- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2012/12/15
- メディア: 雑誌
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麻雀雑誌のコラムに写真付きで胡散臭い話を書いて飯を食っている。
高校生くらいで麻雀を覚えたとき、そんなわけ無いだろうと思った。
しかし、年相応にバクチを打った数が増えてくると、
競馬やパチンコで勝ち続けるよりも、麻雀というのは人相手、
わざと負ける人相手に勝ち続けるってことなら、ありうるよな。
雀鬼桜井は素人相手には打たないらしい。
実際、設計事務所のアルバイトでパソコンの操作ばかりしていたとき、
大工さんやら土木作業の方ばかり集まる腕相撲大会に出たことがある。
そんなの勝てるわけないから、断ろうとすると「まあ出てみろ」と。
言われるままに出てみると、みんないきなりは押して来ない。
力一杯押してみて、びくともしないが、真ん中からずっと動かない。
そしてどうしようもなく疲れた顔を見せるとそっと腕が動き始めて、
テーブルに叩き付ける感じでなく、そっとグラスを降ろすように負ける。
トーナメント形式でなく、割といいかげんに誰と相手するか決められる。
まだやるのか、と嫌になったので、ためしに、真ん中で動かない時に、
ちょっと腕を引いて見てやった。
ピクットだけ腕が動いて、会場がウオーと盛り上がる。
その腕相撲は結局負けたが、最後のほうにパーカーを着た相手が、
力一杯押してみると少しずつ動いて僕は全敗は免れた。
とても相手が本気で押しているとは思えなかったのに、
景品に焼酎をひと瓶もらって帰ることになった。負けるより惨めだ。
今日、コンビニに近代麻雀という雑誌を何となく手に取った。
すると能條純一の新作が載っていたので買うことにした。
去年の暮れか今年の初めか、1年くらい前だ。
同僚に麻雀好きがいて、僕は普段は麻雀は断るのだけれど、
お客さんに打ちたい人がいるということで何となく4人集まった。
接待かなと思いつつも、始まるや否やお客さんが役満を上がった。
点差がある分追いつこうと強気にリーチして結局は一番負けた。
それでも、麻雀は運だと僕は同僚にいつも話していたし、
親を安く流されたり1人全降りされたりというのを差し引きしても、
強い相手にラッキーパンチで勝つこともあるゲームだと思う。
何十回もやって統計すると賭け方に寄る勝率の変化はあるかもだが。
繰り返しになるがひと勝負の麻雀は運だと思っている。
そのときの麻雀が最後の麻雀なので、雑誌を読みながら思い出した。
勝っている麻雀はほとんど何も覚えていないが負けは身にしみる。
雀荘で最初にビールを飲んだのもいけなかったかもしれない。
あがりを間違えてチョンボもやった。
僕の麻雀はメンタンピン基本なんだけどピンヅモ20譜2翻で、
しかも赤牌に馬に焼き鳥と、既に麻雀と思えないようなルールだった。
麻雀は運だと言いつつも、平易なルールだと負けない自信があったし、
勝つ気で臨んで負けた後から「お客さんに点が行ったからまあいいか」
なんて思ってると、この上なく惨めだ。
ピンヅモが20譜2翻なんだけど、数え役満が7700まで減らされ、
なんか点数の計算を値切られている気がしてならなかった。
いつもコンピュータ麻雀で点計算は自動でやっているものだから、
どうも腑に落ちないが、職場の空気も考えて引き下がってしまった。
(今も付き合いはある)
とにかく先にビールを飲まされたのが、とにかくダメだった。
色々と思い出しながらマンガ雑誌を読み進める。
マンガの間にコラムが載っていて、打ち筋、つまり切る牌の講座がある。
自分の考え通りで、何も間違っていないと思うことが書かれている。
そういう風に考えても開幕でスーアンコウをツモされたら運だろう。
そこでお客さんが「積み込みちゃうんか?」とニヤッと笑ったんだ。
どこかにマジシャンみたいに役満を全自動卓に積めるやつがいるのか。
ついに最後のページは雀鬼桜井のコラムだった。
ネタバレになるが、十何年負け無しの桜井が素人3人に負ける話だ。
生ける伝説は普通の麻雀好きのオッサンの与太話に変わっていた。