PS2のストIII3rdをケンでプレイした感想と近況

 ストリートファイターII'ターボを弾ジャンケン理論で納得するまで遊んで辞めた。

 大体の2D格闘が似たような三すくみの成否で駆け引きとして成り立つという持論の元で、餓狼スペシャルやストZERO3にヴァンパイアなど、改めて遊ぶと新フューチャとか裏技的でなく、ゲームとして成り立っていてコンボ威力を極めなくても減らせればまあ勝てる。

 マーブルVSカプコン2をナッシュ・アイアンマン・アナカリスで何度かクリアしてみた。マブカプ2は果たして対戦ゲームとして成立するのか分からないと思っていたが、キャラ全開放ギャラリー半分くらいのデータでかなり強くなったコンピュータに趣味チームで勝ち目があるというか、落ち着けば負けないので、まあX-MEN系で対戦する人も楽しいのだろうと思った。

 ではストIII3rdはどうかというと、空中ブロッキングがジャンケン的に無敵に近く、だからやらないという人も結構いた。それでも新作でゲーセンで勝つためにやっていた俺たちは、幾つか空中ブロッキングに対する答えを出した。まず飛びがけに隙があるので、接近戦をしてアッパー系の技を読みで打つ。無策に飛んで空中BLばかり狙うなら、くぐって着地を狙うとか、ジャンプ攻撃からのコンボと比較すると分はかなり悪いが、ジャブ連打で落とすと、空ブロ相手でも1ポイントは取れる。対空ブロからジャブにするとかなり分はマシになる。

 他にもヒット確認やしゃがみグラップなど無数の対戦テクニックはあったが、コンピュータを相手取って遊ぶと、コンピュータはキャンセル技とかヒット確認とかしてこないわけで、ボタンを押して出る技である通常技を主体に、ワンボタン技だけで戦って勝てるか、という遊び方をする方がゲームとして面白いと思うようになった。

 以前は、そうすると負けることがもどかしかったわけだが、相手のしてこないズルい技で勝つのに慣れてしまって、駆け引きを拒否することばかりに終始して、賭けてその結果の成否として勝つという感覚は乏しかった。その状態こそが上手だという思想もまたあったわけだが。

 それでボタン技で遊んでいると、まあ勝ち進みはするのだが、こちらケンでアレックスや豪鬼に五分くらい、つまり勝ったり負けてコンティニューすると勝つくらい。

 アレックスはガードが固く、ボタン技をいくら押しても全てガードするので、待って相手に何か出させてブロッキングで勝とうとすると投げてくる。そこにヒット確認スーパーアーツなどのコンボ系の技が無数にあると、駆け引きの回数で何度も読み負けてもダメージの差で勝つわけだが、ダメージ五分でもというかアレックスはパワーキャラなので、ダメージ負けでも十分勝てるくらいにならなきゃって思いは出てきた。

 豪鬼は天魔空刃脚で攻めてきて、中足竜巻に来るので待っていればば自滅させられるのだが、この竜巻の着地に小技からキャンセルスーパーアーツと行くのではなく、ワンボタン技で行くと大攻撃は入らないし投げはグラップディフェンスしてくるので、ズル技なしでは待っても五分。

 そういう風に考えていくと、波動拳ひとつ取ってみてもブロッキングで無意味化するというなら、ストリートファイターIIシリーズでも垂直ジャンプで無意味化する。ただし本田でケンの小波動拳を間違いなく避けられるかというと、難易度が高く、波動拳を繰り返して真上に飛ぶのを失敗してスリーンヒッとか、前に飛んで避けたら踏み込んで着地に足払いという波動足払い戦法で本田は完封された。

 だが、もっと考えると、ケン側が波動拳をミスらず打って、足払いの間合いも間違えていないわけだから、ケン本田でケンが完封したら即座にケン有利かというと、昇竜拳がちゃんと出せない人に本田が前ジャンプ大キックから近居大キックで3ヒットコンボ気絶もっかいコンボで勝ちというレベルの試合になる可能性だってあるわけで。偏った見方つまりダイヤグラムは偏見だと思います。

 その意味では「ストIII3rdは空中ブロッキングを極めたらジャンケンが成立しない」という論理も空中ブロッキングの達人をオートブロッキングと間違えている非論理的な考え方であって、じゃあ両方空ブロ待ちで引き分けるまでやったか?と考えると、先に何か出すから負けるのである。

 そんなわけで、ラスボスのギルに5回コンティニューしてクリアして、これを1回もコンティニューなしでクリアできるまで毎日練習するかというと、それでもケン対ギルでコンピュータにハンデあげてるわけで、それまでのキャラには勝っているわけで、俺のが強いと思う。

 ただ、過去にはそういう風に相対的に勝ち越すとかそういうことではなく「誰にも何にも負けない」を目標として、最高で40連勝くらいしていたので、まあ狂っていたわけだ。その40勝の最後にまた1敗して、その1敗の苦悩があの頃の俺の精神を全て支配していた。

 その意味で、お医者さんに出してもらっているお薬はよく効いて、初めての時に看護婦さんに「飲んだら賢くなるわよ」と言われてナメてんのかと思ってキレたし、飲んだら頭が鈍る感じがして嫌だったが、CPU速度が落ちてもアルゴリズムが良くなるという意味で賢くなった。

 でもね、正直に書いたようにCPU速度的なスペックは当時より下がってると思う。その弱った体でいかに勝つか、という取り組みの元の論理性であって、そもそもやろうとする回数とか動機とか、勝率とか、何を取ってもあの頃はもう今となっては無かった事になったのだろう。


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