俺が何でヴァン・ヘイレンを知ったかというとそれは名前くらい聞いたことあったけどいっくんTVの解説よね。
故人をいじるつもりでは無いですけど、生前のヴァン・ヘイレンには色々な特徴があったらしいんですよ。
その中で「ストラトキャスターを愛用」「初期のアルバムにカバー曲が多い」「今考えると知識不足」というようにクセを3つほどピックアップされると「現行の誰かのことを指している気がするよな」と思ったのであります。
もうひとつ憧れというわけではくなく、色々な歌を聴いてきて振り返るとZARDとかDEENとかミーハーやんと思ってレコードは買わないながら、気がついたら40歳を過ぎたあたりから思い出して口ずさむようになっているのって織田哲郎のメロディですよね。大御所だからヨイショする意味で行くと2017年くらいのインタビューで「楽曲提供はゲームの感覚がある」とか書かれてて、これは何というかもう、自意識過剰なファンとしてはファンサービスですよね。
けど、オダテツを意識せずミーハーだと突っぱねた若き日の俺の耳には当時の楽曲が小室哲哉ブームのちょっと前、キラキラしたシンセサイザのサウンドで全てアレンジされていたからみたいのもありますよね。ELTでも小室哲哉か同じレコード会社のスタッフか、そういうアレンジをする人がいて、いっくんは突っ立ってるだけのようにテレビに映っていたから。
それが年をとるとともにサウンドとしての音楽が風化して、歌詞とメロディだけが言葉になって胸に染みてくる。ベタだけど30代40代のオダテツ歌詞を口ずさんでいる自分に気づく。ELTでもマーティが来日して、世界カラオケみたいな番組でフランスの女の子が歌っているのを聴いて、あらためてそのサウンドではなくこんな歌詞世界があったんだなと気付いたりしたよね。
ブログのタイトル「ヴァン・ヘイレン」にしたのに完全に1990年代の邦楽の話してるよね。でもまあ、後から付けた知識ではなく感性に刻まれたものがそうだからそうだから、仕方ない部分もあるけど、リスナーから音楽家になるにはそういう後付の勉強がちょっと不足しているとは思うよね。自分では新しいつもりでもそれ先にやっている人いるからってことを理解すると傲慢さから謙虚さが芽生えることもあって。俺はギターも弾くようになったけど、それ以前にリスナであったことを併せて考えると、相手から見て今まで上手いこと騙してきたお客さんでもあるわけで、鼻につくからと言って上から怒ってモノを言うともう買ってもらえない、けど同業として後輩になるとも考えると、教えてあげたいこともある、そういう微妙なバランスゲームがあると思うんですよね。