「映像研には手を出すな」アニメ化は面白そう

ツイッターで流れてきたOPを見ただけなんだが。

主人公の女子高生と仲間の3人を見ると専門学校時代を思い出す。

俺らCG学科のメンバーはいちどドラクエ8で映像化され、変なヘルメットかぶって「ぬすっと斬り」を覚える棍棒とか鎖鎌とか持てるずんぐりっとしたのが有本に似ているなと思ったのだが、映像研の3人でもなんとなく自分たちに見える。

まあ、有本はダメなやつで絵も上手くはないのだが、3人でいちばん夢のあるタイプ。

岡田はドラクエモンスターズでみんなで遊んでいても最初にスライムでマダンテをぶちかまし、その情報源はVジャンプ。ペーパーテストは弱い岡田だが16進を読んでポケモンドラクエのステータスを上げるくらいのことは出来て、それで夢がなくなり幻滅してやる気を失くしていた。家に遊びに行くとポケモンの絵を描いた自由帳やPSの鉄拳3とかがあったことを覚えている。

有本はコンピュータの扱い方がよくわからないが、誰の目に見てもおぼろげな水彩画を描いた紙をみんなに見せて、みんなに「なにかいてんの?」と不思議がられたが、俺が有本がコンピュータの専門学校に入学してきたことから察するに「天野喜孝か?」と聞くと「よく分かったな」と自信満々に返してきた。

そんな有本と岡田は卒業制作に悩んでいて、どうせ3ヶ月の製作期間でひとりで作れるCGなんて知れている、一緒に大きなモノ作らないかと呼びかけたのだが最初俺がひとりで作り出す格好となって手伝ってくれよと愚痴をこぼすと「テンチョーに任せとけばオッケーっすね」「手伝うって言っても何していいかわからへん」と言うので俺がブチ切れて「俺がモデリングするからこねくり回して何か動画にしろ!」といった。最初は宇宙をモチーフに宇宙飛行士や月面に惑星とか、NASAJAXAくらいしか客のつかないモデルを作っていた俺だがふたりに宇宙的モデルを渡して自分はインディ・ジョーンズ的なものも作り始め、いざ締切間近となると有本がメタボールで人形には見える粘土像を作り上げて「ネンドリアン」と名付け、宇宙飛行士と月面だけだった映像が一気に異世界となり、岡田は惑星を全て並べて地球をビリヤードのキューで突いたら宇宙が玉突きになるという動画を作り上げた。

岡田のその後は実は知らないのだが、有本は地元でDTPでスーパーのチラシを作るという現実的な仕事を選択して多分当時の彼女と結婚してクルマに乗り、俺を橿原神宮ドライブに連れて行ってくれた。

それでも、学校に来ていたときの有本の夢を思い出すと映像研みたいな作品は有本が好きそうだなと思うし、主人公の雰囲気が有本とかぶるので懐かしい感じがする。

あの時に学校で使っていたCGソフトを全部個人所有しようとすると結構なお値段で学費全部で市販のスペックのパソコン1台くらいという価格であの時代にあれだけソフトウェアが揃ったスタジオを体験できたのは、まあまあ値打ちだと今でも思う。

そして当時のコンテストは既にゲーム会社専属のプロ作品で争われていて、モデリングパペットアニメーション、カメラワーク、レンダリングというありきたりな手法でなくプログラミングを高いレベルでモデルと組み合わせて作るんだろうなと見受けられる作品ばかりで、学生が2年勉強したくらいで食い込めるレベルに到達する人は俺の学年にはいなかった。高専ロボコンに出てから専門に来た谷周太郎と漫画家志望から学校にCGを学びに来た名前を覚えていないもうひとりがアーマードコアを目指してロボットゲームを作ろうとしたが卒業までには完成しなかった。

有本はいつも京都コンピュータ学院かHALに行くべきだったと悔いていたが、俺はいつも「多分そういう機材や講師の問題では無いと思うよ」となだめていた。まあ、建構えが立派で通ってテンション上がるという意味ではHALも良いなと思うが、学費ががが。

まあ、有本のチラシ作成ではないが俺も建設CADみたいな仕事だったので、振り返るとあの頃のほうが現実に打ちのめされる前の夢設計は大きかった気がする。黙って待っていりゃ、CGだろうがゲームだろうが新聞やマンガ雑誌がコンビニに届くようにゲームソフトも映画でも安価に手元に完成品が届くのであるが、その現場に入ることを夢見て打ちひしがれて現実社会の望んだものとは違う立ち位置で傍観者となった俺たち。

映像研のアニメ化はそういう記憶を一気に鮮明に引き出してくれた。俺はあの頃にコンテストで見た作品群をプログラミングで考えていたが、現実には止め絵をフォトショップで加工したものをひとコマずつ送る動画である可能性も考えている。

なんだか、そわそわとして、ひとりで何をするか何を出来るかとか考えるんだけど働かない有本に愚痴をいわず働けばCGは作れるということを見せてあげたいみたいのが当時の俺の真の原動力だったのだなと分析できる。制作現場を見てくれる客がいるというのは自分の部屋でひとりきりで作るのとはモチベが違う。