もうちょっと食らいついてみるか

 クリスマスの前にビーフシチューとクリスマスケーキをいただいてしまった。

 それはそれとして、今年を振り返ると中学時代のストリートファイターIIから24歳かな、カプエス2まで通算10年続けた格闘ゲームを、さらに30代からやり直していたのだけど、45歳までにしておこう福山雅治が45歳で結婚したので俺も45歳には結婚したいというすごく良く分からない理由と思われるかもだけど、遅咲きのギター弾き語りミュージシャンとして同氏に自分を重ねていた時期があったのだが、かたや今もなおグラマーな売れっ子ミュージシャンと食う寝る遊ぶで脂肪の付いた坊ちゃんでは比較にならず。

 その45歳までというのが目先に来たからというわけでもないが、自然に今年の活動を振り返ると「自分は自分のやり方で」というのをひとたび捨てて「強いヤツの勝ち方を徹底的に真似る」というのがやっとできた年だと思う。この強いヤツというのを自尊心から認められなかったのが10代で、20代から30代はそれを「ウメハラ以外ありえない」とウメハラが負けたときでも信じていたと思う。そこが抜けて柔らかくなって出来るようになったこともあるが、憧れを捨てて現実路線になったところで、そもそもゲームって現実じゃないのにと振り返り、結果としての勝敗以上にウメハラ伝説が自分にとってドラスティックで、それは口伝で耳から聞かされたシェラザードのようなもので湧き上がる観客の映像で見せられたゲーム大会も現地に足を運ぶとその中で冷めていて、冷静になると昇龍拳タイガーアッパーカットを放って相手が食らっただけという。

 それで、それはそろそろ求め過ぎずに他のことをやろうとなると、専門学校時代の映像芸術か、高校で進路に迷っていた頃に生命についてもっと根本的に知りたいと思ったこととか、まあ何にせよまた手始めは読書を基本とした勉強かなと思ってる。引きこもってテレビ見てゲームする間にちょっとずつ本を読んで、かつての選書センスで買った本では少し物足りなさが出てき始めつつも、受験のように総ざらいに隈なく覚えこんでいるわけでも無い。

 映像芸術にしても映画見たり美術史やったりというアプローチでの学びと、幾何学計算をもっと勉強して未知の映像を探すアプローチが思い当たり、「幾何学」というワードで学び先を探すと京大くらいしか引っかからないんだけど、ジオメトリとして英語で"geometry book"と検索すると難しそうで値段も高い洋書がたっぷり出てくる。

 将棋についても現在大会の真っ最中で、水匠はスペック統一でも強いと話題になっていて、それでやねうら王からelmoに進化したとき学習を勝ち負けで二分すると勝ったり負けたりの勝負にふらつくので勝率を取って高いほうに学習させるようになったのが、現行の水匠も近いところで、次の候補手のうち何度も出てきて勝ったり負けたりしていて勝率の高い手を取るか、ほんの数回出て勝っている手を単純に勝ち数割る出現数で行くと高勝率になるけど母数の大きい定跡とどちらを選ぶかという所が、まだまだコンピュータの判断として乱数つまりサイコロ振って決めるくらいのことしか出来ていないんじゃないかと思った件。

 それはそれで、自分の研究としてはやねうら王でやり尽くされている感のある探索部と自作の将棋の探索部でC++VBの違いはあれあまりに探索深度や到達時間に差があるので、もっとアルゴリズムとデータ構造で改良できないかと将棋部ではなくソフト部としての取り組みに手持ちの本では物足りず、競プロ過去問は3000問あって自分の課題に合う合わないを学びながら判じるには相応の無駄を覚悟で取り組む必要があり、でもそれって幾何学とかに手を出すのも急がば回れで同じじゃないかとも。

 まあ、急がば回れは良く言ったものでそういう新しい取り組みが見えてくるとまた息抜きとして今まで取り組んでいたゲームも既に解決している問題とそうでない問題に仕訳けて、また手を動かす仕事としての習熟度の問題もあり、コンボの練習やギターの速弾きなどサルになれるものを求めるか、知的好奇心を満たしてくれるものを求めるかで分かれ道のスキルツリーを行ったり来たりして成長できていない部分にも気付くわけで。

 それでも、年間の予定表を見ると今年も年初より成長したと思えたわけです。あきらめの境地に入るのではなく、まだもうちょっと個々の事案に食らいついてみるかと。大会開いて勝ち負け決める行事に参加して、負けという結果が出て、それを「参加回数と運量の差でしつこく続けりゃそのうち当たる」みたいにまとめるサイコロ論文に確率統計をかじっただけで「そうだよな」と納得してた過去の自分が情けない事は分かった。

 まず同様に確からしく無いわけで、もっと解析して、分解して、そしてそれらを綜合する。全然関係ない化学の本とかも読み込んで電子殻を学ぶと株式投資をしていた頃に「買い」と言われていた東京エレクトロンの値動きが気になってチャートを見に行くとこの2年で落ち着いて下がっており、電子の時代も落ち着いたのだと悟る。

 美術系の本も数学の幾何学の本ももっと本格的なのを求めているようで、子供向けの入門書でも全てマスターしたわけではなく自分の興味のあるところ以外に読み逃しがあり、安易にお金を出して高価な本を買うのは消費的な満足で勉強して仕事にするって意味では勉強代にも金に糸目は付けなきゃならんってのが俺の持論です。

 どうやってお金かけずに勉強しよっかなと思うと、まあ月並みに図書館があるわけで。買ったけど今の興味の対象とは違って読破できていない積読もあるわけで。

 読んだ中で気になっていることを読書ノートとしてまとめておくと、同じ本でも特にどういう切り口で読んでいたか分かるので、先にも書いたけどその意味で今年の年初と今の俺はちょっと違うぜと思いながら、静かな雪のクリスマスに長文失礼しました。


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