あれもこれも

 「二兎を追う者は一兎をも得ず」とは言うもののKOF’98のラルフの勝ち台詞に「どうせ追うなら十兎くらい追ってみろっての!」というのがあって、座右の銘としているのですが。クリスに小ジャンプ吹っ飛ばし連発されたら詰んでる気がします。

 そんなわけで俺の人生十兎追い作戦は45歳まで来て「別にウサギが取れなくったって死ぬわけじゃないもんねっ!」というふうにツンデレしながらも捕らぬ狸の皮算用ゲームプログラマーとかミュージシャンってなんかこう若い時にめっちゃ儲かって充電期間とか開発期間とか言いながら仕事めっちゃ休んで自由みたいなイメージだったけど、ジャニーズの嵐が解散したとき仕事から離れて自由になれたかと言うと「僕たちもっと嵐でいたかったですよ」と言って、その後もちょくちょくテレビに出ているように、プログラマーでも仕事を頼まれてお給料もらってそれをする以上は人から頼られるというのが騙されているとしても近くに人がいるのも良いもんで。

 まあ、売り上げから会社が分捕っておりてくる月給に不満があったにせよ、丸取り案件はそれなりに責任も大きいわけで、ウサギいるよ!もう目の前だよ!と思っても逃げ足が速い速い。取って食ったら旨いのだろうか?俺は豚肉でいいです。

 そんなわけなどんなわけか、今日はスピッツのチェリーを弾き語りで練習しました。

 プログラマーは良いのか、というと、目下これといったオファーがあるわけで無く。ウサギを追うなら東京まで新幹線で行かないと行けないらしく、そりゃ時速300キロで追ったらウサギも捕まるわけで。10代は東京に憧れたけど、20代は大阪で旗揚げして、30代は奈良に帰って、40代もその続きです。

 子供の頃におもちゃをいっぱい買ってもらって、親父が自分の店の陳列を改装して文具屋なのにファミコンソフトまで売っていて、文具屋だからカシオの電卓までは事務用品でオッケーだけどさすがにゲームとなるとおもちゃ屋さんとのケンカもあって、それが金持ちの家の子が身代金目当てに誘拐されるみたいに親父の車がヤクザ屋さんと喧嘩になることがあっても親父が結構強かったので、息子の俺が学校でいじめられる羽目に。

 それでファミコンいっぱいあったので、無自覚に色々なゲームのタイトルの名前を出してしまったのが金持ち自慢みたいなことでいじめられ要因であり、反対にオタク友達出来る要因でもあったけど、商売でやってて遊んだことがあるのとその商売無関係で親が何かの金持ちで自分のものになっている子とのギャップもまたあったりで。

 それはギターを持っても、とにかく色々なミュージシャンのCDを聴いて育ったもので、持ったらはやく奏でて「カラオケみたいにあれもこれも歌いたい!」と歌が先走っていたんですよね。「もー、それ人の歌なのに自分のものみたいに思っちゃって!」ということなんです。

 ネットに弾き語り動画を上げるのが動画を見ているお客様に回転寿司でまずいものをレールに流す行為として非難と反省の対象になったのは最近のことで。

 それでまあ、あれもこれもやりたいけど、いちど弾いて飽きた曲をもっと上手く完成度を上げていくことが大事かなと。そう思って、ノートをパラパラとめくってあれもやったこれもやったと思っているけどひとつひとつはスゲー雑だったなと振り返りました。

 当たり前だけど忘れていることで、スピッツの人はスピッツの曲だけをやってそれで音楽家として4人バンドで生計が立っているわけで、最近たまにいる弾き足り系YouTuberがギター1本で誰のどんな曲でもやっちゃうっての、それまずネットの普及とオリジナルコンテンツ(この場合は音楽)の無償化で、CD買う金が無くてもってか電話代と端末代が払えれば原曲を全部聞けるから聴き取りで再演奏できるって話かなと。

 どうしても視聴者数を稼ぐために名曲名演というか人気曲を良いとこドリップする形の人が多いけど、同じミュージシャンでもアルバム1枚の音楽体験を大切にしてもらうために楽章に見立てて曲調の違いでアルバム1枚でひとつの作品としている歌手もあるわけで、シングル目当てでレンタルして「>>」ボタンで飛ばされがちな「隠れた名曲」は躍動感のあるポップソングの箸休めみたいに音楽を聴いて変化した感情の受け皿になる必要なものだとも思っているわけです。

 まあでももう一度商売で考えると、テレビやラジオでかかったシングル曲を弾き語りアーティストがかぶせても元歌手ファンには隠れた名曲の楽しみがあるわけで、まあ何が言いたいのかというとそろそろ文字打つの飽きてきたので終わります。


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