ストIII3rd若い頃を思い出して2日目

 少子高齢化社会44歳でもまだ若いという事で、引退して若手育成みたいな野球監督になるような妄想は捨て、わが身ひとつでPS2に向かう。まあ、居酒屋でビール飲んで監督トークのおじさんがいるようにYouTubeなどで動画観戦して文句言う道もあろうかとは。コロナだし。

 それでケンを選んで戦績はリュウで1回、豪鬼で2回、ギルで4回コンティニューしてオールクリア。10勝7敗かな。

 まあ、振り返ると勝ったと言っても乱入対戦で勝ち抜いたのはそこそこ長い人生の中では一瞬で、ストIIXとかヴァンパイアハンターを暗いゲーセンの片隅で延々遊んでいた暗い青年の流行りゲームデビューというひと幕であったわけです。そりゃ「あの人誰?」で終わる。

 そして客観的には対戦とコンピュータ戦の別は極めて付けにくいという俯瞰が備わり、朝からガラガラのゲーセンに来てコンピュータ相手に勝ち抜き10連勝という人がゲーセンでハイスコアラーとして認定され、金曜の晩にスーツで会社から来て乱入対戦の喧騒の中でお金をジャラジャラ入れて遊んでいるのは負けて金払っていると思われるのも納得。

 ただ、それが直接対決の対戦に於いては俺の勝ちで、アメリカ遠征で日本じゃマニアのファンだけが知っている「カーメン」の本名は代表発表でも誰も知らず、勝って帰ったら、そのルールを日本でということで後から同じことをする人が群がって元々誰か分からなくなる。

 当時はそれが不遇に思えたけど、ゲームクリアして流れるスタッフロールを見ると、監督として名を知られる人以外にも関わった人は多く、その中で有名なのは実力云々ではなく名を出してコミケなどの二次創作で知られている人だったりするだけで。

 二次創作界隈には「実力がある人はコミケから有名になる」みたいな伝説があるけど、まあね、よく考えたらそれも相当に偏った話よね。2軍から苦労して1軍に入ったバッターがヒット1発打って「実力のある人は2軍から上がってくる」とか言われてもそれは違うわけで。

 映画のワルがビルから落ちそうな人が必死で掴んでいる手を踏みつけて落とそうとするみたいな現実社会で、消される人と目立てる人はどう違うか、みたいな。力でねじ伏せるだけではダメだ、やさしさが大事なんだ、とかは夕方のニュースにちょっと出てくるけど、国会中継とか放送自体は一瞬だけどドル円相場や日経平均で世の中回っていて。

 1軍と2軍の話ししたけど球界も社会の一部、カプコン社は東証プライム上場企業。そしてその中でもペナントレースや売り上げなどの競争があって、俺は市民として何を応援して商品として何を買うかの選択権が投票権のごとく与えられている。

 奈良のヤンキーとか暴走族とか、俺からすると「これで十分面白い」とか「黙ってやれ」って言うの、野球監督ならそういう選手に育てるのが正解かもだけど、ゲーム作ってるのが上場企業で市民はカネを投じて買うのなら、ゲームに文句を言う権利はあるはずよね。

 その中で、文句を言うのと黙っているのとどっちがカッコイイのかってのは外堀にもうひとつ出来たeスポーツ選手と観客という層での人気投票であって。悩みはあるよ。


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