格闘ゲーム界のダブルスタンダード

 ストIIターボ93国技館国技館であった以上はストIIは「相撲」と捉えて、ちゃんこを食ってゲームに励むというのが世間から見たスタンダードだとは思うのです。

 ただまあ、俺にとってストIIは「将棋」でした。今でこそ弾ジャンケン理論など意思同時決定ゲームである以上は論理の中に三すくみになる部分があり運で決着するというような意見や立場をもっていますが、始めたときはストIIターボではなくストIIでやり込んだキャラはリュウガイルダルシム。バクチ波動拳を打たず、足払い戦から大足払い波動拳波動拳のガード中に二発目の波動拳を打つ安全波動拳から波動昇竜拳に波動足払いにロケッティアから大足払い波動拳というような手順でゲームが「詰む」と考えていました。

 そこで将棋とするなら「将棋は対局中に口出しするのはマナー違反で勝負の間は黙って見守り、そして終わったら勝敗の決め手が一局のどのあたりにあるか感想を言い合ってお互い次の勝負に向けて反省する」というようなルールが将棋の本にありました。

 これは中学で将棋部くらいまで行くと当たり前のことなんですが、ゲームセンターというのもストIIの対戦台が置かれる前は暗い部屋(ブラウン管が良く映えるように昔のゲーセンは暗かった)で背をかがめて(インベーダーのようなテーブルをのぞき込むため背を屈める風習があるが、最近の筐体は画面が立ったアップライト)そして黙ってひとりで遊ぶというのが当たり前でした。

 しかし、事が相撲やプロレスとなると「ワイワイガヤガヤ」で盛り上げるのが当たり前。そこで将棋のように真剣勝負を持ち込んで黙ってやる派と台を囲んでワイガヤやる派で統制が取られたわけではなく、ふたつのスタンダードが存在する中で場の空気がどちらであるかというところを読み取れているかというのはマズい部分で、人というのはそういう柔軟性が無く「こうと決めたらこう」というひとつのスタンダードしか分からない人にとっては、とても理解しづらい業界なわけです。

 中にはボクシングのようにファイトマネー制だと思っている人もいて、それは恐らくヤクザからゲーセンのサクラとしてお金をもらって流行っているゲーセンの取り上げ役をしていたからそういう風に考えたと思うのですが、そうすると観客の野次ではなくセコンドが付いて「次は波動拳!」「そこでジャンプ!」みたいにやっていたことも経験があります。

 まあ、正論を言うと相撲ならエドモンド本田だろう、そしてストII異種格闘技戦だろうということで「ヨガって何?」と思ってしまう俺ではありますが、ここいらで俺も正直大所帯になって仕切れるかというと、統率力としてはマイクを握って実況をしているイベンターのほうがあるなと思うので、その界隈はプロレスで決着していると思います。

 その中で、俺は将棋みたいにストIIを研究しても良いじゃないというどちらかというと少数派閥ではないかと、ふと考えてみるのですが、ダイヤグラムなどの攻略のまとめがよく読まれている以上はウチのブログに来てくれる人は将棋と言うよりプロレスと言うより100円賭けたバクチとしてのストIIターボの「歩合」を最も重視しているのかなとは思います。

 そうするとダブスタでもなくトリプルスタンダードというか三つ目のその100円を賭けたストIIという側面について、将棋というのが俺の幻想でプロレスというのがストIIを使った興行なら、ゲーセンでのストIIという意味ではカネを入れて遊ぶ以外にルールなど無く、台を挟んでふたりで遊びどちらのキャラが有利かという事を論じるなら、それが実は最も真相に近いストIIターボ界隈の「空気」ではないかと。

 まとめる人もいないので、代表して良いのかどうか勝手に書かせていただきましたが、コメント投稿なども機能がありますのでご意見があればどうぞ。

 まあ、そんな機能は使わずに掲示板とかで勝手に進むのだろうけど、一応ね。


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