自然界の循環は解けなくても

 何から計算を始めるかって計算機を使うにあたりめちゃ大事だと思うんです。

 世の中の多くの計算は8ケタの電子計算機で事足りることが多く、それが最も売れる計算機なのですが、俺の趣味がテレビゲームでそれが高じてプログラムを覚え、そして就職したユニオンシステム社で建築物の耐震強度を求めるという難解な課題はまあ上司の岡崎(当時は課長)がしていて、俺はまあ入出力を主に担当していたんですが、その頃に地球温暖化を社会問題とする本を読んで、それを計算機で解決できないかと考え出したんですよね。

 それはもう壮大な計画で、植物が吸収するCO2や人間が呼気で出すCO2に車の排気ガスなど、全部計算機に世界が入ってプレステで世界中動くようなシステムを想像して、それが出来たら温暖化問題は解決すると考えたんです。そんな計算機にカネはいくらかかるだろう、プログラマは何人いるだろう、温暖化を食い止めるのに完成は間に合うのか、そんな感じで大言壮語をぶちまけていたんですよね。

 でもまあ、志半ばで今はゲームなどして遊んでいて、温暖化もSDGsなどでちょっと社会問題とされるけど、計算機は計算をするもので8ケタの電卓があれば大抵の事は片付く。ホントにそう思ったんです。だって温暖化問題が提示される前のコンピュータってせいぜい16ビットのスーファミくらいで、そんなもので世界中モデリングされたわけでは無いはずで「問題だ!」と言い出した人の計算が先立ってあるはずで、以前はそれが西洋とかアメリカのスパコンにそれはもうすごいコンピュータで綿密に計算された社会問題だと想像していたのですが、簡単なことから始めてみました。

 まず人の呼気。人の呼吸には個人差とか運動量でも変わるけど、計算を始める前にズバッとAIに呼気のCO2量を問うと1日1キログラム。年間370で「365ちゃうんかい!」と思われるかもしれませんが、1キログラムもピッタリというわけではない魔法の標本科学から出発してみましょう。地球人口80億人として年間にして29億トン。

 次に大気中のCO2量が約2.2兆トン。大きく出たな?どうやって測ったんだ?と思うけどひとまずメモ。

 そして次に大事なのが車の排出するCO2量だけど、これを車から求めるのではなく統計的に年間の石油消費量1日9000万バレルから1バレル159リットルと石油1リットルのCO2排出量からざっと1バレルのCO2量が0.41トン。年間CO2排出量135億トン。

 ここでさらにAIに尋ねる「どうやって測ったんだ?」と思うような世界の植物が年間吸収するCO2量が31億炭素トン。Cの原子量12でOの原子量が16だからCO2は炭素トンのおよそ3.6倍。112億トンのCO2吸収量。

 キログラム、トンと億万兆の桁合わせなど8ケタ電卓とノートのメモとAIの答えが合っているなら、呼気と石油で165億トン排出して、植物で112億トン吸収。

 これが排出優勢か吸収優勢化で地球の温暖化傾向と寒冷化傾向が割れるのかと。

 出発点がいわゆる標本調査という統計的なところだから、誤差はあれど石油の消費量を6割ほどに抑えないと排出と吸収が釣り合う所にないのよね。

 じゃあどうやって合わせていくのかは今後の課題だけど、ざっくり見積もって電気自動車が普及して行ったらもう大丈夫なんじゃね?という見立てと、細かいけれどSDGsの様々な取り組みは排出と吸収がきわどいところなら焼け石に水と言わず本当に効くのかなぁ?とか思いました。

 まあ、AIあっての物種ではあるけど、計算に使ったのはメモ帳と電卓だけ。

 もっとこうエクセルとかエンジニアっぽい事やれよと思わなくもないけど、計算って始めてから四苦八苦するより、どこを抑えて何を立式するかが大事だと思いました。

 スケジュール帳の1日3行では足りなくて明日の11日の分まで4行使っちまった。


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