今日のマジックザギャザリング(攻め系トリコロール)

ゲーム理論とマジックザギャザリングの相性はとても悪い。定められたルールの中でどのような戦略が最適化と熟考するのがゲーム理論の方法で、ルールが個々のカードで常に改定されてゲーム性がどこにあるか見定めることそれ自体が難しいのがマジックザギャザリングだから。

そのため、研究を赤単色のバーンデッキに絞って確率を扱うというのはマジックのカードの多様性からすると単純に過ぎると非難されがちであるけど、そういった切り口を持たないと混沌としているだけで分析や総合に足りうるほど論理的でない。

対して昨日まで煮詰めていたデッキはドラフトから出発しており、カードの相互作用以前に1枚のカードが持っている効果を色マナを考えずに統合マナコストで費用対効果を考えて、割得であると考えたカードを色マナ抜きにマナカーブに沿って並べ、デュアルランドで強引にでっきとしてまとめてしまうという手法を取っていた。

そのため、タップインの3色土地が多く含まれて速攻デッキとしては立ち上がりが遅い。赤単ばかり研究している方に触発され、相手の邪魔を考慮しないときに決着ターン数が速くなるように手持ちのカードの色をなるべく単色化してアンタップで出せる平地を増やして速度が出るように調整した。

f:id:karmen:20210327203819j:plain

それがこの写真の白赤青のフランス国旗トリコロールまたはガンダムRX78カラー。好きな色使いだ。土地が40枚中16枚から15枚になって、60枚で考えると22枚換算。そして「闘争の学び手」「隊商の随員」「天望の騎士」計6枚は60舞だと9枚相当。すごく単純なレベルアップウィニーということになる。

純粋な研究としてやりがちなことにデータベースでカードを選んで、理想のデッキをコンピュータ上で組んでから現金でバラ売りのショップで買い揃えようというのはお金のことを考えてなさすぎる。現実に持っているカードの範囲で強くすることを目指して、その上で余ったカードと等価に交換できるカードの中から欲しいものを探し、トレードも楽しみたい。

プロ野球開幕戦は巨人VS横浜がサヨナラ、10点差、引き分けと3試合来たわけだが、例年から巨人軍は強いわけだし、コンピュータを使ったゲーム研究の成果をネットで発表していると、やはりそれを受け取るのもコンピュータを利用している人になり、ともすると巨人軍のような強者をもっと盤石にしているという向きの効果が強い。勝率や記録などの目標を持つものには利益になっても、社会利益がプラスサムかゼロサムかと言うと生産性のないゼロサムゲームの研究が強者に天秤を傾けるものなら、それでゲームにシラケてファンが減るなら業界はマイナスになるかも知れない。

以前から1000円で楽しむMTGとか無償で遊べるシミュレータの記事を書いてきたけど、久しぶりにイベントに参加したいと公式サイトを見ると更新が途絶えていて懐事情の悪さが垣間見えた。言ってる俺も随分と長い間に渡って新しいカード買っていないから。

それでも、カードを捨てたり焼いたりしない限り、版数が重ねられ世界にカードは増えてゆく。新規市場開拓が出来なくても原理的には業界はプラスサムのはず。ただしカードを集めてパックに封入する作業をしない限り、開封の喜びやドラフトという遊び方は続けられない。

禁止カードになってしまったが、持てるものが強いゲームをひっくり返す天秤のようなカードが安価に手に入る四版の時代のほうがマニアックだったけど競技マジックの間口が広かった可能性もあるよな。その時代でも賞金総額200万円を目指さない限りカード1枚1000円というのがボッタクリに見えるのもな。それなら10億当たる宝くじが300円だからそれを10枚買うのが普通の庶民感覚というやつだろう。

あらゆる競技団体は人工の拡充を求めているけど、日本は人口減が見込まれている国。ゆるやかな停滞と衰退の時代にそれを受け入れて消費の循環から逃れることを俺は何処か求めている。お金のかからない範囲で出来ることをする。それで使った時間が案外と思索に満ちて有意義だったと思っている。その答えを公開するのにはやや惜しい気持ちもあるのだが。


🄫1999-2023 id:karmen