編:この度はヴァンパイア世界大会優勝おめでとうございます
宮:ありがとうございます。ずっと夢だったのが叶ったというか、まだ実感はないんですけど、運も良かったと思います。
編:運も良かった、ですか。格闘ゲームジャンケン運ゲー論者としてでしょうか。
宮:いや、ジャンケン運ゲーは某掲示板などで拡大解釈されているだけです。多くの人がコンボの練習をトレモでしていると見受けるんですが、どうやったらそのコンボが入る状況になるか、まで考えると相手がこう動いてくれないと、という条件が付くんです。
編:条件が付くとは?もっと具体的にお願いします。
宮:飛び込みからのコンボを練習しても、対戦相手が飛び蹴りをモロに食らうことってあんまり無いと思うんですよね。デミトリのカオスフレアやモリガンのソウルフィストを読んで飛べたときだけ。そうすると、1発も打ってもらえないと勝てないわけです。
編:それは究極的に対戦は待ち合いになるということでしょうか。
宮;まあ、それに近いです。待ち合いになると、飛び道具で削るくらいしか体力を減らす術が無くなる。ジャンプ攻撃はコンボの大ダメージで読まれても対空技1発のリスク。対して、カオスフレアは数ドット削るだけなのに読んで飛ばれるとコンボのリスクを背負いますよね。それでも、待ち合いになったらそれで減らすしか無いから、そういう勝負になると運も絡んでくるという意味で運ゲーだと論じているんです。リスク・リターンを考えて、ローリスクハイリターンを繰り返すと勝てるかとというとそうでもない面もありますよと。
編:それなら、運が良かったというより読み勝ったとまとめるほうが角が立たないと思うんですが。何か、懸命に努力している人もおられる中で「運で決まった」はご自分の努力に対しても礼を欠くことになりませんか。
宮:まあ、そういう側面は確かにありますよね。ただ、論理的、客観的に「絶対こう来ると読めた」というものではなく、慎重にミスらないように1発1発を麻雀のツモ切りのごとくドキドキしながら続けていたら、気付いたら勝っていたという感想を壇上で上手く言えなかったんですよ。
編:なるほど、ツモ切りの例えは分かりやすいです。ゲームをするにあたり、普段から心がけておられることなどありますか。
宮:そうですね、のんびりした性格ながら、ゲームをする時だけは機敏にコマンド入力するクセを付けています。同じカオスフレアでも、下、斜め、前、パンチが1フレームずつ最速で入っているか、みたいなことに気をつけて練習しています。
編:どうしてそれが壇上で出ない(笑)
宮:まあ、勝利インタビューを事前に考えるほど余裕があったわけでないんですよ。
編:まさに幸運の賜物ということですね。
宮:そうですね。
編:今日は貴重なお話をありがとうございました。最後に読者の方にヒトコト。
宮:運ゲーとかいって、多くの誤解を与えてしまいましたが、自分も格闘ゲームファンのひとりです。ひょっとするとゲーセンで対戦したこともあるかもしれません。締めくくりにはなってないかもだけど、勝ったらアガリで辞めちゃうのでなく、趣味で続けると思います。ゲーセンで見つけたらよろしくお願いします。
編:それでは、お忙しいところありがとうございました。
宮:ありがとうございました。