人前で演奏できるかもって思えてきた

 アニメ「ぼっちざろっく」の主人公ぼっちちゃんはあがり症だが、俺の場合そうではなくてギターだけでは全くあがらないのだが、歌と合わせて弾き語りにしたときに練習していた曲目が速いギターが無理なのでスローバラードばかり、そしてそういう歌の歌詞が慕情や愛を歌うもので、もともとモテというかまあまあ元から仲の良いといって差し障りのない友達感覚の女子へのプロポーズにと思って練習を始めたもので、それを機会を逃してネットにアップしたところから過ちは始まっているんだけど、それでモテと言ってもスーパー銭湯アイドル純烈さんみたいにおばちゃんどもから「あんたカラオケちゃうの?」とか「弾いて弾いて」とか言われて、仕事でも無いのにおばちゃん相手に恋歌なんて歌えんわ!と思ってますます引きこもりひとり弾き語りストになってたけど。

 最近、そうじゃなくてアンジェラアキさんの「手紙~拝啓十五の君へ」をレパートリーに加えたので、この歌練習したら人前で恥ずかしがらずに出来るかもと思ってます。

 けどね、女の子のアーティスト活動に比べたら贅沢だと思うのよ。おっさんのファンに囲まれて青春や初恋を歌っているような女性アーティストなんていっぱいいると思うし、そういうのがアイドルの仕事でもっと表現者アーティストでありたいと言ってた人がいつのまにか色気で売ってたりするのよ。そんで俺だってひとりで弾いてるのが恋歌だからおばちゃんに「やってやって」とからかわれるのであって、手紙をどっかで弾き語りしてても流れのギターみたいにみな聞き流して通り過ぎてくんじゃないかって思うし、俺これでも会社OBでお小遣いくらいあるから、流しのギターまで身を落とすなんてとんでもないみたいに思っているところもあるのよ。

 そう考えると、多くのアーティストが結局は恥ずかしいとは思っていてもラブソングで知名度を上げているのは避けられない事実だと思うし、そしてそういうことを売り物にする男が彼女とか嫁さんのいる男から敵視とまで言わなくとも警戒とか心配されるのも当然だと思うし、まあ結婚したから距離を置こうって言ってても人間って不倫とか再婚とかするケースも無いわけではないので、不必要にあちこちの旦那方を心配させるような存在になるというのも目立ちたがりのひとことでは片付かないと思うの。

 そして、その意味で「手紙~拝啓十五の君へ」で慕情ではないテーマで売れたアンジェラアキさんは、実はミュージシャンでも出来る奴は出来て嫌味だから隠している禁断の秘儀である「弾き語り」が肝だったと思うんですよね。

 弾き語りで売れなかったミュージシャンが歌専門になってバックバンドを付けてもらって売れるようになったケースもいくつか見てきました。それはもちろんバックバンドの演奏がそれぞれの専門家とバンドの調和による音楽性もあるとは思うんですが、流しのギターがそうであるようにギターを弾きながら歌うのがどこか貧相というのもあると思うんです。バンド付けてもらうくらい歌うまに箔が付いてるんやぞってのがバンドボーカルの華やかさを際立たせているというか。

 その意味では今よりもっとへたっぴな頃の方が「ナメれる存在」として頑張れをもらえたんですが、そこそこ弾けるようになると反対に音楽としての演奏の粗を気にする人に見放され、また昔の通信カラオケのようなピコピコ演奏でもオリジナル曲でもどうでもよかった人からは1回聞いたからもっと違うの色々欲しいみたいに展開を求められるわけで。

 まあ、順調になりたい自分になって、自己満足の次のステップにゆるゆると進んでおります。シンセサイザとパソコンDTMと生ギターと歌の絡み以外に、他人との絡みもちょっと真剣に考えないといけないところに来てるのかなと。ぼっちなので。


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