金と財布のカネだけでは泥棒されたら文無しになって死ぬと貯金箱にも小銭を貯めて、銀行口座も分けて、それでも安心できなかったのだが、昨日は病院でマイナカードのエラーがあり、しかし受付はトラブっても主治医と看護婦さんはいつも通りで「ああ、俺は8番ではなく患者さんなんだな」という認識が出来た。

 名前や住所が無いと人間社会で生きられないかというと、近所のスーパーもセルフレジとなり、どういう理由でそこに食料品が並ぶかというとトラックが倉庫側に出入りするわけだが、もしマイナカードに記録された名前や住所が無効になってもサルでもネコでもカラスでも生きているわけで、人間社会でのけ者にされても俺は生物としては何とか生きて行けるのではないかと思うと人間関係の悩みが幾分か軽くなった。

 コンピュータ技師になってから、人に分かってもらえずコンピュータだけが友達だ見たいな価値観と共に、コンピュータ技師やゲーマーというコンピュータ好きの人間関係と言って良いか、関係が出来て、そしてそれ以外と疎遠になったが、俺はコンピュータ技師である前に霊長類で、霊長類として人間社会と自然の境界をハッキリ定めない世界でも生きて行けるかと考えると、サルでもボタンを押せば飯が食える特殊な世界線で生きているのかもしれないよなと思う。

 まあザックリ鬱というだけでなく複雑な疾患なわけだが、それならいっそ全部取っ払ってサルになった方が相手として簡単ではないか、という風な考え方だ。親父相手には息子である。だが、その他の全ての人をコンピュータのお客さんとするから難しいのであって、俺がサルになると食料品を荒らされないように守っているだけで、解除にカネがいるわけだが、それ以外でもメシにありつく方法があれば餓死はしない。

 朝から落語で大学への推薦入学を希望する高校生の笑い話を聞いて、ああまあ俺は世の中からそういう風に笑われているのだろうと自分の事のように捉えるわけだが、そもそも専門卒という特殊な学歴が高卒よりもかえって生き辛く感じていたのも、上から出るか下から出るか、とかくそれで世の人と渡り合ってお金を取らないと飯が食えないと感じるから難しいわけで、それでいてお金の面では無関係に思っていた人が俺が会社員になってから何かと持っているお金を要求するように接してくるようになったというのも人間関係のもつれの始まりで、俺が取ろうとして相手がもらおうとするからややこしく「カネがあるなら払え」という態度で接して来られるのが専門卒、公務員なのだ。

 かといって、相手の出すものがメシ以外欲しいものでも無い。メシ、ゲーム、服、薬、そんなものしか買わない。あと本か。いらんもの売りが煩わしい。

 だがお金が減るのはどこか心配だったのだが、もう46歳で貯金を崩して無収入で暮らして言っても60歳くらいまでもしかしたら行けるんちゃうかと思うと、幾分楽だ。あとは天寿を全うするのではなく50代の半ばくらいでカネが無くなって飢えても先に言ったようにそこからサルになることも出来るだろうし、それくらいの仕事は何らかあるかもしれないと。

 というか、自分の認識はその通りなのだが、こと人間関係に於いて、俺が相手の嘘を言葉の意味でも芝居の意味でも真に受け過ぎで、実は相手がハッタリをかけているだけで俺の方が賢いのではないかと思って見たとき、その上で相手の事を軽くあしらうという態度を取って上手く行くかというような裏切りの選択肢を考え始めた。

 何故か高校も出ていないおばさんが「ふん!あんたなんか大学も出てへんのやろ」と上に出られて、それで弱点を突かれて真に受けるからうぐっとなるのだが、しかし「じゃあおばちゃんはどこの大学出てるの?」という風に返すから「それは~」と相手の嘘が始まる。かといって「あんた高校も出てへんのちゃうかったか?」という風に持って行くとそれはそれで周りの女に弱い者いじめをする奴だというような噂でもって仲間外れにされる。男の友達はいつしか疎遠になっている。街は商店街で買い物客だけが歩いていて、多くは女である。別に中卒のおばちゃんだけが問題では無く、世の中には大卒の女も増えているわけだが、それでも仕事のない人も多く、大卒より専門卒を軽くあしらっているつもりが男の方が仕事があってカネを持っていて自分たちが買われる立場にあるのが辛抱ならない、という人間関係だってあるだろう。

 そのへん、もうサルになってしまえば何も気にすることのない問題に捉えなおせる。人間関係が複雑すぎるのだ。学歴も何の意味も無くなっていても、人の頼りというか、各々のすがるところであったりするわけだ。それを俺が尊重してあげないといけないから難しくて、中卒のオッサンで「ふん、大学なんてなんやねん仕事できひんやんか」という風に持って行ける人はそれで張り合いがあるのだが、こと情報処理技術者の資格を持って、それで中卒でも給料払って人を雇っているから上であるみたいなオッサンを立てながら、女にも気を使い、そうして得たカネを無駄に取られないように守りながらスーパーでメシを買って自分で暮らしていくというのは気苦労が幾ら何でも多すぎる。もちろん、それだけではなく口で言ってもモノを聞かないコンピュータのプログラミングという主業があるわけで、それから離れて人間関係だけでメシを食える人の方が幾分生きやすいのだろうと思う。俺が人間関係に気を遣うので、コンピュータの技師としての主業を忘れられているのではないだろうかとすら思うし、気に留めようにもどんな仕事か理解はされない。

 そんな中、いい加減ストリートファイターIIの攻略ブログとしてではなく、ちょこっと書いたプログラミング関連の記事がブログの注目記事にランクインしてきて、ギターも弾けるようになってきて、ネットの中では少しだけ居心地が良くなってきている。以前は格闘ゲーム掲示板で罵詈雑言を書き込まれ、心を痛めるばかりのブラウジングであった。

 まあそれでもネットでは面白いことを書き込まないといてはいけないみたいな風潮があってブログも写真を付けたりするようになってから、写真無しがサボりとみなされだしていい加減被写体に困るのであるが、プレステのソフトの棚にDTMマガジンを平積みしてその上に袋に仕舞ったアケコンのコマコンを積み、だが全然ゲーム出来てねぇ割にゲームブログを書いているので親戚筋から「いっつもゲームで遊んでいる」と思われていると思うのがつらい。いっぱいるのは間違いないわけだが。積んでるだけ。

 人からこう思われていると思っているのが辛いとすると、認識が本当に合っているのかという事になるが、専門卒が軽くあしらわれているというのも国公立や有名私立に軽くあしらわれたことは実はなく、彼らはハイソーシャルなわけだが、俺が気にしているのを弱みを握ったと誹謗中傷の材料にしている人がいるだけという認識にしてみるが、実はそうでもなくて近いところの学力レベルの大学でIT以外の職に就いたところから大学と専門学校を差別の種にしないと彼らの立ち位置が危ぶまれるところが論陣を張っていて、そこに学歴女が加担して火に油を注いでいるので、そこはもう字の読めないサルになった気持ちで行くか、そもそも正しい論理の文言なのかというと、偏見やおかしさに満ちているのだが、そこをいちいち正すのに言論を振るうと、内容ではなく学歴でもって言論がどちらに傾くか外野も監視していて、なかなかに反論しづらい。

 かといって、左について正論を振るえるかというと、私立高校に専門卒でそっちはそっちでそっぽを向かれる、この中間的な立ち位置のコントロールの難しさよ。まあでも勉強はその分簡単だったとは思う。勉強が簡単だったから、難しいコントロールを難しく思うのだろうな。もっと難しい勉強をして、こうしてネットで言論しながら反応に振り回される悪癖を治せばよい。

 まあ以前から言われているのは敵に回す言論を展開してしまっているという事で、右か左かをハッキリさせて、どちらかの陣営に入らないと板挟みなのである。

 でも俺から見て、右も左もおかしい。おかしいところを我慢してウソをつき通しているのが普通の大人に見える。そこで子供の国を作ろうとしていないかというところ。

 付き通しているウソは簡単に見破れるのだが、そこは暴くべき急所として攻撃するのではなく、相手の言論の足場として尊重しながら、大人の会話が出来るレベルには俺はまだなっていないというところだろう。


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